今やチェルノブイリの「放射線管理区域」相当の汚染をしている東京で、都議選が行われた。
その結果は、放射能汚染とはまったく関係のない結果を示した。つまり、原発をこの国に持ち込み、民族的な厄災をもたらした自民党が圧勝したのである。
この結果、政治とともに都民の政治意識もメルトダウンしていることがわかった。
結果は次の通りである。括弧内は選挙前の議席数。
各党獲得議席数(選挙前)
民主党 15(43 ) 都議会第4党に転落
自民党 59(39 ) 全員当選して、都議会第1党
公明党 23(23 ) 全員当選して、都議会第2党
共産党 17(8 ) 都議会第3党に躍進 議案提出権のある11議席を獲得
維新 2(3) 34人を擁立も惨敗
ネット 3(2)
みんな 7(1 )
生活・社民・みどり 0(0 )
諸派無所属 1(6 )
わたしは、翌朝、フェイスブックとツイッターに次の投稿をした。両者で文体を少し変えたが、趣旨は同じだ。
「都議選が終わり、自民圧勝、共産党・みんな躍進、公明堅調、生活・社民・みどり惨敗、といった結果でした。
先の都知事選と同じ結果が出たのだと思います。その理由は3点あると思います。
1 都民は状況に無知である。
2 東京は大いなる田舎である。
3 東京は日本で最も政治的民度が低い。
多くの新聞が、東京を日本政界の縮図のように見立てていますが、わたしはまったく違うと思います。東京が今後の日本の予兆になる時代は終わっているのだと思います。
わたしも若い頃に東京に住んだことがあります。わたしを含めて職場もアパートも田舎者の集まりでした。もっとも驚いたのは、地方で問題になることが、東京ではまったく問題にならないということです。
いちいち深く考え、問題にしていたら、東京ではやっていけない、という説明を受けました。東京は親切でスマートなのですが、人の怒りや苦しみには眉をひそめるといった軽薄さがあります。
今度の都議選の結果は、東京の政治的民度の低さが端的に現れたものです。地方では、青森市長選、名古屋市長選、小平市長選、さいたま市長選、千葉市長選、八千代市長選と自民党に鉄槌を加え、自民党はすべて敗北し、候補者を立てられないなどの不戦敗を喫しています。
この地方の動きに対して、しかも株価暴落の後に、経済政策「アホノミクス」への評価を前面に押したてた自民党を敗北させずに、大勝利に導いた東京都民は、状況に無知であり、日本で最も政治的民度が低い、 大いなる田舎者の集まりである、といっていいと思います。
その民度の低さが現れたのは43.50%という投票率の低さです。端的にいえば棄権した都民こそ、最も考えない、最も無責任で民度の低い人々です。勝った政党はすべて組織票の硬いところですから、投票率の低さは願ったり叶ったりだったのです。
参加しなければ何も変わりません。福島の被爆し続けている数十万の子供たちに、最も責任があるのは東京都民ではありませんか。
わたしたちは天文学的な原発関連のツケを回した未来の世代にも、投票で応える義務があります」
(引用終わり)
わたしが見たツイッターの幾つかを紹介すると、次のようなものがある。
6月23日
橋本久美
「板橋区の衆院選挙では維新と民主が次点を争っていたはずが、今回の都議選では共産党に抜かれ、衆院選に出ていなかったみんなの党が議席を取った。民主党の没落は止められず、東京での維新ブームは終わったようだ」
きっこ
「「選挙に行っても政権交代しても何も変わらない。それどころかさらに悪くなる」ということを証明して、多くの有権者から投票する意欲を奪い取った民主党の責任は大きいな。特に野田佳彦」」
6月24日
きっこ
「昨日の都議選、有権者の総数は1058万9228人、このうち投票したのは460万6599人、投票しなかったのは598万2629人でした。東京都在住の有権者のうち約600万人もの人たちが「東京なんかどうでもいい」「都議なんて誰がやっても同じだ」って思ってるんだね」
きっこ
「東京23区を都議選の投票率の低い順に並べると、最低が港区32.52%、渋谷区35.66%、中央区40.81%、目黒区41.03%、(中略) 荒川区46.17%、文京区46.22%、江東区46.82%、最高が北区48.89%、お金持の多い区は低く、庶民の多い区は高いことが顕著です」
孫崎 享
「政治:日本国民には原発推進・TPP参加、消費税増税の自民と、公明と共産の選択肢かないのか。酷い世になった。都議会第一党自民、第2公明、第3共産」
(引用終わり)
選挙の翌日から、マスメディアは投票率の低さについて「政治不信の表れ」と、またしても愚民化策に忙しい。棄権にたいそうな意味付与をして、次の参議院選挙での棄権を促す。
投票を棄権した都民が、何で「政治不信」など持とうか。何も考えておらず、投票日だったことも知らず、たとえ知っていても邪魔くさかったのであり、男一匹、どこから見ても結構な馬鹿面が投票しなかったのである。
マスメディアが国民を褒めるときは、体制批判や抵抗の牙を抜こうとしているのである。
「我慢強い国民と外国が称賛」、「絆」、「食べて応援」。
評価の言葉には、奴隷への侮蔑の匂いが籠もっている。
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