安倍晋三が、「レッテル貼り」を怖がっている。

「レッテルを、私がレッテルを貼ったなら謝るが、海江田さんもレッテルを貼ったなら取り消していただきたい。お互いにレッテルを貼りあうという不毛な。海江田さんがまずレッテルを貼ったから、私もレッテルを貼った。レッテル貼りの議論ではなくて、レッテル貼りではなく中身の議論をすべきだと思う」

これは、昨年7月14日の、衆院予算委員会で、民主党の海江田万里の質問に答えるなかで、安倍が使ったものである。

自分の思想を批判されたときに、それには誠実に答えない。「レッテル貼り」と相手を難詰してはぐらかすために使うようだ。つまり正面から堂々と答えるだけの知性も勇気も能力も、安倍にはないのである。それで、相手がいかがわしい動機に貫かれているとして「レッテル貼り」批判をするわけだ。

これまで無能といわれた総理はたくさんいた。それが無能に狂気が加わって、ついにサイコパスである。

6月24日に会期末を迎える国会を、戦争法案を成立させるため、9月27日まで95日間も延長する。戦争法案を今国会で決めるという、勝手に宗主国とかわした約束の方が、国民の幸せより大切なのだ。恐ろしい国になるわけだ。

(雨宮処凛「初めて憲法コスプレ見た」)
(雨宮処凛「初めて憲法コスプレ見た」)

現在の日本は、政権によって無法状態に堕落している。安倍晋三は改憲から徴兵制へともっていきたがっている。しかし、ほんとうはその必要もないのだ。与党の圧倒的多数を背景に、内閣の解釈で改憲してしまうのだから、徴兵制も内閣で決めてしまえばそれまでだ。内閣法制局長官の横畠裕介も、得意の屁理屈をこねて「合法化」してくれるだろう。

今日のメルマガでは、状況のなかの法律家を考えてみる。法律家たちの、立憲主義を破った政権への反撃がすばらしい。理系(福島第1原発事件)と比べても、文系の重要性、必要性を実によく証明してくれている。

逆に、安倍晋三がなぜ文系を敵視するかも、その動機の一端がうかがわれる状況になっている。

憲法学者の小林節が、「憲法違反の政治的実践に挑戦を投げかけねば、このままでは日本は北朝鮮に似た国となってしまう」と語っている。むべなるかなである。

(無邪気なのは、3人とも戦争を知らない世代だからだ)
(無邪気なのは、3人とも戦争を知らない世代だからだ)

原発再稼働、TPP参加、労働者派遣法改悪、戦争法案(安保法制)、どれをとっても、うそと無責任、無法、弱者の切り捨て(棄民)なくしてはやれない政策である。普通の良識ある総理だったら、やらない政策ばかりだ。

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『東京新聞』(6月20日)が「安保法案 正当性さらに揺らぐ 歴代法制局長官4氏「違憲」」と題して、次の記事を載せている。(漢数字は、横書きのために算用数字に改めてある)

「他国を武力で守る集団的自衛権の行使容認を柱とする安全保障関連法案について、内閣法制局の歴代長官で故人を除く10氏のうち5人が本紙の取材にコメントし、4氏が「違憲」もしくは「運用上は違憲」との考えを示した。合憲はいなかった。

(中略)

本紙は個別に10氏を取材し、58~62代(現在の横畠裕介長官は66代)の5氏から回答を得た」

その回答を、記事を元にわかりやすく箇条書きでまとめると、以下の通りである。

1 宮崎礼壹(れいいち)(第1次安倍内閣(2006~07年))

違憲。集団的自衛権の行使について「憲法をどう読んでも許されないのは、論理的な帰結。最小限なら当てはまると言うが、従来の見解と断絶した考えだ

2 大森政輔(まさすけ)(日本周辺で有事が起きた際、米軍支援を可能にした周辺事態法の制定当時(99年)に長官)

違憲。「政府がどんな理屈でも武力行使できる法案。9条に違反している

3 阪田雅裕(小泉政権で長官)

違憲。憲法解釈の変更は全く認められないわけではないとしながら、集団的自衛権行使は「戦争がわが国に及ぶ状況でなければ従来の論理と合わない」と指摘。「(中東の)ホルムズ海峡で(行使が)あり得るとする説明は憲法論理を超え、その説明では法案は違憲だ

4 秋山収(イラク戦争(03年)に長官)

違憲の運用の恐れ。新たな憲法解釈は違憲とまで断じるべきではないとしつつも「具体的運用の説明には違憲のものが含まれ、違憲の運用の恐れがある

5 津野修(01年の米中枢同時テロ当時長官)

「法案の内容が抽象的すぎて具体的な条文が違憲かは分からない」

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それでは、現在の内閣法制局長官の横畠裕介は、なぜ合憲とするのだろう。横畠は、19日の衆院特別委員会で、現在の集団的自衛権をフグに例え、

1 国際法上の集団的自衛権=毒があるから全部食べたらそれはあたる。他国防衛を目的とする包括的な集団的自衛権は違憲

2 安倍内閣が主張する「限定的」な集団的自衛権=肝を外せば食べられる。「限定的」な集団的自衛権なら合憲。

つまり、内閣法制局長官の役職は、そのときどきの内閣の政策にあわせて、憲法解釈をするものである。だから横畠裕介は、役職上、官僚の典型といった奇妙なこじつけをやってみせたのにすぎない。良心や思想に基づいて見解を述べているわけではない。

横畠自身、内心では、とんでもない内閣のときに内閣法制局長官などになったものだ、と思っているだろう。

「限定的」な集団的自衛権などというものがあるはずがない。ここにもこの者たちの浅薄で平和ボケした発想が露出している。戦争では相手がいることが無視されているのだ。

日本政府が東京でいくら「限定的」といったところで、敵が攻撃してきたら、「殺さねば殺される」戦場の論理が支配する。生き残るために最大の反撃がなされるに決まっているのだ。それに後方支援の自衛隊をおとりに使った米軍の攻撃も考えられる。肝かどうか、違憲か合憲かなど誰も考えない状況になり、フグは全部食べることになるのだ。

上記の元内閣法制局長官たちは、現役ではないので、無理にこじつける必要がない。そこで違憲という、当然の結論が出てくる。

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『dot.』に、「安保法制は“違憲”! 注目の2人が緊急対談「外務官僚は自衛隊に入れ」?」が載っている。ここで小林節と長谷部恭男とが、非常に刮目すべき発言をしている。聞き手は朝日新聞論説委員の小村田義之である。読んでみよう。

「小村田:長谷部先生は、安保法制を推進する外務官僚は自衛隊に入れと発言したことがありますね。

長谷部:考えるべきことだと思っています。しょせん戦争に行くのは他人だと思うと、安易な考えになる。自分も行くかもしれないとなった時に、初めて本気で考える。外務省に考えさせるための手段は入隊を全員に義務づけることだと思う。

(中略)

長谷部:アイスクリームを食べる権利は誰にでもあります。だけど、健康のことを考えて食べないようにしています、というのは全然おかしくない。外務省はイラクがクウェート侵攻した湾岸戦争のとき、カネだけ出してクウェートに感謝されなかった、という。悪いのはどっちかといえば、感謝しないほうですよね。なぜ感謝されなかったほうがドギマギして態度を改めなければいけないのか。それに感謝されたいから集団的自衛権を行使すると言っても、誰も感謝しませんよ。普通のモノの考えができなくなっている。

小村田:南シナ海での中国の海洋進出に対応するという見方もあります。

長谷部:その前提は南シナ海で米国が中国と戦うということですか? 確率は低いですね。

小林:日本にとって何より大事なのは専守防衛です。

小村田:尖閣諸島の問題はどうでしょうか。

長谷部:あんな小島のために米軍が動くと本気で思っているんですかね。

小林:尖閣で中国が変な雰囲気をつくっているのは迷惑ですけど、対応は法律の整備で十分です。個別的自衛権の範囲内で、戸締まりをきちんとする。

長谷部:個別的自衛権の問題です。だいたい尖閣に上陸しても、守りきれませんよ。上陸したほうが負け。心配する必要はない」

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