状況への呟き

(今日は、高倉健と菅原文太に関するツイートをまとめました。
文章はブログ用に加筆・編集してあります。
また、「状況への呟き」では、ここで新たに作った呟きを入れることがあります。

投稿サイト、あるいはご自分のブログへの引用・転載等は、ご自由にどうぞ。
投稿サイト『阿修羅』などに、上手わたしのツイートを編集して投稿してくださる篤厚の方がいらして、1位にランクされているのを何度も見たことがあります。
また、ブログ『晴耕雨読』に、ツイートをうまく編集して掲載していただいております。
感謝しております)

2012年9月10日

犬HK『仕事のプロフェッショナル』で高倉健をやっていた。「高倉は大仰な芝居を好まない。気持ちが本物なら、大仰な芝居に頼らずとも、それは画面に映ると信じているからだ」。実際、高倉の芝居には、人工的な、人をうならせるものは少ない。匂いを消して、空気を漂わせてする芝居だ。
文学でいえば、ハードボイルドに近い演技である。余計な修飾語をすべて刈り込む。ぶっきらぼうな骨格だけの描写が、非情さと慟哭を醸す。

この番組で、高倉がジャンギャバンが好きなのも初めて知った。そういえばジャンギャバンの演技も飾らない。現在、高倉は81歳。不器用でも、人に愛され、評価されるのは、たいしたものである。

高倉健の言葉「気持ちは映らないっていうけど、でもやっぱり映るんですよ。どこかでそういうのがあるんだよ。それがない奴は、きっとちょっとキラっと光らないんだよね。映画俳優って一番大事なこと何って言ったら、その感受性のとこだけなのかなっていう気がしますね」

2014年11月18日

高倉健が死んだ。それで若い人たちに、高倉がどれほど凄い人だったかを話す。意外と思うかもしれないが、高倉は全共闘運動にも深く食い入っていた。三島由紀夫より遙かにその食い込みは深かった。言葉ではなく、沈黙の空気で影響を与えていた。

最初に『網走番外地』を見たのは大学のホールだった。「おおっ、異議なし!」という歓声と拍手とともに映画が始まったのを覚えている。
その共感は、思いを貫くために自分を捨てる人間へのシンパシーだった。今、中国のネットでも高倉の死が騒ぎになっている。あの時代を生きた同世代の共通の思いなのだと思う。

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高倉健の演じる主人公は、いつも不器用だった。こうすればうまくいく、とわかっていても、そうは生きない。生きられない。
律儀に、愚直に、思いを貫く。つまり、捨てることで、自分を貫く。
こういった昭和の人間が少なくなった。その分、日本は貧しくなった。それは、はっきりいえる。周りは計算する人間ばかりだ。

高倉健の映画はほとんど見たが、どの映画にも喪失と孤影がつきまとっていた。演じているのではない。高倉のたたずまいが、喪失を醸しだし、高倉は笑っていても孤独なのだ。
それにいつか慰めを見いだしていた。こんな俳優は、もう出ないかもしれない。高倉の霊よ。安かれ。合掌。

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12月1日

菅原文太が死んだ。高倉健が死んだと思ったら、やたらと思い出の俳優が死んでいく。
わたしのなかでは、高倉健は暗いディオニュソスの住人であり、菅原文太は明るいアポロンの住人だった。この印象は、おそらく多くのファンと共有するものだ。しかし、果たしてそうだったのだろうか、と悲しみが過ぎる。

高倉健と菅原文太とは、歳が2歳しか違わない。しかし、生きた時代と作風はまったく違っていた。
ともにヤクザを演じながら、高倉健はアウトローのなかのアウトローを暗く演じた。しかも時代は全共闘運動と重なり、その捨てて生きる暗い生き様が、時代のもっとも純粋な青春を捉えた。

バリケードにはマルクスもレーニンもローザ・ルクセンブルクも毛沢東もいた。ゲバラもカストロも、そしてトロツキーもニザンもいた。
若い人たちは意外に思うだろうが、漱石も太宰も中原中也もいた。吉本隆明、黒田寛一はもちろんだ。谷川雁、それに高橋和巳。大江健三郎も安部公房もいて、そのなかに高倉健もいた。

菅原文太の「仁義なき戦い」が出てきたのは、全共闘運動が壊滅した後の、73年のことだ。また、「トラック野郎」が出てきたのは75年のことである。菅原文太は遅れてやってきた。
時代は暗さ(深さ)を失い、軽薄な明るさに包まれていた。菅原文太の不幸の第一はここにある。高倉には同伴した反逆の青春が、菅原にはすでにいなかったのだ。

軽くて明るい時代を映して、同じヤクザ映画でも、菅原文太のヤクザは強くて明るい体制のヤクザだった。そのため、高倉の「幸せの黄色いハンカチ」「居酒屋兆治」のような、喪失を漂わせる、孤独で純粋な役柄が回ってこなかった。時代との巡り合わせは、かくも決定的なのだ。

もし菅原文太が暗さから出発していたら、緒形拳の「復讐するは我にあり」などの暗い悪役が回ってきて、かれの映画人生は一変していただろう。「トラック野郎」も演じられる器用さ、芸の幅広さが、逆にかれの場合はマイナスに働いた。

晩年は、反戦と脱原発に全力を注いだ。菅原文太の明るく陽気なアウトローの役柄は、まったく実物とは違っていたのかもしれない。
菅原の霊よ、安かれ。合掌。

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高倉健も菅原文太も、人生の幕引きがすばらしかった。突っ込んでいく人生の幕引き。宝田明もかれの戦中体験から推して必然の幕引きに入った。かれらの覚悟に敬意を表したい。
大晦日の紅白に「ピースとハイライト」を歌った桑田佳祐もそうだが、今の40代、50代は、70代、80代に入って、もっと過酷な生を生きることになるだろう。
しかし仕方のない時代の運命として、ぜひとも日本のだらしない国民を見捨てずに、教え諭してやってほしい。

kuwata keisuke (3)

「ピースとハイライト LIVE 2013」
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