このページは、2017年7月11日に更新しました。

『兵頭に訊こう』は、現在の国内外の重要問題について、最新の情報と考え方(批評)を、見やすく、わかりやすいことに注力して発信しています。

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漱石漱石

「いやしくも倫理的に、ある程度の修養を積んだ人でなければ、個性を発展する価値もなし、権力を使う価値もなし、また金力を使う価値もないということになるのです」(『私の個人主義』)

このページの要旨

日本の無党派層を奮い立たせ、生涯に何度かの投票に赴かせるには、候補者にテレビに出ている知名度とわかりやすさが必要だ。
小林節は確かに無名ではなかったが、かれを評価していたのは一部の知識人だけだった。
小池百合子や石原慎太郎のような、「茶の間のミーハーに受ける」要素は皆無だった。
選挙民は小林節を当選させるほど利口ではなかったのだ。
日本では99%からの有能な人物を供託金で排除する選挙システムが起動している。

政界への新規参入の費用を高額に設定しているのは、政治における既得権益の擁護そのものである。安倍が岩盤規制の緩和や撤廃をいうなら、この供託金制度そのものにまず手を付けるべきなのだ。
欧米では供託金制度を完全に廃止してきた。その一例として、米国では供託金は必要としない。日本も、政権交代を果たしたら、優れた人物を国会に送るように供託金廃止をぜひ実現すべきである。

芥川芥川

バカは自分以外の人間は皆バカだと思っています。現在の日本の政治がそうですね。国民はバカだという政治が行われています。

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1 はじめに

あのゴミ売が、世論調査で内閣支持率36%を打ち出す。前回より13ポイント減である。不支持率は52%で11ポイント増である。自民党惨敗の都議選結果に、仕方なく帳尻を合わせてきた。

朝日の内閣支持率は33%だった。前回より5ポイント減である。不支持率は47%で、5ポイント増だった。

両社とも、これでも高すぎる。自民党支持層が離れ始めた現在、支持率5%(東京新聞)~20%(地方紙)が実態だろう。

安倍夫婦は、都議選惨敗も九州北部豪雨水害被災も忘れさせてくれる欧州旅行に羽を伸ばしている。10日の閉会中審査が終わるまでは、何としても欧州にいたい。それでG20が終わっても欧州に居座り、スウェーデンを旅し、閉会中審査の終わった11日に帰国する調子のよさである。

これを野田―蓮舫―山井(国会対策委員長)の自民党補完勢力が認めてしまったのだから、どうしようもない。民進党も安倍抜きの閉会中審査に文句をいうのだったら、自民党の申し出を突っぱね、安倍帰国後の臨時国会と前川喜平の証人喚問を要求し、徹底抗戦をやれば、国民もメディアもついてきたのである。

10日の閉会中審査は、「安倍逃がし・前川隠し」のガス抜きのためのものである。そのことは以前からツイッターなどで警告してきたが、初っぱなから30分も遅れてはじめる始末だった。

これは、民進党が配布したいとする森友学園関連の、国有地売却に関する資料扱いを巡ってのもの。前もって協議していなかったのである。国会の緊張感のなさが如実に伝わる。

民進党もなぜ前川を呼んだかの意味がわかっていないような質問姿勢。もう答えがわかっているような与党関係者にあちこちに質問を振り、前川隠しに務める。何とも前川には気の毒な経過を辿った。

「記者クラブ」が呼んだ前川記者会見の方が、内容的には格段に優れている。民進党はなぜ前川喜平を参考人招致したのか、意味がわかっていない。政治の劣化を目の当たりにするような閉会中審査だった。

加計孝太郎、竹中平蔵、和泉洋人首相補佐官、木曽功前内閣官房参与、杉田和博内閣官房副長官らの証人喚問が必要である。

野田―蓮舫―山井(国会対策委員長)の自民党補完勢力は、これで幕引きを図らずに、徹底抗戦で臨時国会を実現すべきだ。

中途半端にやっていると、衆議院選挙もまた惨敗になる。

今日のメルマガでは、外国から見た日本政治の問題点と選挙とを、考えてみる。

『英国エコノミスト』(2017年7月1日号)に「日本の政治に参加するための費用は高価だ」が載っている。日本の政治参加に対するシステムが、いかに国民の政治参加を妨げているかを考えてみよう。

2 99%からの有能な人物を供託金で排除する選挙システム

小林節は昨年日本の政界に進出を試みたが、その時受けた痛みから未だに回復していない。憲法学者の彼は「国民怒りの会」という中道の政治団体を立ち上げた。しかし、国民は彼が思うほど怒ってはいなかった――彼の党のリストに名を連ねた10人の候補者は、誰も参議院比例代表制で割り当てられた議席を勝ち取ることは出来なかった。

候補者は立候補する際にそれぞれ600万円(5万3000ドル)の供託金を納めたが、それらは全て没収された。この選挙運動の結果、彼は自費で6000万円を負担しなければならなかった――東京の瀟洒なマンションの1区画が買える金額である。「もう二度とごめんだ」と彼は語る。

衆議院の小選挙区制の立候補者は半額程度(300万円)を支払う――それでもこの額は国際基準からすると多額である(図表参照)。これは新規に政治に参入しようと試みる新党や無所属の立候補者には大きな障害となる。

東京では都議会議員選挙を今まさに実施しようとしている――立候補の為には60万円をしぶしぶ出さなければならない。今年、都知事の小池百合子により設立された新興政党「都民ファーストの会」は新人候補者を登録する為に数100万円の資金を集めなければならなかった。

参入の費用をこれ程高額に設定することは、労働組合や業界圧力団体の支援を受ける大政党に有利である、と「緑の党」の宮部彰は不満を漏らす。そしてこのことが、彼の党のような小さな政党の参入を間違いなく阻止する一因となるのだ。「この仕組みは不公平で、憲法に違反することは明白である」と彼は言う。

1925年の日本の選挙法は英国を参考にして制定された。当時、多くの欧州諸国政府は政治に下層階級の人が参入しないように威圧するために供託金を設けていた。

(中略)

他の国々では供託金制度を完全に廃止してきた。その一例として、米国では供託金は必要としない。
この記事の英字原文

小林節が2016年参院選に比例代表で「国民怒りの声」から立候補したとき、無責任に煽った者たちとは違って、わたしは当選は難しいと思っていた。結果は予測したとおりになった。予測の根拠は、あまりにも小林節という人物が立派であり、かつ支持基盤が無党派層だったからだ。

「国民は彼が思うほど怒ってはいなかった」というのは表面的な見方だ。

日本の無党派層こそは、まず投票に行かない。かれらを奮い立たせ、生涯に何度かの投票に赴かせるには、候補者にテレビに出ている知名度とわかりやすさが必要だ。

小林は確かに無名ではなかったが、かれを理解し、評価していたのは一部の知識人だけだった。小池百合子や石原慎太郎のような、「茶の間のミーハーに受ける」要素は皆無だった。

ありていにいうと、選挙民は小林節を当選させるほど利口ではなかったのだ。

小林が「受けた痛みから未だに回復していない」といわれると辛くなる。

3 政界の既得権益を守る供託金制度

 

小林節は、参議院選挙での落選の結果、6000万円を負担することになった。これは、小林のような剛毅な人物でも「もう二度とごめんだ」と吐露させる高額だ。

小林節のような優れた人物を、一度の選挙で国政から排除してしまうのは、国家的な損失である。

米国のように供託金制度がなければ、結果的に小林節のような優れた人物に何度か挑戦させ、国会に迎え入れたかもしれない。

供託金制度が悪いのである。

それがいかに常識外れの高額なものであるかは、英字原文のグラフを参照してほしい。

政界への新規参入の費用を高額に設定しているのは、政治における既得権益の擁護そのものである。安倍が岩盤規制の緩和や撤廃をいうなら、この供託金制度そのものにまず手を付けるべきなのだ。

安倍の岩盤規制の緩和や撤廃が、いかにデタラメで偽物であるか、加計学園の既得権益獲得そのものであるかが、ここには露出しているのである。

「他の国々では供託金制度を完全に廃止してきた。その一例として、米国では供託金は必要としない」。日本も、政権交代を果たしたら、供託金の廃止を必ず実現すべきである。

1%で政治家になった者の多くは、1%のための政治を行うからである。

それが現在、安倍政権に露骨に顕れている。 

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与謝野晶子与謝野晶子

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