棄民が複合的に広がっている。
1放射能汚染地区への放置による棄民
2 TPP参加の売国による棄民
3 消費税増税などの政策による棄民
日本の棄民を世界は知っており、日本国憲法の前文にある、 「われらは、平和を維持し、専制と隷従、圧迫と偏狭を地上から永遠に除去しようと努めている国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思う。われらは、全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免かれ、平和のうちに生存する権利を有することを確認する」などという文言は、よほどの鉄面皮でなければ読みあげられたものではない。
「専制と隷従、圧迫と偏狭」、「恐怖と欠乏」は日本にあり、 「名誉ある地位を占めたい」などという前に、お前さんの国の政府を何とかしろ、といわれるだろう。こんなひどい政治家と官僚の国家はないのである。
あれほどみすぼらしい技術、冷酷な政権といわれたソ連でさえ、今では原発事故の対応では、日本より技術的にも人道的にも、はるかに優れた対応をとったことが明白になっている。福島原発事故が起きてからは、日本の原子力村もマスメディアも、ピタリとソ連批判をしなくなった。
原発制御の技術も能力もないものだから、日本の原子力村、学者、マスメディアには、ソ連の力もわからなかったのである。
ところで棄民とグローバリズムとは一体のものである。既得権益支配層がグローバリズムに走るとき、 99%の国民は棄民となり、奴隷となる。民族の概念は消え、労働力はより安い途上国に流れていく。
したがって日本のように経済力の高かった国の国民ほど、労賃の平準化により、劣悪な労働環境・生活環境に追い込まれる。
TPP参加によって、99%の国民には何もいいことはない。1%の既得権益支配層が、富をさらに膨らますだけだ。
国家の幻想の共同性もまた消える。奴隷にとっては、愛すべき祖国、帰属すべき国家などというものはないからである。
1%のグローバリストにとっては、愛すべきは企業、帰属すべきは企業なのであって、かれらは奴隷よりも早く国家の幻想の共同性から離脱している。
ただ、「儲けは企業に、損害は国民に支払わさせる」ために、 1%のグローバリストは、自らは国家を捨てているくせに、政治を通じて国家を手放さない。したがってグローバリズムの時代には、逆に国家を宣揚し、奴隷をナショナリズムで囲い込む現象が起きるのである。
安倍晋三や野田佳彦、石破茂、橋下徹らの保守反動の登場は、それを物語っている。
ところで、橋下徹の発言の余波が世界に広がっている。
当事者の橋下徹は、 6月1日のツイッターで次のようにツイートしている。
「http://bit.ly/ZjwFBj 国連の拷問禁止委員会が、日本政府に対して慰安婦問題に関する僕の発言に明確に反論するよう勧告するらしい。これで慰安婦問題の長年の懸念が解決されることを期待する。慰安婦を国家の意思として拉致し、人身売買したのかどうか」
「慰安婦を国家の意思として拉致し、人身売買したのかどうか。この事実を河野談話で曖昧にしていることが慰安婦問題が解決されない最大の原因。自民党の多くの国会議員は、日本人向けにはこの事実を否定している。国連に対しても否定できるか」
「国家の意思として慰安婦を拉致し、人身売買したのかどうか。これまで日本の多くの歴史学者や自民党を中心とする政治家は、この事実を否定してきた。それは日本人向けに。しかし韓国をはじめとする世界向けには今、認めたような形になっている」
「また国連は元慰安婦に対しての補償問題も取り上げるらしい。国家の意思として慰安婦を拉致し、人身売買したのかどうか、1965年の日韓基本条約並びに経済協力協定の締結によってもなお国家補償が必要なのかどうか、日本政府は明確にすべきだ」
(引用終わり)
これらのツイートに現れているのは国家幻想の掘り起こしである。女性はネタとして使われている。しかし、その橋下徹の正体が現れているのは、むしろ次の発言であろう。
6月2日の『日本経済新聞』は、 「橋下氏ら6日に官房長官と会談 オスプレイで提案も」と題して次のように報道している。
「日本維新の会共同代表の橋下徹大阪市長と同党幹事長の松井一郎大阪府知事が6日に菅義偉官房長官と都内で会談することがわかった。
維新関係者によると、米軍基地の負担軽減策について意見交換し、米軍が沖縄に配備している垂直離着陸輸送機オスプレイの訓練の一部について大阪府内での受け入れに言及することも検討している。
会談には維新傘下の政治団体「大阪維新の会」と政策協定を結んだ沖縄の地域政党「そうぞう」の下地幹郎代表も同席。オスプレイの訓練受け入れ先としては、国土交通省が設置管理者である八尾空港(大阪府八尾市)などが候補に挙がっている。
橋下氏らは4月末に沖縄を訪問。そうぞうとの政策協定では米軍普天間基地(同県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設推進などを盛った。
米軍基地を巡っては、橋下氏が在日米軍に風俗業の活用を進言。沖縄県内から批判が出ており、改めて基地問題に取り組む姿勢をアピールする狙いもあるとみられる」
(引用終わり)
橋下徹の権力迎合の卑屈な姿勢がよく表れている。原発ゼロの国内状況をやぶり、原発再稼働をさせたのも橋下であったし、震災がれきを大阪に持ち込んだのも橋下であった。今度はオスプレイの訓練の一部について大阪府内での受け入れである。
橋下は、沖縄女性の人権蹂躙などと選挙目当てのパフォーマンスを繰り返しているが、実際は米軍司令官に日本の風俗業女性を差し出したのに過ぎないのである。批判を受けて、とっさに沖縄女性の人権などを持ち出したのに過ぎない。
実は橋下徹の論理は、戦中戦後の日本軍部・官僚の理屈と完全に重なる。日本軍部・官僚は、戦時中は外国の女性を日本兵にあてがい、敗戦後は戦勝国の米軍兵士に自国の女性をあてがったのである。
これら橋下徹の一連の言動は、日本国を守ってもらっているというナショナリズムを煽り、奴隷としての棄民を国家で囲い込む現象のひとつなのである。
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