滋賀県知事選が終わり、三日月大造が当選した。実質的には民主党と連合の応援を得ての勝利だった。

13日に投開票された知事選の投票率は、50・15%である。これは、前回2010年の61・56%よりは少ない。しかし、嘉田由紀子知事が初当選した06年の前々回(44・94%)を上回った。

相変わらずの低投票率である。奇妙なことに、そうであったが故の意味もでてきている。なぜ低投票率だったか、という問題だ。

得票は以下の通りであった。

三日月大造 25万3728票

こやり隆史 24万0652票(自・公・維新県総支部推薦)

坪田いくお 5万3280票

ここで三日月大造が、なぜ勝ったかを考えてみよう。

三日月大造の勝因

1 集団的自衛権への警戒

2 都議会自民党議員のセクハラ野次

3 公明党・創価学会の棄権の多さ

4 ネット選挙の活用(ユーチューブ、ユースト、ツイキャス、ツイッター、フェイスブックなど)

以上のようなことだろう。4点のうち、3点までが、敵側の、こやり隆史にマイナスに働いた事情である。

このなかでも「3 公明党・創価学会の棄権の多さ」が大きかったように思われる。地方の公明党・創価学会に、集団的自衛権を巡って相当に混乱が起きている。今回の選挙には棄権する人が続出したようだ。

それはそうだろう。真面目な宗教人・仏教徒で、米国を守るために米国の傭兵となって、日本を攻撃してもいない外国との戦争に、賛成する人などいる筈がない。

滋賀県知事選に関する7月14日のツイートには次のようなものがあった。(なお引用のツイートについては、ディスプレイ上の読みやすさを考慮して、兵頭の方で、読点を多く打ったりしているところがあることをお断りしておく)

「よしぼ~

#滋賀県知事選:三日月大造が、2010年9月、今日の政治の衰退をもたらした張本人・菅直人を民主党代表に選んだ206人の大馬鹿者議員の一人であることを承知しながらも、三日月大造を当選に至らしめた皆さん、ご苦労様でした。共産支持者の方もその見識を示されたことを自慢してください」

2009年の政権交代から、菅直人、野田佳彦らによるマニフェスト裏切りを経て、民主党の自爆解散選挙を見てきたものに共通する思いは、このツイートだろう。

三日月大造に、民主党の元国会議員、鳩山由紀夫系列、松下政経塾出身者、という3拍子が揃えば、これだけでわたしなどは何の期待も持てない。おそらくすぐに自・公と野合し、地方の大政翼賛政治を始めるという心配がきてしまう。

第一、「卒原発」などといったファジーなスローガンで、強大で非人間的な原子力村と闘えるはずがない。

しかも三日月は、国会議員時代に、原子力規制委員会の新基準を満たした原発は再開すべきとしている。「卒原発」は嘉田由紀子の票欲しさに一時的に妥協したとしか思われない。

安倍晋三は、知事選の結果に関係なく、原発の再稼働を進める構えだ。再稼働の動きは、16日には、原子力規制委員会が川内原発に対する許可を出す見通しである。

「卒原発」が単なる知識人のアクセサリに終わらないように、三日月は心して県政に当たらなければならない。

2012年の衆院選にあたって、「候補者アンケートの回答」というHPがある。そこで三日月大造が次のように答えている。

時期が近く、しかも国政選挙にあたってのアンケートへの答えであるから、三日月大造の考えは、現在も変わっていないと思っていい。わたしの問題意識に沿って幾つかを採り上げてみた。

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「問4:(消費税)社会保障財源にあてるため、消費税を2014年4月に8%、2015年10月に10%まで引き上げる法律が成立しました。この法律への考え方で近いものを一つ選んで下さい。

回答:1. 法律通りに引き上げるべきだ

問6:(原発再稼働)原子力規制委員会は、原発の再稼働に関する新たな安全基準を策定中です。今後の原発再稼働について、あなたの考えに近い方を選んで下さい。

回答:1. 新基準を満たした原発は再稼働すべきだ

問9:(普天間)政府は日米関係を重視し、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場を同県名護市辺野古に移設する方針ですが、県や地元は反対しています。移設先についてあなたの考えに近いものを一つ選んで下さい。

回答:1. 名護市辺野古

問10:(尖閣国有化)政府が沖縄県の尖閣諸島を国有化したことを評価しますか、しませんか。

回答:1. 評価する

問12:(TPP参加)輸出入関税を原則ゼロにする環太平洋パートナーシップ協定(TPP)への参加に賛成ですか、反対ですか。

回答:1. 非該当

問13:(TPP農業)TPPの農業分野への対応について、あなたの考えに最も近いものを一つ選んで下さい。

回答:2. コメなど可能な限り多くの例外品目を設けるべきだ

問20:(政権公約)政権公約(マニフェスト)通りに政策を実行しないことをどう思いますか。

回答:2. 柔軟に対応すべきだ」

寒々としてくる。

TPPに対する「問12」、「問13 」の回答は、曖昧であるが、実質的には条件付きで賛成していると見なければならない。

消費税増税に賛成するばかりか、原発再稼働も新基準を満たした原発は再稼働に賛成する。

沖縄普天間基地の名護市辺野古沖移転にも賛成する。何と尖閣国有化も賛成評価する。

TPP参加にも条件つきで賛成する。極め付きは、選挙公約(マニフェスト)は「柔軟に対応すべきだ」というのだ。これが民主党が政権を手放した一番の理由なのだが、わかっていないのである。

こうなると、自・公・維新との違いがきわめて希薄になってくる。さすがは松下政経塾出身者である。

つまり、この選挙の意義は、次の金子勝のツイートが語るように、民主党の勝利という党派性を超えたところにあるようだ。つまり自・公・維新県総支部推薦候補が落選したという意義である。それも無理して深読みしたうえでの話であるが。

「金子勝

滋賀県知事選で、卒原発を継承する三日月氏が当選。集団的自衛権や原発再稼働でやりたい放題の自公与党推薦、元経産官僚の小鑓隆史候補では、ますます何でもありになるところだった。秋以降、福島県知事選、沖縄県知事選と続く。これからが勝負…」

つまり、地方選挙を自・公以外の候補者で勝ち抜き、安倍政権の軍国主義路線に歯止めをかけようということである。

これから福島県知事選(10月26日)と沖縄県知事選(11月16日)と続く。このふたつの県とも、福島県は福島第1原発事件、沖縄県は米軍基地問題と、大きな政治的問題を抱え込んでいる。

もっとも自・公が強いのが滋賀県といわれていただけに、ここで負けた自・公は3連敗する可能性が出てきた。

この3連戦は、2015年4月の統一地方選挙に続いている。そういった意味で滋賀県知事選の自・公・維新県総支部推薦の敗北は大きかったのである。

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