現代社会の子供の進路は、富裕層1%の連鎖と貧困層99%の連鎖とで、あらかじめ決まっている。努力ではどうしようもない現実を、子供たちは肌で感じている。貧富がもたらす学校外での教育の違いが、あまりにも明らかすぎるからだ。あるいは就職にまで、親の財力・縁故の違いが関係してくる現実を知っているのだ。

学校の進路指導がいかに大切か。そこに生徒の必死の展望をみてやらねばならない。

政治や東京の大手(「記者クラブ」)メディアだけでなく、教育も劣化している。日本総体が破壊され、植民地の完成に向かって突き進んでいる。

昨年12月8日、広島県府中町の、町立府中緑ヶ丘中学3年の男子生徒が、自宅で自殺した。

生徒は公立高校を第1志望とし、受験するために校長の推薦が必要な私立高校を第2志望にしていた。しかし、この学校には、万引きなどの非行歴があった場合、校長推薦をしないルールがあった。これは教育現場の自己否定である。教育による再生を認めないのだから。この校長推薦がなかった場合、まず合格は無理だった。

ひどいことに、この自殺した生徒は、別の生徒の万引き記録を間違って記録され(これ自体、信じられないような失敗である)、冤罪のまま放置されていた。3年の担任は、サーバーの万引きの指導歴を信じて、生徒に推薦ができない旨を廊下で伝え、自殺に追い込んでしまった。

1年生当時の生徒指導の会議で、万引き記録の間違いは指摘されていたが、資料の内容を保存しているサーバーで修正していなかった。担任はこのサーバーの記録をもとに自殺した生徒に校長の推薦がない旨伝えて、生徒を自殺に追いやった。

自殺した男子生徒の両親は、「ずさんなデータ管理、間違った進路指導がなければ、わが子が命を絶つことは決してなかった」とのコメントを出したが、問題はその「ずさんなデータ管理」の中身である。

教委・学校の情報を基にしたメディアの報道には、多くの間違いがある。それは学校の実態に対する無知と、学校が吐いている嘘を真に受けているからだ。

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1 まず担任が知らなかったということは、信じられないような失敗である。新3学年の最初の学年会は、旧担任からの生徒情報の申し送りと情報交換が中心になる。そのとき、生徒指導歴や、特に多い欠席・遅刻の理由、アルバイトや家庭環境などは必ず報告される。したがって3年の担任が知らなかったということは、本来ならあり得ない話である。

2 もし新3年の学年全員が知らなかったのなら、職員会で、生徒指導部長が万引きの誤りを報告していなかった場合だ。あるいは、そのように生徒指導の案件を報告するシステム自体がこの学校にはなかったのである。指導歴の間違いも、指導部長、あるいは学年主任、担任が報告し、全体化していなかった。この学校の場合、指導歴が生徒の進路に直結するので、きわめて重要である。したがって全体化のシステムを導入しなかった校長に最大の責任がある。

3 校長がつかさどる校務については、学校教育法第37条第4項に「校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する」とある。校長は自分の推薦が生徒の進路に決定的な力をもっている現実からも、自殺した生徒の非行歴の誤りに直接的に関係があった。その責任は重大であり、担任を、生徒の自殺後に指導してすむような問題ではない。校長の職員監督不行き届きで、生徒が自殺しており、責任をとるべきだ。

4 小・中・高には、少なくとも週に1回、学年会がある。その議題は、中・高3学年の場合は進路指導が中心になる。この学校の場合、校長推薦を受けられない生徒の確認は、最重要議題になる筈だ。担任が間違ってしまったのは、学年の全員が知らずにこの誤りを指摘しなかったか、あるいはこういう会議自体を設けなかったかのいずれかである。いずれもあり得ないケースであり、信じがたいほどずさんな学校だ。

5 1年時の担任が「万引きの指導歴」を書いた連絡カードをそのまま新2年担任に送り、この2年の担任も訂正せずに、そのままにして新3年の担任に送った。つまり、学年毎に担任が変わっていたら、最大3人の担任がミスに関わっている。ここで、メディアの報道から隠れている罪深い教師がいる。1年時の担任である。この担任が、連絡カードとパソコンの両方を訂正し、職員会でも訂正して全体化していたら、生徒の命を奪わずにすんだのである。

6 訂正はこっそり、それも口頭でごく一部の教師のみでなされていた可能性が大である。これも信じがたいことだ。

7 3年の担任は、非常識にも生徒が往来し、また、たむろしている教室前の廊下で、数回にわたって面接をやっている。件の生徒に対して「万引きがありますね」と訊いている。報道によると、生徒の反応は微妙で、担任は、「「3年の時ではなく、1年の時だよ」と確認すると、生徒は間をおいて「あっ、はい」と答えたという」。死人に口なしだから、本当かどうかわからない。

自殺した生徒は否定したが、担任が嘘吐くな、サーバーにはデータがある、とやり込めたのではないか。政治家がムサシを疑わないように、パソコンのデータを疑わない教師が殆どなのだ。しかも他の生徒がいる廊下でこんなことを生徒に確認するのは、この教師は、教師以前に人間失格である。確認は1年時の担任にしなければならなかったのである。

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『毎日新聞』にこんな記事が載っていた。

「「指導死」親の会(東京都)の代表世話人で、教師の誤った指導で次男が自殺した大貫隆志さん(59)によると、「指導死」とは、教員らによる不適切な言動や暴力行為といったパワーハラスメントで子供が死に追い詰められることを指す。だが、生徒指導で子どもが自殺に至るほど心に深い傷を負うことはあまり知られていないという。

教育評論家の武田さち子さんがまとめた統計によると、教員の指導が原因で児童生徒が自殺したとみられる事案(未遂も含む)は1989年以降61件で、うち間違った事実に基づいて生徒を責めるなどした「えん罪型」も10件ある。

札幌市内の道立高校では昨年10月、3年生の男子生徒が同級生の携帯電話を盗んだとの疑いをかけられ、教諭に事情を聴かれるうちに失踪して遺体で見つかった。生徒は「盗んでいない」と同級生にメールをしていたという。

2009年には、福岡市内の中学1年の男子生徒が、同級生の上履きを隠したとして担任から1時間以上問い詰められるなどし、悩んで自殺した。母親には「否定したのに何を言っても信じてもらえない」と話していたという。

大貫さんは「言い分を聞いてもらえず、人格を否定されたり、長時間責められたりするケースが多い。今回は『えん罪型』にあてはまる」といい、府中町教委が設置する第三者委員会には「情報管理のあり方だけでなく、進路指導で教師が具体的にどのような対応を取ったか明らかにしてほしい」と求めている。【高橋咲子】」(「広島・中3自殺 誤った指導で自殺相次ぐ」『毎日新聞』2016年3月8日)

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「指導死」の数字は、氷山の一角だと思った方がいい。学校には、生徒を自殺に追い込むほど病的に厳しい教師がうじゃうじゃいる。いじめで殺されるようだったら、学校には行かない方がよろしい。その加害者に教師が加わってきた。何とも情けない世の中になってきたものだ。

食べていくのに必死の親。努力ではどうしようもない現実を、親を通じて子どもたちは肌で感じている。自分たちの親ほど必死に働かなくても、富裕層の親たちが楽に生活していることを、1%の子どもたちの話を通じて知っているのだ。

過酷なのは、どうやら1%の子どもたちには1%へのレールが敷かれており、自分たちには99%のレールが敷かれていることが、漠然とわかるときだ。何とかして、その連鎖を断ち切りたい。

政治は、1%から多くを取る再分配政策の累進課税制度を採らずに、99%に過酷な消費税増税をとる。しかもその税収を1%の法人税減税に充てる。「勝者がすべてをとる経済」が支配している。

この悪政から何とかして脱出したい。だから、傍目には可哀想なあがきに見えるかもしれないが、まだ微かに残っているかもしれない脱出の夢を賭けて、いい高校に入りたい。その夢を、いや命を、教師の怠慢が奪ってしまった。

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