『SPUTNIK』(2015年9月8日)に「日本の人型ロボット「ペッパー」蹴られ「負傷」」という記事が載っている。日本では、ロボットがメカニックな視点からばかり採り上げられる。しかし、欧米・ロシアでは、哲学的政治的な視点から論究の対象になっている。

「Cnetが日本の複数のマスメディアの報道を引用して伝えたところでは、6日、容疑者の石川基一容疑者(60)は、酔っぱらった状態で銀行に立ち寄ったが、そこで腹を立て、店内に置いてあったロボットを足で蹴るなどし、破損させた。

「ペッパー」は、世界で初めて「人の感情を理解する」とのふれ込みで今年夏から日本で発売された。この人型ロボットには、マイクやカメラ、3D-センサーが仕込まれており、人間の表情を認識し、それに反応する事ができ、さらにロボット自身が感情を表す事ができるとの事だ。

報道では、酔っぱらった容疑者がロボットを蹴った事で、移動できなくなった上、機械内部も故障している可能性がある。容疑者は、自分の罪を認めたが「ペッパー」を蹴った動機については、明確な説明はできなかった。マスコミは「店員の態度が気に入らなかった」「ペッパーの反応が気に障った」などと様々に伝えている。

ロボットに対する、動機のはっきりしない暴力行為は、何も今回が初めてではなく、先月には、社会実験の枠内で米国を旅行していた「人々の助けを借りて旅をする」カナダのロボットHitchbotの腕が、何者かによりもがれるという事件があった」

この記事を読んで、わたしは大笑いしてしまった。よほどしゃくに障ることをロボットにいわれたのかもしれない。

ついに人間とロボットが喧嘩した。逆にいうと、ここまでロボットは進化したのだ。この手の事件は、これから次第に増加し、ロボットとの付き合い方は、やがて深刻な社会問題になる筈である。

ロボットは、今はまだルーティンワークが多いが、いずれ高度な思考と判断を下せるロボットが登場してくるだろう。

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アイラ・レザ・ノーバクシュ(カーネギーメロン大学ロボット工学研究所教授)は、「知能ロボットと暗黒時代の到来 ―― 高度に社会的なロボットの脅威」のなかで、次のように書いている。

ロボットが人間とどのように交流するかは、そのクリエーターがこの問題を認識してロボットを設計・プログラミングしているかに左右される。しかし、クリエーターのほとんどはエンジニア、プログラマー、デサイナーたちで、道徳、人権、プライバシー、安全などの問題に関する十分な知識はもっていない。

実際、ロボット工学で博士過程をもつ工学部で、これら社会科学領域での踏み込んだ履修を義務づけている大学はアメリカには存在しない。

ロボットが人間に害悪を及ぼすリスクを最小化するために、政治・法律の専門機関が開発のガイドラインを示して、このギャップを埋めていくことを期待する人もいるだろう。たしかに、ロボットの社会的プレゼンスの拡大とともに、違法行為と損害賠償法が厳格化され、今後間違いなく現実になるロボットの責任問題に社会が対処できるようになることが理想的だろう。

しかし、ロボット工学の進化のペースに規制当局や議会がついていけるはずはない。例えば、政府当局が詳細を把握できないロボット工学のプロジェクトに、企業が巨額の資金を投資した場合にはまったく対処できなくなるはずだ」

今は、まだロボットが酔漢に攻撃されて敗北した。しかし、いずれ、ロボットは自衛するようになり、反撃するようになるだろう。なぜならプログラミングしたクリエーターもロボットを購入した所有者も、長時間かけて作り上げ、一体150万ドルもする高額なロボットを、そう簡単に壊されるわけにはいかないからだ。

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特殊な軍事ロボットは空を飛び(ドローン)、海を渡り、地中に潜り、敵を攻撃する。ひとりの酔漢など、その気になれば赤子の手をひねるようなものだ。

大切なのはクリエーターの問題意識なのだ。ただ、面白がって高度なロボットを作るか。それとも道徳、人権、プライバシー、安全などの問題意識をもってロボットを作るか。

「クリエーターのほとんどはエンジニア、プログラマー、デサイナーたちで、道徳、人権、プライバシー、安全などの問題に関する十分な知識はもっていない」とアイラ・レザ・ノーバクシュは書く。ここは非常に重要な指摘である。安倍晋三は「教育改革」などと称して、国立大学から文系をなくそうとしている。この政策は、秦の始皇帝がおこなった焚書坑儒に似た思想言論弾圧である。文系の学問や思想に対する弾圧なのだ。

(Sheeple(海外が見る、従順で自分の意見がなく大勢に従う日本人。このSheepleを、宗主国政治ロボットが操っている))
(Sheeple(海外が見る、従順で自分の意見がなく大勢に従う日本人。このSheepleを、宗主国政治ロボットが操っている))

ここでアイラ・レザ・ノーバクシュが述べているように、最先端の高度なロボット工学のプログラミングでも、文系が参与しなければ危険なのである。

日本では酔漢の力がロボットに勝った。しかし、すぐにロボットが酔漢に勝つようになるだろう。いずれ自民党の宗主国政治ロボット佐藤正久のように、本物のロボットがパンチを繰り出すようになる。そこで「違法行為と損害賠償法が厳格化され」「ロボットの責任問題」まで問われる時代がくる。

(世界に発信された、パンチを繰り出す宗主国政治ロボット)
(世界に発信された、パンチを繰り出す宗主国政治ロボット)

アイラ・レザ・ノーバクシュは続けて書いている。

「ロボットの能力の進化と規制の間のギャップが年を追うごとに大きくなり、規制当局と政府を困難な状況に追い込んでいくと考える十分な理由がある。人間と暮らし、所有者から学習していく適応制御ロボットが誕生するとしよう。その行動は時と共に、最初にプログラミングされた機能だけでなく、環境と所有者の「躾」によって変化していく。

仮にこのロボットが人間に危害を加えた場合、従来の製造物責任法で責任の所在を明確化するのは難しいはずだ。ロボットの行動は当初のコンピュータコードだけでなく、さまざまなソースから学んだ神経のようなネットワークに次第に左右されるようになるからだ。

要するに、ロボット、所有者、クリエーターの誰を責めるべきなのか、分からなくなる。

今後、われわれはロボットの機能が人間社会の道徳的・法的規範の境界を試すような事態に直面するだろう。簡単な解決策はないが、これに備えるための措置はいくつか存在する。

研究所、大学、そしてロボットの規制を担当する当局は、知能機械をデザインし、組み立てる人々に、社会道徳に関する知識を十分に与えるべきだろう。技術革新の最先端にいる人はどう判断するかがはっきりとした(True agency)ロボットの研究を心がけるべきだ。

人間のように行動し、自分で判断を下すロボットがますます増えてくれば、ロボットが知っていること、どのように情報を入手したか、何をしたいのかについて、われわれと意思の疎通をはかれるようにすべきだろう」(『Foreign Affairs Report』2015 NO.8)

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ロボットと人間との確執は、時と共に拡大していくだろう。人間は、たとえば日本人のように、戦前戦中と何も変わらない。それに対してロボットの進化は凄まじい。

学習する適応制御ロボットが人間に危害を加えた場合、いったい誰に責任があるのか。

(1) ロボット

(2) 日々、ロボットを躾けて、学習させた所有者

(3) 最初にプログラミングしたクリエーター

わたしは第一義的には、(3)の最初にプログラミングしたクリエーターに責任があるのだと思う。所有者の「躾」も、プログラミングの思想範囲のなかだけで機能するからだ。

そこから、「研究所、大学、そしてロボットの規制を担当する当局は、知能機械をデザインし、組み立てる人々に、社会道徳に関する知識を十分に与えるべきだろう」という指摘は、おそらくわたしの考えと同じ判断から出ているものと思われる。

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