『福島民友』(2016年9月16日)に「今年も国道6号清掃します! 10月15日、事前に放射線量測定」という記事が載っていて、いかにも日本らしい思考停止の光景だ、と思った。

「浜通りを南北に貫く国道6号の環境美化に取り組む清掃ボランティア活動「みんなでやっぺ! きれいな6国(ろっこく)」が10月15日、沿線各地で展開される。総合開会式は午前9時30分から、広野町の二ツ沼総合公園で行われる。NPO法人ハッピーロードネットや浜通りの各青年会議所などでつくる実行委は6日まで、参加者を募っている。

活動は震災前、地元の中高生らの提案で始まった。震災と原発事故の影響で休止したが、昨年10月に5年ぶりに再開された。実行委は成人をはじめ、中高生の参加を呼び掛けている。

今年は、いわき、広野、楢葉、富岡、浪江、南相馬、相馬、新地8市町の計約50キロで行われる。高校生以下は、いわき、広野、南相馬、相馬、新地5市町で参加し、保護者の承諾を求める。楢葉、富岡、浪江3町での活動は成人に限る。

昨年の活動を巡っては、被ばくへの不安を指摘する批判が寄せられた。こうした意見を踏まえ、実行委は事前に活動範囲の放射線量を測定するほか、当日も線量計を持参する」(「今年も国道6号清掃します! 10月15日、事前に放射線量測定」)

「実行委は事前に活動範囲の放射線量を測定するほか、当日も線量計を持参する」というから、もはや狂気である。大きくは福島エートス・プロジェクトの一環なのだろうが、放射線量を測定しながら清掃活動など、しかも子供を巻き込んで、異常である。自分の異常さが、こういう人たちにはわからなくなっている。

「活動は震災前、地元の中高生らの提案で始まった」とするなど、抜け目がない。中高生は、いって聞かせたら、理解してすぐにやめるのである。

そんなに清掃が必要だったら、東電にやらせたらいいではないか。

放射能被曝による健康被害と訃報がやたらと増える状況がある。大人の愚かな動機に、子供を巻き込むことはやめるべきだ。あとで気付いた子供に、一生恨まれることになる。

3.11以降、日本はすっかり暗愚で狂気の国に落ちぶれた。東京オリンピックはその象徴である。

自民党も公明党も、以前とは別の政党である。わたしたちは、惨事便乗型資本主義(ショック・ドクトリン)が、資本主義それ自体の解体にまで突き進んでいる状況を生きている。もはや、資本主義の前提であった民主主義も法治主義も破壊されている。

9月16日、辺野古の米軍基地建設をめぐり、埋め立て承認を取り消した翁長知事を、国が訴えた訴訟で、福岡高裁那覇支部の多見谷寿郎裁判長は、国の主張を全面的に認めた。「普天間の危険を除去するには埋め立てを行うしかなく、これにより基地負担が軽減される」との判断を示した。

ところがこの多見谷寿郎裁判長は、急遽、東京地裁立川支部の部総括判事から、福岡高裁那覇支部長に異動してきた裁判長だった。つまり行政が、先回りして行政訴訟で政権寄りの判決を下す裁判長を異動させておけば、狙ったとおりの判決が出せるのである。

独裁の全体主義が、日々、強化されている。

日本の現実は、富裕層1%の失敗を、貧困層99%の増税で穴埋めする奴隷社会になっている。それが今度は廃炉費用の8兆円余(こんな数字ではすまない)を99%に負担させる政策として出てきた。

「政府は、原発の廃炉費用などのために新たに8兆円余りという莫大(ばくだい)な費用を利用者に負担させる形で調整に入ったことが分かりました。そのうち、福島第一原発の廃炉に4兆円、賠償に3兆円。また、今後、原発の廃炉費用が足りなくなるとして1.3兆円を充てるとしています。

東京電力は、事故を起こした責任から福島第一原発事故の廃炉にリストラなど自力で2兆円を手配してきましたが、費用がかさんで国への救済を求めていました。ANNが入手した内部資料によりますと、新たな国民負担は8.3兆円と計算し、福島第一原発の廃炉や賠償に加えて原発全般の廃炉の費用としています。

電線の使用料金に上乗せする形で、すべての利用者から徴収し、標準家庭では毎月60円から180円の値上げが想定されています。さらに、法改正を行うことで、今後、さらに費用が足りなくなれば上乗せができる仕組みにします。

政府は、27日にも委員会を立ち上げて数回の議論で年内にも結論を出し、来年度の法改正を目指す考えです。経済産業省内でも国民への付け回し策であり、事実上の東電救済に国民の理解が得られないとの声が上がっています。「原発が安いというのは嘘だった」という批判は避けられそうにありません」(「国民負担8兆円超を検討 原発の廃炉・賠償で」(2016年9月16日))

この国では、自明の前提が非常に重要である。なぜなら暗愚で狂気の理不尽がまかり通っているからだ。

東電は民間の株式会社である。したがって経営に失敗したときは、市場から淘汰されることになる。しかも、福島原発事故は、それまで何度となく政治家や識者、良心的な東電社員によって指摘されてきた危険を、無視し続けてきた結果に起きた人災なのだ。それを菅直人は、官僚・財界など1%の利権を守るために破綻処理しなかった。

それから兆単位の東電による国民の収奪が続いている。

これが前例となって、電力会社は「原発事故」を怖がらずに、再稼働に平気で踏み切るようになった。

国が税金で東電を救済する選択をしたので、外国から日本に賠償を求めてくる可能性が高い。トモダチ作戦の米兵から米国民へ、さらに中国・韓国、さらに欧州へと、海産物汚染の賠償要求が拡大する可能性がある。

東電を破綻処理さえしておけば、民間会社の経営失敗であって、その会社はもうない、とできたのである。このあたり、官僚・政治家に想像力が皆無なのだ。

旧民主党政権を通じて、日本は極端に悪くなった。まだ、既得権益支配層の利権と闘って悪くなったのなら、光明があったのだ。ところが民主党政権は、既得権益支配層と闘わず、マニフェストを裏切り、既得権益支配層に隷属して日本を悪くし、安倍政権へと繋いだ。

その結果、独裁の全体主義国家へ向けて、加速してきた。

ひとつは野田―蓮舫の自民党補完政党の誕生である。もうひとつは小池新党の可能性である。

民進党の蓮舫代表選出、そして野豚こと野田佳彦幹事長選出は、全体主義構築の大きな見取り図に添った動きである。

野田―蓮舫の自民党補完政党は、これから安倍政権への提案によって、安倍独裁の全体主義の完成を早めることになる。

自公が、蓮舫の二重国籍問題に沈黙を守っているのは、中国・台湾に気遣っているのではない。蓮舫・野豚が自民党の仲間であり、野豚幹事長、それに国会対策委員長に山井和則(野豚内閣でも国会対策委員長を務めていた)になることなど、すべて掴んだうえでの沈黙である。

ここで共産党の動きがキーポイントになる。参議院選挙の選挙協力を通じて、すでに深く共産党は民進党に食い込んでいる。共産党の支援と協力がなければ当選できなかった政治家、僅差で落選した政治家などは、野田―蓮舫の自民党補完政党への変節で選挙協力がなくなることに反対する筈だ。

すでに共産、社民、生活の野党3党は、衆議院選挙の選挙協力に賛成している。民進党が、まともな野党として立ち直り、国民の期待をもう一度取り戻すには、最低限度、選挙協力の継続が必要である。

これを破棄するなら、もはや民進党の解党しかない。

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