日曜日(6月29日)は非常に疲れた。メルマガを書き終えて、ツイッターを見たとき、いきなり新宿での焼身抗議自殺が飛び込んできた。集団的自衛権に対する抗議の焼身自殺である。

最初はあまりにも衝撃的な事件なので、誰かのいたずらのツイートかと思った。それほど衝撃を受けたのである。

suicide (7)

suicide (3)

いたずらでないことはすぐにわかった。何十名もの人が採りあげ、画像があり、動画がある。ネットの著名人も多くが言及していた。

疲労がいっぺんに吹き飛び、わたしもいくつかのツイートを投稿したが、おかげで夜になると目が痛くなってしまった。

しかも月曜日も早く目が覚めてしまった。ツイッターを見ると、やはり昨日の延長線上にある。

この焼身自殺抗議事件(一命をとりとめると御用メディアが報じているが、真相はわからない)は、今日の日本の状況を象徴的に抉り出すことになった。

焼身自殺抗議の動画はここにある。

別の動画も紹介しておく。

それで今日のメルマガはこの事件を中心に採りあげ、この事件に触発されて、いろいろと考えたことを述べることにする。

1 まず、安倍晋三の政治についてであるが、かれの政治的願望の根本には戦後レジームの転換がある。その願望の核心部分は、極東裁判の否定である。もし安倍が極東軍事裁判を肯定すると、岸信介(祖父)のA級戦犯を認めることになって、かれの家系は戦犯の家系ということになるからだ。

このことに米国は気付いており、そこからオバマの安倍嫌いが起きてくる。極東軍事裁判を否定することは、米国の勝利を否定することに繋がるからだ。

2 安倍晋三が、現在実現しようとしている政策は、集団的自衛権の実施である。しかし、憲法第9条が保障する日本の自衛権は、日本が他国から攻撃された場合に限定してある。米国が攻撃されたときに日本が武力を行使するのは憲法違反である。

自・公が「限定」、「必要最小限」の武力行使というのは、憲法解釈としておかしいのだ。憲法が概念として許しているのは、日本が外国から攻撃された場合の「限定」しかありえないのである。

3 「新3要件」の原案は、公明党の北側副代表が内閣法制局に作らせたものだったということが『西日本新聞』のスクープで明確になっている。自民党はどうしても集団的自衛権を成立させたかったので、公明党に原案を任せたのだろう。

敗戦後70年間の歴史的転換が、このような、軽い、ふざけた 、お友達同士の馴れ合いで決められていることに、わたしたちは本気で怒らねばならない。

「新3要件」の原案を作ったという意味でも、公明党は「平和の党」から積極的な「戦争の党」に堕落してしまった。今では公明党に批判的な記者を会見場からつまみ出すまでになっている。

横田一は「解釈改憲を主導 記者排除も始めたヤラセ公明党の裏切り」(『日刊ゲンダイ』)で、次のように語っている。

「19日と20日は会議後のブリーフィングも取材できましたが、23日になるとブリーフィング参加を拒否されるようになり、27日には、とうとうぶら下がりの取材中に警備員につまみ出されたのです。

28日に公明党本部で開かれる地方議員の会合も、取材できるのは記者クラブの加盟社だけ。公明党の姿勢を批判した記者は事実上、出入り禁止にされています」

公明党は、仏教を党是とする政党である。それが世界で最も頻繁に戦争をやっている米国と、一緒に戦争をやるための政策を作った。

ところが、公明党がアクセルを踏んで原案を作った、戦争に突き進むこの状況に抗議して、ひとりの男性が焼身抗議自殺を図ったのである。

このことに公明党の山口那津男は見解を出すべきだ。原案を作っておきながら、真面目腐った顔で、とぼけて、戦場へ日本の若者を送ることは許されない。

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4 米・中の政治的軍事的接近が深化している。それを国民の目から隠蔽したい安倍政権に追随して、日本のマスメディアも報道しない事態が続いている。

『REUTERS』(2014年6月27日付)は、「環太平洋合同演習に中国初参加、海軍力強化に寄与との声も」と題して次のように報道している。

「[ワシントン 26日 ロイター] 米海軍を中心に22か国が参加する環太平洋合同演習(リムパック)が26日、ハワイ沖で始まった。今回は中国海軍が初めて参加した。

中国海軍の参加について、アナリストらからは、中国の海洋権益の主張をめぐる緊張の緩和につながるかどうかは不透明で、中国政府は演習を海軍の強化に利用できるとの声も聞こえる。

演習は8月1日まで5週間にわたって行われ、各国から55隻の艦船、200機以上の航空機、2万5000人の要員が参加。米国などは、中国も参加する合同演習で同国との間の信頼を構築したい考え。

しかし、アナリストらは、今回の演習で中国が米海軍や米国の同盟国の戦力を間近で確認することができるため、中国の海軍力強化につながるだけだと指摘する。(後略)」

集団的自衛権が尖閣の防衛に役立つ、と安倍晋三は語るが、まったくのデマである。尖閣の防衛は日米安保条約の第5条を超えてなされることはない。しかも2005年の2プラス2(日米安全保障協議委員会)で、日本の島嶼(尖閣)防衛は、第一義的に自衛隊が担うと決められている。

米国が日本の領有権も認めていない無人島をめぐって、中国と一戦を交えるなどというのは幻想にすぎない。それは環太平洋合同演習(リムパック)での米・中軍事演習を見ても明らかである。

安倍政権とマスメディアは 、集団的自衛権の正当化のためにこの情報を隠すのである。

5 焼身抗議自殺事件の扱い方を見てもわかるように、日本の御用メディアの退廃が、極限に達している。

例えば壺井須美子の6月30日のツイートである。

「ロイター、ワシントンポスト、BBC、ドイツHandelsblatt、CCTV(中国中央電視台)、フィガロ(フランス)、アルジャジーラ、ロシアトウデイ 新宿での男性焼身自殺を大きく報道。安倍首相の平和憲法改竄と外国派兵に抗議と書いてある。NHK日テレは無報道。国民を騙しきれるか?」

これまでは日本の地上波メディアの嘘を見抜くために、外国の報道を求めてきた。しかし、今回の焼身抗議自殺事件では、日本の地上波メディアが事件そのものを隠蔽する(あるいは軽く扱う)ことがわかった。

巷間伝えるところによれば、自殺の流行を防ぐためだという。これはもちろん嘘である。政府は、おのれの失敗を隠すために情報を隠すのだが、そのとき、国民がパニックを起こさないために情報を出さなかった、という屁理屈を使うのだ。

あなた(国民)のために情報を出さないのではない。おのれ(権力)の無能と無責任を隠すために情報を出さないのだ。

新宿の焼身抗議自殺事件もそうである。騒ぎが大きくなって、集団的自衛権そのものへ国民の関心が向かうことを怖れたのである。

現在のわが国のメディアがこのような退廃の極みにあることを知ったうえで、わたしたちは方法を学ばなければならない。行動には言葉を添えること。それが大切だ。

「一粒の麦、地に落ちて死なずば、ただひとつにてあらん、もし死なば、多くの実を結ぶべし」とイエスは語った。この「多くの実」には言葉が必要だ。言葉がなければ、「多くの実」は死んだ実の思いを知ることができない。

suicide

新宿の叫び声は、空中に拡散し、消えてしまった。そうではなく、残る言葉とともにわたしたちは行動しなければならない。そのためにツイッターがあり、ユーチューブがある。行動の主張を伝えるのは書き言葉であり、動画である。

残すこと。残しておいて行動すること。そのことによってひとりの叫び声はこだまになって他者を捉え、広がり、受け継がれてゆくのだ。

ネット上ではまともな人たちが、おおむね焼身抗議自殺事件に対して同情的に振る舞っていた。しかし、こういうときには不思議なほど必ずトリック・スターが登場してくる。

今回、その役割を演じたのは、小野寺まさるである。小野寺は北海道の道議であるらしい。かれの次のツイートが物議をかもした。

「集団的自衛権に反対して焼身自殺と?…これは公衆の場での迷惑極まりない行為であり、明らかに犯罪だ。又、死にきれずに多大な方々に迷惑をかけた愚行だが、これを「三島事件」と同列に扱うマスコミは完全にイカれている。日本の将来を憂いた国士と日本解体を目論む団塊の世代崩れは真逆の存在である」

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