日本にいて社会的弱者の具体的事件に気付くことは難しい。

それは民族的な特質として、同胞の窮状に冷淡な国柄だからだ。まして社会的弱者には非常に冷淡な国である。深刻なのはそのことすら日本人は無自覚で、日々、からっぽの「日本スゲー系」で洗脳されている。

それが実質的には年間10万人の自殺者として現実化する。日本では年間の不審死が約14万人出る。そのなかの推定自殺は約7万人といわれる。つまり認定自殺約3万人と推定自殺約7万人合計の、10万人以上が、日本の実質的な自殺者数である。

『自殺白書』によると、日本の自殺者は、30代から歳をとるごとに増加する。つまり歳をとるほどに辛くなる国なのだ。しかも年金を少なくし、支給年齢を繰り下げるから、さらに60代以上の自殺は増えていくだろう。

社会的弱者の状況に、メディアは関心をもたず、ほとんど採り上げない。若い人たちにも、明日はわが身の自覚が少ない。

たまにメディアが採り上げると、それ自体がネットで騒がれるほどだ。

ディアスポラという社会用語は、住んでいた国家や民族の居住地から離散して、別の国家や居住地で永住と定着を目指す、国民や民族の集団・コミュニティのことをいう。ユダヤ民族や在日朝鮮人、それから幅広く米国に迫害されて軍事基地の提供を強いられる沖縄を考えたらわかりやすいだろう。

さらに、広義には、ディアスポラとしての福島があり、ディアスポラとしての下流老人、下流若者がいる。

日本には二種類の難民がいる。日本人の難民と外国人の難民だ。

日本人の難民とは何か。社会的弱者には、障害者・児童・女性・失業者・不熟練労働者・零細な農漁民・少数民族、低所得層(年金生活、生活保護)などがいる。これが国内難民化し、ディアスポラ化してきている。

これら国内難民に対してさえ冷淡だから、国籍のない国外難民に対してはさらに冷たい。

その事件が12月6日、東京高裁で起きた。

『弁護士ドットコムニュース』に「「とても悔しい」日本で生まれ育ったタイ人少年「退去処分」取消し請求、二審も棄却」が載っている。

「不法滞在のタイ人の母親のもと、日本で生まれ育った山梨県甲府市の高校2年生、ウォン・ウティナン君(16)が、入国管理局による退去強制処分の取消しを求めた訴訟の控訴審判決が12月6日、東京高裁であった。
小林昭彦裁判長は原告側の請求を棄却する判決を言い渡した。

判決後、会見を開いた原告代理人は「不当判決」としながらも、「最高裁に上告するかどうか、現時点で結論が出ていない」と述べた。

ウティナン君は2000年、不法滞在のタイ人の母親のもと、甲府市で生まれた。小学校には通わなかったが、外国人支援団体から学習支援を受けて学力が向上。2013年から市立中学校に編入した。努力をつづけて、同級生と良好な関係を保てるようになったという。

その後、出生に関する書類や生活環境などが整ったことから、母親は2013年、東京入国管理局に在留特別許可を申請した。ところが、2014年に退去強制処分を受けたため、2015年に国を相手取り、処分の取消しを求めて東京地裁に提訴した。今年6月の一審判決は原告側の請求を棄却していた。

控訴審で、東京高裁の小林昭彦裁判長は「在留特別許可を与えなかった判断は、社会通念上著しく妥当性が欠くといえず、裁量権の逸脱にあたらない」などと判断した。

●ウティナン君「いまこの状況で考えられない」

判決後、ウティナン君と代理人が東京・霞が関の司法記者クラブで記者会見を開いた。ウティナン君は「今後については、いまこの状況で考えられません。甲府に帰って少し気持ちを落ち着かせて考えたい。日本にいたいです」「とても悔しいです」と言葉少なく、ショックを受けた様子で話した。

原告代理人をつとめる児玉晃一弁護士は「不当判決というしかありません」としたうえで、「判決直後に、本人と話して、最高裁まで争うかは、現時点で結論が出ていない。裁判は、(ウティナン君が)日本に滞在するための手段なので、本人と支援者と話し合って決めたい」と説明した。強制退去処分について、再審申請することも模索するという。

この日午後に開かれた法廷には、ウティナン君の支援者などが詰めかけて、傍聴席は満席になった。国側の代理人は姿を見せなかった。「原告の請求を棄却する」という短い主文が読み上げられると、「なんで?」「ひどい!」「恥を知れ!」といった声が傍聴席であがっていた」(「「とても悔しい」日本で生まれ育ったタイ人少年「退去処分」取消し請求、二審も棄却」

母親は不法滞在とはいえ、日本で生まれ育った、日本の高校2年生に対して、退去強制処分など、よくも申し渡せるものだ。タイ語も話せないのに、強制送還されたらどうやって生きていったらいいのか。

控訴審で、東京高裁の小林昭彦裁判長は「在留特別許可を与えなかった判断は、社会通念上著しく妥当性が欠くといえず、裁量権の逸脱にあたらない」と述べている。

ここで小林が述べている「社会通念」とは、正確にいうと日本の「社会通念」であり、世界の噴飯ものにすぎない。

法律は、細部まで調べ尽くした後に、判決は、法をいったん忘れて考えるのが大切だ、というのが、民法の大家末川博の信念であった。小林にはこれがない。

2014年、日本政府に5000人が難民申請をしたが、長時間をかけて認定されたのはわずか11人であり、世界から顰蹙を買っている。

日本の場合、難民申請の窓口はあるものの、最初から見せかけのものであり、難民を排除するためのシステムになっている。

判決には支援者などから、「原告の請求を棄却する」という短い主文が読み上げられると、「なんで?」「ひどい!」「恥を知れ!」といった声が傍聴席であがっていた」というが、当然である。

難民や移住の受け入れについては、日本は、もっと積極的にやるべきだ。そのひとつの理由は、これだけ政治が劣化してしまうと、戦争あるいは原発絡みで、いずれ日本からも大量の難民、移住・移民の希望者が出るだろうからである。

ディアスポラとしての日本、ジャパニーズ・ディアスポラは、ほぼ確実なわたしたちの未来である。難民や移住を受け入れてこそ、逆の移住も可能になってくる。

それに、すでに日本には大量の移住者が住んでいる。ある一定の抽象化を加えれば、在日米軍は70年余の移住の存在と考えることができる。

米国の移住者は武装している。そして敗戦後70年近くもこの国に駐屯し続けている。それをジャパンハンドラーや黄色いエージェントたちが支援するという、ディアスポラを形成している。

それなら新しい移民・移住者にも、もっと寛容であるべきだ。

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なにぶん歳なので、いつまで書けるかわかりません。それ以上に、狙われているので、ネットから追放される可能性もあります。皆さんのなかにもわたしのツイートをリツイートして、妨害された方がおられるでしょう。共産党からネトウヨまで、幅広い妨害に遭っております。つまり公認左翼と右翼とに怖がられております。

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