7月26日未明に、相模原市「津久井やまゆり園」の障害者を襲撃して、19人を殺害、26人に重軽傷を負わせる事件が起きた。

襲撃したのは、以前この施設に勤めていた植松聖(26)だった。

かれの動機は、はっきりしている。植松聖は、今年2月15日に、東京都千代田区の衆院議長公邸を訪ね、大島理森議長にあてた手紙を渡していた。その手紙の内容が一部公開されているのである。そのなかで動機があからさまに語られていた。(引用文の●は※に変えてある)

「私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。

フリーメイソンからなる※※※※が作られた※※※※※※※※を勉強させて頂きました。戦争で未来ある人間が殺されるのはとても悲しく、多くの憎しみを生みますが、障害者を殺すことは不幸を最大まで抑えることができます

驚いたことに、フリーメイソンが出てきた。ポケモンGOの登場といい、いよいよNWOに向けた混沌が始まったのである。これほどの殺人事件で、フリーメイソンが出てきたのは初めてである。幼稚ではあるが、明確に弱肉強食、優勝劣敗、優生学思想に基づく襲撃である。それは安倍政権の政治思想そのものである。

「障害者がいなくなればいい」と考えていた植松聖は、大島理森に渡した手紙通りに刃物と結束バンドを持ち込んで犯行に及んだ。社会的弱者を棄民する政策を次々に打ち出し、「社会的弱者」に冷酷な極右世相を作り出した安倍晋三の責任は重いといわねばならない。

安倍晋三、麻生太郎などは、「お見舞いを申し上げる」といった通り一遍の決まり文句ではなく、責任のある政治家・思想家として、おのれの過去の発言とこの事件に対して、見解を述べるべきだ。黙っていると、この事件を容認したと受け取られる。

この手紙の分析は後でやるとして、この事件は防げた事件だった。これほど明確に、政権中枢部と警察に対して、大量殺人を予告し、その通りに実行した例はない。自首まで予告通りにしている。いったい日本の政治と警察はどうなっているのだろうか。護送の車中で植松聖は嗤っているではないか。

「作戦を実行するに私からはいくつかのご要望がございます。
逮捕後の監禁は最長で2年までとし、その後は自由な人生を送らせて下さい。心神喪失による無罪。
新しい名前(※※※※)、本籍、運転免許証等の生活に必要な書類、美容整形による一般社会への擬態。
金銭的支援5億円

この手紙の文面からすると、一方的な自分の要求が守られると思っているのかもしれない。それで恐ろしい嗤いになったのかもしれない。

この事件が防ぎ得たと思われるのは、次の4点があったからだ。このときに、関係者の認識が甘く、危機意識が欠けており、対応が不十分だったのである。

1 これは2015年6月の事件であるが、植松聖は通行人と口論、怪我させて書類送検されている。この攻撃的な過去が、それからの植松聖の暴力の予測に活かされなかった。

2 植松聖は、今年2月15日に、東京都千代田区の衆院議長公邸を訪ねていた。大島理森議長宛てに「障害者を抹殺する」などと書いた手紙を警備にあたっていた警察官に渡している。大島理森はこの手紙を読んで、どういった対策を指示し、その後も継続して関心を持ち続けたのだろうか。

3 衆院議長公邸を訪ねた後、警視庁麹町署は当日に神奈川県津久井署に通報した。4日後(なぜ4日もかかったのだろうか)の2月19日に警察から「他人を傷つけるおそれがある」と施設に連絡があった。植松は「自分は間違っていない」と主張した。それで退職してもらい、相模原市に連絡して、3月2日まで緊急の措置入院をとった。

しかし、措置入院後2週間であっけなく退院している。
「理由は他人に危害を加えなくなった」からだという。しかし、2週間で他人への攻撃性が治ると診断したとは、よほどの藪医者である。「1」の過去が活かされていない。軽くだまされている。

医者はその道の専門家ではあるが、人間のすべてに通じているわけではない。そのことについて、政治家も官僚も世間も誤解している。ある種の人間が本気で嘘をついた場合、ほとんどの医者はだまされるのである。退院の判断には、医者の判断を対象化しうるほどの、医者以外の人間を複数入れた方がいい。

このあと、同居する家族もなく、また行政からのフォローもなく、野獣は放たれて計画通りに惨劇に突き進んだ。

4 惨劇の前日に、警察が植松聖の自宅に行っている。しかし、植松は留守で会えなかった。どういった内容で警察は植松を尋ねたのだろうか。留守だからといって会わずに引き上げてよかったのか。大いに疑問が残る。

(「植松容疑者の自宅の近所に住む73歳の男性によりますと、25日の正午ごろ、容疑者の自宅にパトカー1台が来て警察官が容疑者を捜していたということですが、自宅にはいなかったということです」『NHK NEWS WEB』7月26日)

この事件に関したいくつかのツイートを紹介する。
 

「sarah(改憲はさせない)

高齢者は『適当な時に死ぬ義務』がある」と言った曽野綾子、「ああいう人ってのは人格あるのかね」と言った石原慎太郎、「オイいつまで生きてるつもりだよ」と言った麻生太郎、この人達も今回の事件への素地を作っている

柏崎玲央奈

フィンランドで大量殺人があったときは、大反省会だった。自分たちの教育の何がわるかったのか、自分たちの国の制度の何がわるかったのか、自分たちの国の何がわるかったのか。日本では絶対そうならない。

白石草

フランスのAFP通信は、おととし、川崎市の有料老人ホームで入所者3人が転落して死亡し、元職員の男が殺人の罪で起訴された事件を例に挙げ、最近、日本では弱者に対する攻撃が増えていると指摘しています。

高橋享子

この人はある意味安首相シンパの典型的例かもしれない。教育者であったこと障害者施設でも働いていたことなど外見は博愛家なのに、命を愛おしむ感情が全く育ってない。しかも幼稚で言葉だけは格好つける。ある意味人格がバラバラで幼児性が強い。

山口二郎

安倍首相はことあるごとに西欧諸国と自由・人権という価値観を共有すると言うが、障碍者、病者を含め、すべての人間の個人の尊厳を守るという価値観は共有していないのだろうか。個人の尊厳を冒とくした輩を野放しにしたことを恥じないのだろうか。

Nobuyo Yagi 八木啓代

重度を含め、身障者に優しくできない社会や精神が、どのような殺伐・荒廃したものであるか。いや、誰だって、事故や病気でいつ重度身障者になるかもしれないというのに、その想像力の貧困が悲しすぎる。

元々岡田猫

差別反対どころか、重度障害の人たちの施設を訪問して「こんな人達に人格なんてあるのか」と放言した男が、平然と都知事を続けられる国だからなあ。

あべともこ(衆議院議員・小児科医)

福祉施設での大量無差別殺害事件に、怒りと政治の不作為、そして根深い障害者差別をみる。保育、介護、福祉の人材不足、不十分な待遇、そして何より教育の不在がケアの質を低下させ、高齢者施設や精神病院でも殺人事件がおきていたのに、政治はずっと放置。地域の受け皿のない精神医療で病者は孤立」

植松聖の、「障害者がいなくなればいい」「障害者は死んだ方が家族が楽になる」には、世相の背景がある。これまで安倍政権の閣僚から、次々と社会的弱者切り捨て、弱肉強食、優生学の思想が語られてきた。それに対して御用メディアが押し黙り、批判してこなかった。それがこのような異様な事件を生んだのである。安倍政権と御用メディアに責任がある。

この手紙を読むと、植松聖は、大島理森に対して「想像を絶する激務の中大変恐縮ではございますが、安倍晋三様にご相談頂けることを切に願っております」と親近感をもっていることがわかる。

これからあなたたちに代わって自分が正義を決行する。だからなにぶんよろしく、といった気持ちなのだ。

犯行後に護送車のなかの植松聖は笑っていた。むしろ正義を行ったという気持ちが態度に横溢していた。

植松聖が衆議院議長公邸で大島理森に渡した手紙を読んでみよう。

(1枚目)

「衆議院議長大島理森様

この手紙を手にとって頂き本当にありがとうございます。

私は障害者総勢470名を抹殺することができます。
常軌を逸する発言であることは重々理解しております。しかし、保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳、日本国と世界の為と思い居ても立っても居られずに本日行動に移した次第であります。

理由は世界経済の活性化、本格的な第三次世界大戦を未然に防ぐことができるかもしれないと考えたからです。

障害者は人間としてではなく、動物として生活を過しております。車イスに一生縛られている気の毒な利用者も多く存在し、保護者が絶縁状態にあることも珍しくありません。

私の目標は重複障害者の方が家庭内での生活、及び社会的活動が極めて困難な場合、保護者の同意を得て安楽死できる世界です。
重複障害者に対する命のあり方は未だに答えが見つかっていない所だと考えました。障害者は不幸を作ることしかできません。

フリーメイソンからなる※※※※が作られた※※※※※※※※を勉強させて頂きました。戦争で未来ある人間が殺されるのはとても悲しく、多くの憎しみを生みますが、障害者を殺すことは不幸を最大まで抑えることができます。

今こそ革命を行い、全人類の為に必要不可欠である辛い決断をする時だと考えます。日本国が大きな第一歩を踏み出すのです。
世界を担う大島理森様のお力で世界をより良い方向に進めて頂けないでしょうか。是非、安倍晋三様のお耳に伝えて頂ければと思います。

私が人類の為にできることを真剣に考えた答えでございます。
衆議院議長大島理森様、どうか愛する日本国、全人類の為にお力添え頂けないでしょうか。何卒よろしくお願い致します」(大島理森に渡した手紙

「私は障害者総勢470名を抹殺することができます」という書き出しから始まるのだが、一読してわかるのは殺害者の幼稚さである。犯行への一片のためらいも罪悪感もない。植松聖は正義を遂行する側にあり、障害者を見下している。

「保護者の疲れきった表情、施設で働いている職員の生気の欠けた瞳」といったものは、現在の日本の多くの職場で見られるものだ。この施設は植松聖を雇った時点で、死に神を導き入れたのと同じだった。こういった社会的弱者を預かる施設は、採用試験の中身を変えねばならない。

知識や偏差値重視の採用試験、そして選挙システムの制度疲労が、日本の閉塞状況を生んでいる。上に行くほどバカが出てくる構造を抜本的に変えねば、19人の殺害予告を、わざわざ衆議院議長の公邸に持参し、しかもそれを防止できなかったという現実は、さらに進捗するだろう。

恐ろしいのは「障害者は人間としてではなく、動物として生活を過して」いて、生きていても意味がないのだから殺すという情念である。「障害者は不幸を作ることしかできません」とは何と薄っぺらで思い上がった考えであろうか。

「戦争で未来ある人間が殺されるのはとても悲しく、多くの憎しみを生みますが、障害者を殺すことは不幸を最大まで抑えることができます」という弱者切り捨ては、まさしく弱肉強食、優勝劣敗、優生学の思想である。これこそ安倍政権のコアにある思想であり、植松聖は病める政権が生んだ若者だった。

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