このページは、2017年6月17日に更新しました。

『兵頭に訊こう』は、現在の国内外の重要問題について、最新の情報と考え方(批評)を、見やすく、わかりやすいことに注力して発信しています。

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漱石漱石

「あなたは東京がはじめてなら、まだ富士山を見たことがないでしょう。今に見えるから御覧なさい。あれが日本一の名物だ。あれよりほかに自慢するものは何もない。ところがその富士山は天然自然に昔からあったものなんだからしかたがない。我々がこしらえたものじゃない」と言ってまたにやにや笑っている。三四郎は日露戦争以後こんな人間に出会うとは思いもよらなかった。どうも日本人じゃないような気がする。
「しかしこれからは日本もだんだん発展するでしょう」と弁護した。すると、かの男は、すましたもので、
「滅びるね」と言った。(『三四郎』)

このページの要旨

戦争が終わってから国民もダメだった、というのは、誰でもいえる。
日本知識人のパターンは、だいたいこれだ。
しかし、戦争の前に、国民に日本大衆の原像を自覚させるべきだ。
そうでなければどんな悪に対しても、日本人は逃げ回ってばかりいる。
政権交代を必ず果たし、共謀罪を廃止・凍結しなければならない。

内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だ」などと指示されていた文書について、文科省は再調査の結果、同じ内容、または極めて似ている14の文書が見つかったと発表した。
安倍晋三による国家・国政の私物化が凄まじい。
国家戦略特区を利用してオトモダチに利益供与を謀る。
岩盤規制の緩和や撤廃をいいながら、逆に「広域的に」と「限り」の文言を萩生田光一官房副長官が加え、加計学園だけに利益を供与した。
京産大を排除してまでやったのは、ただの仲間内の既得権益あさりだった。

独裁に対する官僚たちの抵抗は、前川喜平と一部の文部官僚を除いて、日本にはすでにない。
東京の大手メディアの抵抗など最初からない。
この2点が米国と日本の、もっとも大きな状況の相違点だ。
米国の大統領は米国の最高の権力者ではない。
背後にディープステート(国家の中の国家・陰の政府)が存在し、その政治部門の代表が米国大統領にすぎない。
その意味では、米国大統領の独裁の危険性をあげつらうのは、トランプがディープステートに抵抗していること、操り人形になることを拒んでいることを示している。

芥川芥川

日露戦争の勝利後に、広田先生が三四郎に、日本の滅亡を予言した場面ですね。いまの日本にも当てはまりそうです。

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1 共謀罪が日本国民に突きつけるもの

共謀罪が決まってしまった。
委員会採決を省略して強行採決したのである。
委員会の委員長が公明党だったために、採決を強行する委員長の姿が、テレビで拡散するのを嫌った公明党の要求を入れたためだといわれる。

ネットは怒りと失望で溢れた。

白井圭太

本日大学の授業。
共謀罪について学生が知らない。
皆びっくりした顔で俺の話を聞く。
「他の先生は共謀罪について話をしていないのか?」
と問う。
「していない」
と全員が言う。
何のための大学だ。
演劇大学だぞ。
表現者を育てる大学だぞ。
大人は何をしている。

松尾貴史「東京くねくね」

自公政権の、悪辣さというか卑劣さというか狡猾さというか下品さというか姑息さというか。
支持している半分近い国民も目を覚まさないと酷いことになる。
いや、なってしまった。
「他に支持するところがない」というのは自死に向かう思考停止だ。
強力な悪人と微力な凡人を比べて前者を選ぶという愚か。

池田清彦

厳罰を課せば犯罪を減らせると思うのは幻想です。
テロがなくならない根源的な理由は強者の非寛容と、それを支持してマイノリティをバッシングすることに快感を感じる弱者のルサンチマンです。
今の日本が突き進んでいる道です。
地獄への道は弱者のルサンチマンで敷き詰められているのです。

戦争が終わってから国民もダメだった、というのは、誰でもいえる。
日本知識人のパターンは、だいたいこれだ。
しかし、戦争の前に、国民に日本大衆の原像を自覚させるべきだ。
そうでなければどんな悪に対しても、日本人は逃げ回ってばかりいる。

政権交代を必ず果たし、共謀罪を廃止・凍結しなければならない。
それに尽きる。

それにしても自公維の底の浅さ、単純さ、幼稚さには呆れかえる。
こんな無茶苦茶な法律を通さねばならないワケはどこにあるのか。
どこにもない。
与党がつけた理由はすべてとってつけたものだ。

共謀罪を可決させた政治家たちへの歴史的な裁きは必ず下されるだろう。

2 やはり「はじめに加計ありき」だった

6月15日、内閣府から「官邸の最高レベルが言っている」「総理のご意向だ」などと指示されていた文書について、文科省は再調査の結果、同じ内容、または極めて似ている14の文書が見つかったと発表した。

これを受けて、前川喜平が次のコメントを発表した。
このコメントは重要である。
ここにかれが挙げた6点を詳細にすれば、加計学園に絞り込まれていったプロセスの不明朗・歪められていった行政が明確になる。
さらに、京産大が排除された不条理、諮問会議はほんとうに仕事をしたのか(今朝の『モーニングショー』では、諮問会議は名前だけで、内閣府と今治市で、「はじめに加計ありき」で密接に連絡を取りあっていた証拠を提示していた)。
いったい加計学園は成功するのか、その根拠は何か。
他の大学の獣医学部は大丈夫なのか、といったことがわかるからである。

今後は、内閣府及び国家戦略特区諮問会議において、国家戦略特区で加計学園の獣医学部新設を認める過程の中で、具体的にどのような検討・検証を行ったのか、又は行わなかったのかを、国民の前に明らかにし、様々な疑問点について説明責任を果たしていただきたいと思います。

国家戦略特区制度の主務官庁は内閣府です。
責任を文科省に押しつけるなど言語道断です。

具体的に内閣府に説明してもらいたい疑問点は、次のような点です。

I.加計学園が設置する獣医学部は、国家戦略特区制度が目的とする国際競争力の強化や国際経済拠点の形成に資するものなのか

II.加計学園が設置する獣医学部は、『「日本再興戦略」改訂2015』で閣議決定された4条件を満たすものなのか、特に、獣医師が新たに対応すべき分野の人材養成の必要性やその規模は明らかにされたのか、その人材養成は既存の大学では対応困難であり加計学園の獣医学部を新設することが解決策として適切なのか、そして加計学園を卒業した人材が本当に新たな分野に向かうのか

III.内閣府は、人材需要に責任のある農水省と厚労省を、人材需要の検討に実質的に参画させたのか、特にライフサイエンス等の新たな分野における獣医師の需給についてきちんと検証したのか、検証したのであれば、どの省庁がどのような根拠を示して説明したのか

IV.諮問会議は本当に十分な情報に基づいて実質的な議論をしたのか、また、関係省、関係団体、関係業界、学者、専門家などからの意見聴取は十分行ったのか

V.内閣府は今治市と密接に連絡を取りあい、最終的に加計学園を特定事業者とすることを、初めから決めていたのではないか、また、今治市の提案と京都府・京産大の提案との比較検討は十分行われたのか

VI.11月9日の諮問会議決定に「広域的に」「限り」の文言が入ったこと(本日、文科省から公表された資料には、萩生田官房副長官の指示とされている)、11月18日の共同告示のパブコメで「平成30年4月開設」が条件とされたこと、4月4日の共同告示で「1校に限り」とされたことを、どう説明するのか

これらの疑問点について、内閣府は真摯に調査し、その結果を国民が納得できるようしっかりと説明する必要があると思います。(文科省の再調査「文書あったのは当然」 前川氏が談話

また、国家戦略特区諮問会議が昨年11月に獣医学部の新設を空白地域に限って認めると決定する直前、萩生田光一官房副長官が文科省の担当者に対し、「広域的に」と「限り」の文言を付け加えるよう指示していたことがわかった。
これで京産大は排除されたのである。

安倍―萩生田光一官房副長官の加計人脈で、「加計ありき」の利益誘導が進められたのである。(加計学園:「官房副長官が修正指示」新たなメール明らかに

安倍晋三による国家・国政の私物化が凄まじい。
国家戦略特区を利用してオトモダチに利益供与を謀る。
岩盤規制の緩和や撤廃をいいながら、逆に「広域的に」と「限り」の文言を萩生田光一官房副長官が加え、加計学園だけに新たな岩盤規制を強化した。
京産大を排除してまでやったのは、ただの仲間内の既得権益あさりだった。

ここへきて、「広域的に」「限り」の文言を入れるべく指示したのは、山本幸三だったという説が出ている。
これは萩生田と安倍晋三、それに加計学園との繋がりがあまりにも深いので、山本にして「はじめに加計ありき」の印象を弱めたのであろう。

3 米日状況の同一点と相違点

『Foreign Affairs Report』(2017 NO.6)に「アメリカ政治の分裂と民主体制の危機 ―― ドナルド・トランプと競争的権威主義」が載っている。

この論文が興味深いのは、驚くほど日本の状況と重なっているからだ。

ロバート・ミッキー ミシガン大学准教授(政治学)とスティーブン・レヴィツキー ハーバード大学教授(政治学)、ルキャン・アハマド・ウェイ トロント大学教授(政治学)の共同執筆である。

民主主義の擁護を求める動きは、多くの人が期待する方向からは出てこないかもしれない。
アメリカ社会が民主主義にコミットしているとしても、それで民主主義からの後退を阻止できる保証はない。
憲法で規定された抑制と均衡、官僚たちの抵抗、報道の自由でもそれを阻止できないかもしれない。

アメリカの民主主義の命運は、トランプがどの程度市民の支持を動員できるか、できないかに最終的に左右される。
うまく結果を出せなければ市民の支持は制約されるが、戦争や大規模なテロが起きれば、トランプ政権の支持は大きく強化される。

<民主体制を空洞化させる手段>

アメリカが民主主義体制からの後退をみせるとしても、それはクーデターによってではない。
戒厳令が敷かれることも、一党支配体制になることもない。
むしろ、最近における独裁制の事例同様に、それは、あまり気づかれることもない一連の段階的措置がとられることで進行していくはずだ。
そのほとんどは法的に問題がなく、多くは無害に思える措置だが、これらの措置が積み上げられていくことで、政権党(共和党)にさらに有利な環境が創り出されていく。

このような流れを簡単に作り出せるか、流れをどの程度定着させられるかは、それがどのような体制の政府であるかによって違ってくる。
たしかに、民主的制度と法の支配が定着し、市民グループと政府に批判的な勢力が大きな力をもつアメリカでは権力を乱用するのは難しく、ロシア、トルコ、ベネズエラのような重大な帰結に直面することはないだろう。
とはいえ、現実にアメリカで権力が乱用されたケースは最近も存在するし、そのリスクを排除することはできない。

米国と日本との、実質的な宗主国と植民地との関係。
これは、地上でこれ以上は望めない、おいしい獲物を手放すまいとする宗主国の決意の固さと、植民地支配層が植民地を利権化しているために、当分、変わることはなさそうである。

そのために宗主国の状況はすぐに植民地に伝播する。
不必要なものまで。
特定秘密保護法や戦争法、共謀罪などはその最たるものだろう。

両国の現在の状況も、酷似している。

もともと米日とも1%による独裁国家であり、仮想の法治と民主主義とで99%を支配してきた。
それが剥き出しの形を取りはじめたということだ。

独裁に対する官僚たちの抵抗は、前川喜平と一部の文部官僚を除いて、日本にはすでにない。
東京の大手メディアの抵抗など最初からない。
いまでは「記者クラブ」という、世界にもふたつとない奇形の既得権益装置を作ってしまったほどだ。
この2点が米国と日本の、もっとも大きな状況の相違点だろう。

「アメリカの民主主義の命運は、トランプがどの程度市民の支持を動員できるか、できないかに最終的に左右される」というのはどうだろう。
そもそも米国の大統領は米国の最高の権力者ではない。
背後にディープステート(国家の中の国家・陰の政府)が存在し、その政治部門の代表が米国大統領にすぎない。

その意味では、米国大統領の独裁の危険性をあげつらうのは、トランプがディープステートに抵抗していること、操り人形になることを拒んでいることを示している。

この点、論文の執筆者たちはほんとうのことを書いていないようだ。
もっとも『Foreign Affairs Report』でそのことを書くわけにはいかないのかもしれないが。

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与謝野晶子与謝野晶子

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太宰太宰

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