今回の衆院選(小選挙区)の当日有権者数は1億395万9866人だった。このうち投票したのは6166万9473人である。

投票率は59.32%で、戦後最低を記録した。

民主党が政権交代を果たした前回09年は69.28%だったから、10ポイント近く下落だ。

つまり熱気を帯びた政権交代ではなく、非常に冷めた、突き放したような政権交代だ。

自民党が296議席を獲得して大勝した05年衆院選の比例は77議席だった。比例では、今回は20議席も少なく、119議席で、自民党が大敗した09年の比例55議席を2議席上回るだけだ。

これは衝撃的だ。自民党の圧勝が伝えられるが、政権から転落した09年の比例議席に2議席多いだけだ。

自民党に風はまったく吹いていないのである。

全国の比例得票数を見てみると、もっと衝撃的だ。

自民党は1662万票。大敗して政権から転落した09年の1881万票より219万票も少ないのだ。

得票率も27.6%である。これも大敗した09年の26.7%とほぼ変わらない。

小選挙区候補の得票数は2564万票。衝撃的なのは大敗した09年から、さらに165万票も減っている。

暗い勝利なのだ。

換言すれば、09年の政権交代で民主党に期待を賭けて投票した人々が、多く棄権したのである。

そういった意味では、民主党の国会議員、とりわけ菅直人、野田佳彦の罪は非常に重い。

このふたりで、政権交代の意義をことごとく投げ捨てた。

民主党は対米隷属、官僚隷属、財界隷属の、まったく自民党と変わらぬ政党に没落した。

野田が、自民党野田派とヤユされたのはその象徴的な事態である。

今回の選挙では、野田の、日本未来の党殲滅の意思が徹底していた。

まだ「未来」の党名と政策が浸透していないうちに、野田はあえて12月に解散した。

これには財務省の入れ知恵があったといわれている。

自爆的な解散をしてでも、既得権益支配層の総意として、小沢に政界からの退陣を迫ったのである。

このあたり、既得権益支配層の小沢アレルギー、小沢恐怖症の強さがいかに凄まじいかを感じさせられる。換言すれば、それは小沢の巨大さでもあるのだが。

野田が選挙での敗北の責任をとって代表辞任を表明した。しかし、おそらく最高顧問などになって、さらに民主党を壊滅に引っ張るのであろう。

この暗愚な政治家は民主党のみならず日本政界の疫病神である。

野田は政権与党を潰した責任をとって、議員を辞職すべきである。政治で飯を食うことを、もうやめてもらいたい。政治の根本がわかっていないのだから。

さて、今回の選挙は、表面上は自民党の圧勝である。しかし裏の勝利者は米国である。

消費税増税、原発、TPP。これはすべて米国の指示である。したがって対米隷属の政党は、すべて賛成した。

日本維新の会の「維新八策」も、財務省と米国が泣いて喜びそうな政策ばかりだ。

ここで、日本未来の党の敗因は、総括しておこう。すぐにやってくる参議院選挙のためである。

1 新党から選挙まで時間がなかったこと。

今回の、虚を突いた解散総選挙は、財務省が野田に知恵を付けたものといわれている。

財務省・野田は、とりわけ日本未来の党の準備が整わないうちの解散総選挙に、打って出た。

これが結果的には日本未来の党の一番の敗因である。その意味では、財務省・野田の策謀は成功したかに見える。

しかしこれは前代未聞の暗愚な宰相が、自党派の壊滅を代償にしているわけで、いかにも暗愚な野田らしいやり方である。

野田という政治家の愚かさが際だっただけの無茶苦茶なやりかただった。

2 3年前の政権交代選挙の、次点バネの発現。

3年前の09年政権交代選挙で、自民党は大量の落選者を出した。

その落選者たちは、この3年余り、地道に地元で選挙活動をやってきており、その次点バネが利いたといえる。
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3 日本未来の党が、新党名に、せっかく浸透した「国民の生活が第一」を完全に捨てたこと。

これはたとえば「生活党」としておけば、だいぶ選挙結果は違っていたと思われる。

代表の嘉田由紀子は、賢く、立派な女性である。しかし、国政選挙は素人であり、党名が国民に浸透するのに3ヶ月かかる現実を考慮しなかった。そして自分の個人的な政治塾(「未来政治塾」)の名前にこだわった。

知識人には多い、B層知らずなのである。

4 選挙直前の飯田のドタバタ劇が、日本未来の党への頼りなさを国民に印象づけてしまった。

日本未来の党は、4日の届け出締め切りの午後5時ギリギリに、中央選挙管理会に比例名簿を提出した。この理由は、日本未来の党の森ゆうこが、記者団に説明してわかった。

「嘉田さんから了承をもらい作業を進めたが、飯田(哲也代表代行)さんの意向ですべてのブロックで名簿順位を変更した」

もしあと1分遅れていたら、全員立候補すらできない事態になっていた。

立候補締め切り日の当日に、小沢一郎らが入念に考えて決めた名簿順位を、素人の飯田哲也が「すべてのブロックで名簿順位を変更」するなど、信じられぬことである。

この一件でわたしは飯田なる人物の政治センスのすべてがわかった。

わたしがもし自民党の実力者だったら、飯田を通じて、日本未来の党をかき回す。菅、野田ら使って民主党を潰したように。

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