3月11日は、個人的にふたつの事件があった。ひとつはブログの『兵頭に訊こう』に対して、総当たり攻撃がかけられ、一時的にサイトの管理者ページに入れなくなったことである。

この日は、ドイツ在住の脱原発活動家 Emi Kiyomizu の翻訳をアップする作業をしている途中だった。レンタルサーバーに問い合わせると、わたしのサイトに総当たり攻撃がかけられたので、閉鎖してブロックしている、ということだった。

再開の作業に手間取り、 Emi Kiyomizu の翻訳をアップできたのは夕方だった。

ふたつ目の事件というのは、この記事がこれまでの最高の訪問数を記録したことである。つまり嫌なことと、いいこととが立て続けに起きたわけで、疲れがどっときて、わたしとしては、その夜珍しく8時間ほども眠った。

自分が攻撃に遭ったことから、IT関連会社社員の片山祐輔の、いわゆる「パソコン遠隔操作事件」を思い出した。

katayama yusuke (2)

この事件については、 神保哲生の『ビデオニュース・ドットコム』や、岩上安身の『IWJ』などが採り上げていることもあって、関心をもって見守っている。

評論家の江川紹子が、片山祐輔の貴重な手紙を公開している。これは、「片山祐輔氏には接見禁止がついているため、直接面会したり、手紙のやりとりができない。そのため、昨年10月と12月の2回、弁護人を通じて質問状を送った。回答は、弁護人がパソコンで打ち直したものを受け取った。明らかな誤字脱字は江川が補った」という経過を辿ったものである。

その手紙のなかで「今回のことで、警察、検察、裁判所に対する印象は変わりましたか」という江川の質問に対して、片山は「日本の刑事司法は江戸時代よりヒドイ」という見出しのなかで、次のように述べている。

なお、ディスプレイ上の読みやすさを考慮して、兵頭の方で改行を増やしてある。

「私には前科があります。8年前の事件でも、警察・検察・裁判所と関わることになりました。そのときは早期から認めていたため、大きな波乱は無かったと思います。今回の事件で新しく思った印象について説明したいです。

・警察について

初日から盛大な「市中引き回しの刑」にされたようなものだと思っています。裁判も何も受けていない段階からこういうところを見ると、日本の刑事司法は江戸時代よりヒドイです。

マスコミリークもひどいものです。逮捕より20日以上前、遅くとも1/21にはマスコミにマークされていたわけです。

逮捕初日の護送の車の中で、「なんであんなにマスコミがいるんですか?」と聞くと、横にいた刑事は「マスコミもオレたちを尾行して、オレたちと同じようなことをやってるんだよ。こっちから情報を流したわけじゃないから」のように言い訳していました。

リークの内容についても許せないです。「ネコに首輪をつけている防犯カメラ映像」「ケータイからネコ写真が復元された」という明らかな嘘が蔓延していたことになります。それだけ聞けば世間の人はもう私が犯人だとしか思わないでしょう。大本営発表をそのまま垂れ流し、面白おかしく報道したマスコミ各社についても、後で必ず責任を取らせたいと思います。

enoshima cat

・検察について

「水庫検事はヒドイ(注1)」の一言ですが、逮捕から6月末の捜査終了発表までは、検察そのものはあまり目立った動きはしませんでした。

7月以降の公判前整理手続での印象となります。重要なところは隠す、ボカす、肝心な証拠はなかなか出さない、何とか期日を引きのばそうとする。手続きが早く進行して1日も早く保釈されたい私としては歯がゆいばかりです。

このようなあやふやな根拠で人を監禁し続け、保釈には反対し、有罪に持っていこうとしている。検察という組織そのものが「不正義」のカタマリであるかのように感じてしまいます。

・裁判所について

これまでも逮捕状を出す決定、勾留をする決定、勾留延長の決定、勾留を取り消さない決定、保釈を却下する決定など色々な決定を受けてきましたが、どれについても思うのは、裁判所は「何も判断していない」ということです。

今のところテンプレートどおり、検察の言うとおりの決定を下しているだけです。頭で考えて判断してくれているように思えません。

元裁判官の木谷先生によると、「検察に逆らって勾留を取り消すことも、保釈を認めることも、そして無罪を出すことも、裁判官からすれば勇気とエネルギーの要ることだ」とのことです。在官時の木谷先生のような熱意ある裁判官に当たれば良いのですが。

今までの経過から考えると、最終的に本当に「無罪」を出してくれるのか、そこがとてつもなく不安です」( http://bit.ly/1gk8Gdr )

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ちなみに、手紙の(注1)とは、「2度目の逮捕の後に身柄を検察庁に送られた際、弁護人は「録音・録画したうえで、十分に話を聞いてもらいたい。そうすれば、黙秘権は行使しない。ICレコーダーでの録音だけでも構いません」と申し入れたうえで、録音もなされない場合は、弁解録取書の作成のみしか応じない、取り調べを拒否すると伝えた。だが、水庫検事は録音を行わないまま、3時間以上の取り調べを行った」ことを指している。

ここで、警察、検察、裁判官に対して片山が述べていることは、これまでもわが国司法の前近代性として、外国からの批判を含めて、さんざん指摘され、批判されてきたものだ。

わが国の検察は、外国と比べても異様なまでの権限を与えられている。それは以下のようなものだ。

1 訴追権

2 捜査権

3 起訴便宜主義

4 22日間の弁護士抜きの身柄拘束

5 「人質司法」の運用

6 マスメディアへの情報のリーク

これらの検察権力から、外国からわが国の刑事司法は、due process(適正手続き)を欠いており、黙秘権を実質的に否定ないし敵視する、crime control(犯罪抑圧)モデルの典型であると批判されてきた。

わたしは、日本の司法改革のためには、取り調べの全面可視化とともに、外国には見られない、強大な検察権限の、廃止または見直しが必要だと考えている。

具体的に挙げると、次のようなものだ。

1 訴追権と捜査権を切り離す。

2 起訴便宜主義(検事の胸三寸で、起訴するか否かの判断が決まる)と、22日間の弁護士抜きの身柄拘束、いわゆる「人質司法」を廃止する。

3 全体的にdue process(適正手続き)を制度的に取り入れる。

4 マスメディアに対するリークの禁止。

異常なシステムと強大を付与された結果、日本の検察は、逮捕以前にマスメディアをコントロールし、取り調べの段階では警察をコントロールし、裁判の段階では裁判所をコントロールする。さらに小沢一郎の政治謀略裁判では、検察審査会をもコントロールすることがわかった。

第一審有罪までの日本の刑事手続きで、司法(裁判所)の判断に基づいて、それとは対立する行政(捜査当局)の判断がしりぞけられ、犯罪不成立または無罪が決定される割合は、ほとんどなく、有罪率が99.9% である。

この異常な数値は、ナチスドイツの刑事裁判における有罪率や、スターリン政権下のソ連の刑事裁判における有罪率よりも高い。こうなると、もはや法で争う意味はないのであり、日本が法治国家というのは幻想なのだ。

hitler-stalin[1]

アフリカの元判事に、日本の司法制度は「中世」といわれても仕方がないのである。

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