5月3日、民進党(旧民主党)の細野豪志が、ワシントンのシンクタンクで講演した。

そのなかで、共産党との選挙協力について「米国の方々は民進党が共産党と協力をするというと違和感を持つかもしれないが、共産党と政権をともにすることはあり得ない」「選挙協力という言葉も使っていない。共産党が自らの判断で候補者を出さないことについてはプラスになるので、それを認めているに過ぎない」と語った。

宗主国に向けてここまでいわれると、さすがに共産党が気の毒になる。まるでバカみたいではないか。

現在、共産、社民、生活が、最低限度やらねばならないことがある。それは、選挙の後に、議員数が現有勢力より増加していることだ。自明のことを述べるのだが、選挙協力というのはお互いの政党にプラスになるのでなければならない。

民進党のみにプラスがあって、他の3党にはマイナスだった、しかも政権交代は起きなかった、というのは最悪のケースである。何よりも3党の支持者への裏切りになる。

なぜ裏切りになるのか。それは野田佳彦、岡田克也、前原誠司、枝野幸男、細野豪志ら民進党の支配勢力が、本質的には新自由主義者で固められた自民党二軍であるという実態からくる。細野豪志のお子ちゃま発言は、もともと現在の安倍政治に対して危機感がないこと、違和感がないことを証明している。なぜなら政策はほぼ同じであるからだ。

このことに対して、3党には、選挙後への想像力がないのであろうか。

仮に3党の懸命の努力で、民進党が政権交代を果たしたとしよう。民進党は、時間をかけて、3党よりも自公に擦り寄っていくと思われる。それが米国・官僚・財界の指示であるからだ。つまり民主党政権時の菅直人、野田佳彦と同様の政権運営が復活する可能性が高い。

共産、社民、生活は、選挙後に想像力を働かせなくてはならない。選挙後に、支援してくれた国民を幸せにする政権であるためにも、この3党は現有勢力よりも増える必要がある。

民進党のお子ちゃまたちを担ぐのなら、選挙後にまで責任をとらねばならない。あんまり自公政権がひどいので、何でもいいからとにかく政権交代を、という危機感が募り、米国・官僚・財界隷属の二大政党時代を作り、自公同様に戦争に突き進んだ、といわれないようにしなければならない。3党が躍進しなければ、その可能性が大である。

さて、アホノミクスは信用詐欺である。国民をだまして、国民から資産を奪い取った後に、安倍晋三は退陣することになる。

国民をだますために、利用されたメディアの刷り込みが、少なくとも3点ある。

ひとつは日本が貿易立国だという刷り込み(洗脳)である。日本は内需の国なのだ。

2点目の刷り込み(洗脳)は、トリクルダウン理論である。

トリクルダウンとは、富める者が富めば、貧しい者にも自然に富が滴り落ちるとする経済理論である。いかにも安倍が利用しそうな理論である。

現在のグローバル化した日本企業の利益の配分先は、(1)内部留保、(2)株主への還元、(3)設備投資、(4)有利子負債削減、(5)新製品・新技術の研究・開発、(6)従業員への還元、の順になっている。ほとんどは企業の内部留保と株主への還元に回されている。ちなみに資本金10億円以上の大企業の内部留保は、301兆6000億円(財務省の2015年7~9月期法人企業統計)にも及ぶ。

3点目の刷り込み(洗脳)は、法人税である。

日本の法人税は、世界的にも非常に低い。これだと富裕層の税金を欧米並みにもっと上げろ、という批判が起きてくるので、名目上は25.5%と上げてあるのである。

しかし、さまざまな抜け穴が作られており、実質は英国の半分以下と非常に安い法人税になっている。例えば、研究開発の名目で限度額20%までその会社の法人税は抜くことができる。いまどき、研究開発をやらない企業などないので、名目だけで法人税を見ていると間違うことになる。

テレビに出ている御用経済評論家、御用政治家たちは、すべて名目の法人税を挙げる。日本の法人税は高い、だからもっと下げなくてはならない、と国民をだましているのだ。(消費税も同様である。日本より消費税の高い国は確かにあるが、それらの国は社会福祉を充実させ、教育費を無料にし、食料には消費税をかけないなど、さまざまな配慮がしてあり、実質的には日本より安い消費税になっている)

法人税は会社の利益に対してかかる税金である。この利益にかかる税を下げることは、会社の利益がそれだけ増えることになる。その利益を手にするのは、配当金が増える株主である。つまり、法人税を下げると、その利益は株主(米国を中心とした米日の1%)に回される。ここでも米国の富裕層への献金がなされているわけだ。

信用詐欺がバレて、内政で行き詰まった安倍晋三は、ロシアに活路を求め始めた。

『Sputnik日本』(2016年5月1日)に「ナショナルインタレスト、何がロシアと日本を団結させるか解き明かす」という記事が載っている。

「ナショナルインタレスト寄稿論文で政治アナリストアンソニー・リンナ氏がプーチン安倍協議の結果を推測した。

先日ロシアのラヴロフ外相と日本の岸田外相が会談、6日にはロ日首脳会談がソチで開催される。

これでクリル諸島に関する一般的な決定が取られることは考えにくいが、対話そのものが二国間協力を強化し、地域の安全保障情勢に影響を与える可能性はある、と同氏。

日本とロシアはすでに安保協力に前向きである。北朝鮮の第四の核実験後、日本はロシアに対し「北朝鮮の挑発」に対する反応における協調を呼びかけている。両国が北朝鮮に圧力をかけることを望んだ場合、さらなる歩み寄りもあり得る。

より長期的には両国協力が南シナ海を取り巻く状況に影響を与える可能性がある。日本は紛争への積極的関与を強めており、もしロシアとの対話を並列的に行うならば、それは中国の行動を緩和することにつながる可能性がある。

結論として著者は首脳会談を「慎重な楽観主義」をもって期待するよう提案している」(「ナショナルインタレスト、何がロシアと日本を団結させるか解き明かす」

安倍晋三が、5月6日にロシア南部ソチを訪問して 首脳会談を行う。領土問題は、すでに安倍晋三の念頭から消えたようだ。

中国・北朝鮮に対して、ロシアを利用して制裁しようと考えているとしたら、その考えは失敗するだろう。

要は安倍晋三とその周辺の取り巻きには、マルクスの哲学思想への理解がなく、そこから間違った戦略が出てくる。

かつて、社会主義国家として、ともに米国と対峙した精神は、今も中ロに根付いている。米国からの圧力・排除が加わるほど中ロが接近するのは、それを物語っている。その精神の深さが、オバマにも安倍晋三にもわからないのだ。

中ロにくさびを打ち込むことはできない。また、ロシアをして北朝鮮に圧力をかけさせることもできない。

安倍晋三は、せいぜいプーチンに利用される役割しか与えられないだろう。

「慎重な楽観主義」とは言い得て妙である。これは主に安倍の立場が、ロシアに接近するしかないところからくる楽観主義であろう。

さて、国内政治ではすべてが失敗し、外交でもロシアへの接近は、役者が違うためにピエロ役しか与えられない。それなら武器輸出はどうか。これも世界中が日本がとると思われていた巨額の潜水艦受注に失敗した。

『エコノミスト』(2016年4月30日)が「オーストラリアが次期潜水艦の建艦に大金を使う一方、日本はこれに怒る」という記事を載せている。

「4月中旬、日本のそうりゅう型潜水艦がシドニー港に入港したのは痛烈な瞬間だった。それは、第2次大戦中に3隻の日本海軍の小型潜水艇がこの港を強襲し、21人の連合国兵士を殺して以来初めての日本の潜水艦の来航だったからだ。

しかし、今回の日本の目的は違っていた――日本は、オーストラリアが計画している新しい潜水艦艦隊の建造の受注を巡ってフランス、ドイツと競い合っていたのだ。だから、4月26日にマルコム・ターンブル首相が、500億オーストラリアドル(380億米ドル)の契約がフランスに決まったと公表したとき、日本は衝撃を受けた。この決定は「大変遺憾だ」と日本側は語った。そしてオーストラリアに対して説明を求めた。

(中略)

ところが、この受注合戦がオーストラリアに及ぼす影響よりも、その戦略的な側面の方が大きな関心を集めている。日本側の期待は、トニー・アボット政権下で高まったものだった。だが彼は7か月前、ターンブル氏に自由党党首の座と同時に首相の座からも追い出されてしまった。

アボット氏は安倍晋三首相と親密な仲を築いてきた。彼は、日本をオーストラリアの「アジアの一番の友好国」と呼び、日本が「より有能な戦略上のパ-トナー」になるように望んでいると語った。日本はほぼ確実に受注できる、と踏んでいた。

アボット氏に代わって首相に就任して以来、ターンブル氏は、オーストラリアの対日関係と対中関係をうまく両立させようと、格別の努力を傾けてきた。4月中旬に中国を訪問した際ターンブル氏は、中国は「並外れた機会がある国だ」と発言した。彼はオーストリアが、日本と米国との軍事的パートナーシップを強めて台頭する中国への盾にするだろう、という憶測を抑えようと努めてきた

4月26日に、オーストラリアのマルコム・ターンブル首相が、新型潜水艦の共同開発相手として、フランス政府系造船会社DCNSを選定すると発表した。確かに額は500億豪ドル(約4兆2,770億円)以上と大きい。しかし、日本のお子ちゃま政治の反応は、みっともなかった。

中谷元防衛相は記者団に「たいへん残念に思う。豪側に説明を求め、その結果をしっかり今後の業務に反映したい」と語った。

また、「日本の提案が十分に理解されなかった」と三菱重工業はコメントした。

「アボット氏は安倍晋三首相と親密な仲を築いてきた。彼は、日本をオーストラリアの「アジアの一番の友好国」と呼び、日本が「より有能な戦略上のパ-トナー」になるように望んでいると語った。日本はほぼ確実に受注できる、と踏んでいた」。

こういう戦略は非常に限界があり、危険なものだ。

アボットが代われば、状況は一変するからである。実際、2015年9月14日、アボットが与党党首選で敗れ、ターンブルに代わると、状況は一変した。

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