1 ファシズムと立憲民主党

選挙が終わると、国民に対しては増税のプレゼントが、野党に対しては質問時間の「与党7、野党3」というプレゼントが出てきた。

総理が未熟な大人、子供のような大人であっても、指示された政治家・官僚は大人であるから、出世を賭けて懸命に実施する。
恐ろしいのはまさにそこにある。

安倍の幼稚なファシズムを嗤っておれないのだ。

自民党の小選挙区での得票率は48%と半分以下だったが、小選挙区の議席占有率では76%に達した。
つまり自民党には、小選挙区で半分以下しか投票していないのに、4分の3の議席を獲得したことになる。

日本では国民の半分ほどは投票に行かない。
現在のファシズムに向かう危機的な状況でも、国民の半分は我関せず焉である。

今回の投票率は戦後二番目に低い53・68%だった。

愚劣な選挙システムと、徹底した無関心層、公明党票、それに「北朝鮮の脅威」とで、ファシズム前夜の状況が作られている。

「北朝鮮の脅威」は、米日の政権と東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアとによって作られるので、防ぎようがない。
そこで無関心層に懸命に訴えるのだが、これが鉄板である。
微動だにしない。
ところがここにきて意外なところに揺らぎが出てきた。

学会票が揺れてきている。
公明党は、今回の選挙で、議席、獲得票とも大きく減らした。
深刻なのは獲得票数が、はじめて700万票を割り込んできたことだ。

公明党は、自民党がまじめに「比例は公明党」と努力しなかったせいだとごまかしている。
しかし、わたしは最初から学会員が投票しなかったためだと判断してきた。

アクセル山口那津男が、消費税増税、戦争法(安保法制)、共謀罪と、ファシスト安倍に協力してきた。
良心的な学会員は苦しみ、投票所に担ぎ出されても自主的に無効票を投じたのだろう。

これまで昔の名前で出ていた民進党は、「隠れ自公」のヌエ勢力と、「反自公」とが同じ屋根の下に同居してきた。
ヘタレに終始したのは、「隠れ自公」が多数派であり、代表を出してきたからである。
現在、「隠れ自公」のヌエ勢力は、本丸の大ヌエ子たちが無所属として集合し、砦の小ヌエ子たちは希望の党に集まっている。

ふたつとも対米隷属の「隠れ自公」であったから折り合いはよく、連携はすぐとれるだろう。

ジェラルド・カーティスらジャパンハンドラーは、大ヌエ子たちに注目し、何とかして立憲民主党をたらし込み、元の鞘に収め、対米隷属の二大政党制を作ろうと動き始めている。

枝野幸男がもし元の鞘に収まると、立憲民主党への国民の期待は一挙にしぼむだろう。

枝野は、希望の党の浮き沈みの激しさを忘れるべきでない。
数あわせに走るのではなく、党勢拡大は日常の活動と、野党共闘の選挙によって実現すべきだ。
永田町の空中戦など国民には否定の対象にすぎないのだ。

政界再編など、永田町の魑魅魍魎のゲームに過ぎない。
その収斂先は、米日1%の政治部門にすぎない二大政党制に決まっているのだ。

枝野立憲民主党は、さしあたって消費税5%の減税を実行して、富める者から多く取り、貧しい者からは少なくとる累進課税に大きく改めるべきである。

また、枝野幸男は、野党共闘に大きな犠牲を払い、立憲民主党躍進の立役者となった共産党を大切にしなければならない。
次の2点は必ず実行すべきだ。

(1)大幅に議席数を減らした共産党の、議席の回復に最大限の努力をすること。
これは政治家としてはもちろん、人間として必ずやらねばならないことだ。

(2)もし政権交代を果たしたら、内閣に共産党を迎え入れるべきだ。
これは必ずやってほしい。
最初から共産党とは選挙協力だけ、政権には遠慮してもらう、といった姿勢はもう古いし、共産党の配慮に甘えるべきでもない。

 

2 ナチスドイツとナチス自民党

今日のメルマガでは、ハミルトン・F・アームストロングの「ヒトラーのドイツ(1933年)」を切り口に、当時のドイツと日本とを比較検証しながら見ていくことにする。
これはすでに有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』では採り上げてきた論文であるが、今回採り上げるのは、この長大な論文の結論部分である。

こういう試みは、日本の状況を客観視し、日本の状況を正確に掴むうえで、非常に大切である。

(ハミルトン・F・アームストロングは、 フォーリン・アフェアーズ誌初代編集長)

ドイツ共和国は発育不全の植物のような存在だった。
取り急ぎ種がまかれた土壌の1インチ下には、伝統と慣習によってがちがちになった堅い層が存在した。
懲罰的な和平条約によるきつい締め付け、ヨーロッパにおけるフランスとその同盟国がもつ優位に対する焦り、敗北とインフレを経験した後の経済的苦悩、これらのすべてが植物をまっすぐに生育するのを妨げてしまった。

ドイツという植物を手入れして育てるべき立場にあったエーベルト大統領、シャイデマン首相から、シュトレーゼマン外相、ブリューニンク首相、そしてフォン・パーペンやシュライヒャー首相にいたるまでの指導者たちは、ドイツという植物を丹念に育てようとはしなかった。

第一次世界大戦の原因をめぐってドイツが負うべき責任についての解釈を見直そうとする外国のリベラルなメディアによる良心的な試みも、ドイツを無節操に締め付けてしまったために台無しになり、ワイマール共和国の誠実な指導者による試みの行く手を阻んでしまった。

しかし、共和国の死を決定づけた最大の要因は、この植物が下からの栄養を吸い上げることができなかったことにある。
ある有力なドイツ人が2、3年前に私に語ったように、「ドイツは共和国を作り上げたが、共和主義者はだれもいなかった

ドイツ市民は自分たちの置かれている立場は悲惨で耐えられないもので、力に訴えない限り状況が是正されることはあり得ないと考えるようになった。
(シュトレーゼマンを含む)優れた指導者たちでさえ、年毎にドイツの立場がどれほど改善しているかを公言するのをためらうようになっていた。

彼らは、懲罰的な条約も(ドイツからの兵力の撤退、軍事的管理体制の集結、国際連盟への参加、戦後賠償の実質的な放棄など)ドイツの立場を尊重して次第に改善されていることにほとんど気づかなかった。
伝統的な敵であるフランスが目に見える形で平和志向になっていることにも、またフランスが条約の改定、具体的にはドイツに平等な立場を認めることにさらに大きな措置をとる必要があるのを認めていることも、そして、段階的な軍縮策が次なるステップであることにも気づいていなかった」(『Foreign Affairs Report』2012 NO.3)

敗戦によって確かに日本に民主主義は与えられた。
しかし、日本は戦前のドイツと同じような環境に置かれた。
「取り急ぎ種がまかれた土壌の1インチ下には、伝統と慣習によってがちがちになった堅い層が存在した」。
その中心にあるのは、日米合同委員会の存在、日米地位協定や様々な密約による国家主権の剥奪、隷属の強要である。

「しかし、共和国の死を決定づけた最大の要因は、この植物が下からの栄養を吸い上げることができなかったことにある。
ある有力なドイツ人が2、3年前に私に語ったように、「ドイツは共和国を作り上げたが、共和主義者はだれもいなかった」」。
この事情はそのまま日本に当てはまるのかもしれない。
日本は与えられた平和憲法のもと、民主主義を謳歌したが、国民は憲法も民主主義も守ろうとしなかった。
それは戦後の日本人にとって、あらかじめ存在した空気のようなものだった。

ここに幼稚で恥知らずの世襲政治家が登場した。
安倍晋三である。
新自由主義のグローバリストのくせに、その売国奴の本性を隠すために右翼を気取り、国民にナショナリズムを点火した。
それには、戦後に米国が仕掛けた分断統治の格好の標的があった。
北朝鮮である。

平和と民主主義を守ることの大切さをしらない国民は、一挙に北朝鮮への軍事行動容認へと流れ始めた。

「北朝鮮の脅威」を煽りながら、呆れたことに、安倍らは次の3点すら認識していなかった。

(1)一度煽られた国民は、政権の意図を超えて燃え上がり、止めようがなくなること。

(2)北朝鮮への先制攻撃を決めるのは米国であり、日本には拒否権もなく、自衛隊は米軍の指揮下におかれ、参戦せざるを得ないこと。

(3)一度戦争がはじまれば金王朝は壊滅するが、当然それを認識している金正恩は、日本の原発への攻撃をすること。

以上、3点の実現の主体となるのは、ナチスドイツと同様に日本の若者たちであろう。

ナチスドイツを底辺で支えたのは、歴史に無知な若者たちであった。
日本の現在の若者たちも、日帝のアジア侵略の歴史については何も知らない。

ナチス自民党は、世界一高い大学授業料にして学生を借金漬けにし、しかも非正規雇用を増やして、将来の明るい展望を奪ってきた。
そして経済的徴兵制へと追い込んでいる。

(3)については、民族の滅亡をもたらすのに何も考えていない。

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与謝野晶子与謝野晶子

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