日本民族の精神の退嬰が深まっている。それは安倍晋三らによって嚮導されたものだ。その中心人物のひとりに自民党政調会長の稲田朋美がいる。

彼女が師と仰ぐのは、生長の家の谷口雅春である。かれは戦争を「最高の宗教的行事」とする思想の持ち主だ。

「戦争においては否応はない、言葉通り肉体の生命が放棄せられる。そして軍隊の命令者は天皇であって、肉体の放棄と共に天皇の大御命令に帰一するのである。肉体の無と、大生命への帰一とが、同時に完全融合して行われるところの最高の宗教的行事が戦争なのである。戦争が地上に時として出て来るのは地上に生れた霊魂進化の一過程として、それが戦地に赴くべき勇士たちにとっては耐え得られるところの最高の宗教的行事であるからだと観じられる」

 

稲田朋美はこの谷口雅春を「ずっと自分の生き方の根本」においてきたという。昨今の自民党には、このように、過去からきた何か奇怪な精神に憑依された人物が目立つ。

いずれこの精神は国民にも取り憑き、戦争へと引きずり込んでいく可能性が高い。日本民族の戦争のDNAに火がつかないことを祈ってきたが、わたしが思っていた以上に、このDNAの根は深そうである。また、天皇を、死の契機とする三島的な美学も消えてはいないようだ。

  
2月25日の「報道ステーション」が重要な放送をした。「報道ステーション」は、59年前の岸信介総理(安倍晋三の祖父)時代の、憲法調査会のテープを国立公文書館で発見した。そしてそのポイントを短く編集して放送したのである。

現在に至るも、自民党・右翼を中心に、現行の日本国憲法は、GHQの押し付け憲法という意見がある。これの根拠が瓦解してしまった。

constitution (2)

constitution (3)

もっともこの真実は、ネット上には以前からあったものである。「報道ステーション」が画期的だったのは、関係者の肉声で証明したこと、また、多くの視聴者に押し付け憲法論の間違いを明らかにしたことである。ジャーナリズムとは、本来、こういう権力と対峙する仕事をいうのである。

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ネット上には、昨日の「報道ステーション」を裏書きする次の資料が公開されている。(以下、引用文の漢数字はアラビア数字に改め、改行も読みやすいように増やしてある)

「昭和39年2月

幣原先生(幣原喜重郎 しではらきじゅうろう 注 : 兵頭)から聴取した戦争放棄条項等の生まれた事情について

―平野三郎氏記―

(中略)

この資料は、元衆議院議員平野三郎氏が、故幣原喜重郎氏から聴取した、戦争放棄条項等の生まれた事情を記したものを、当調査会事務局において印刷に付したものである。

(中略)

問(平野三郎の質問 注 : 兵頭) よく分りました。
そうしますと憲法は先生の独自の御判断で出来たものですか。一般に信じられているところは、マッカーサー元帥の命令の結果ということになっています。もっとも草案は勧告という形で日本に提示された訳ですが、あの勧告に従わなければ天皇の身体も保証できないという恫喝があったのですから事実上命令に外ならなかったと思いますが。

答(幣原喜重郎の答え 注 : 兵頭) そのことは此処だけの話にしておいて貰わねばならないが、実はあの年(昭和20年)の春から正月にかけ僕は風邪をひいて寝込んだ。僕が決心をしたのはその時である。それに僕には天皇制を維持するという重大な使命があった。元来、第9条のようなことを日本側から言い出すようなことは出来るものではない。まして天皇の問題に至っては尚更である。この2つに密接にからみ合っていた。実に重大な段階であった。

幸いマッカーサーは天皇制を維持する気持ちをもっていた。本国からもその線の命令があり、アメリカの肚は決まっていた。所がアメリカにとって厄介な問題があった。それは豪州やニュージーランドなどが、天皇の問題に関してはソ連に同調する気配を示したことである。

これらの国々は日本を極度に恐れていた。日本が再軍備したら大変である。戦争中の日本軍の行動はあまりにも彼らの心胆を寒からしめたから無理もないことであった。日本人は天皇のためなら平気で死んでいく。殊に彼らに与えていた印象は、天皇と戦争の不可分とも言うべき関係であった。これらの国々はソ連への同調によって、対日理事会の評決ではアメリカは孤立する恐れがあった。この情勢の中で、天皇の人間化と戦争放棄を同時に提案することを僕は考えた訳である。

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豪州その他の国々は日本の再軍備化を恐れるのであって、天皇制そのものを問題にしている訳ではない。故に戦争が放棄された上で、単に名目的に天皇が存続するだけなら、戦争の権化としての天皇は消滅するから、彼らの対象とする天皇制は廃止されたと同然である。もともとアメリカ側である豪州その他の諸国は、この案ならばアメリカと歩調を揃え、逆にソ連を孤立させることができる。

この構想は天皇制を存続すると共に第9条を実現する言わば一石二鳥の名案である。もっとも天皇制存続と言ってもシムボルということになった訳だが、僕はもともと天皇はそうあるべきものと思っていた。元来天皇は権力の座になかったのであり、またなかったからこそ続いていたのだ。

もし天皇が権力をもったら、何かの失政があった場合、当然責任問題が起って倒れる。世襲制度である以上、常に偉人ばかりとは限らない。日の丸は日本の象徴であるが、天皇は日の丸の旗を維持する神主のようなものであって、むしろそれが天皇本来の昔に戻ったものであり、その方が天皇のためにも日本のためにも良いと僕は思う。

この考えは僕だけではなかったが、国体に触れることだから、仮にも日本側からこんなことを口にすることは出来なかった。憲法は押しつけられたという形をとった訳であるが、当時の実情としてそういう形でなかったら実際に出来ることではなかった。

(中略)

それは昭和21年の1月24日である。その日僕は元帥と二人きりで長い時間話し込んだ。すべてはそこで決まった訳だ」

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幣原喜重郎は、太平洋戦争後、第44代の内閣総理大臣として、新憲法草案作成に関わった。

この証言のポイントは、「天皇の人間化と戦争放棄を同時に」マッカーサーに提案していることである。アジア諸国の天皇への警戒心を和らげるためであった。これで「戦争が放棄された上で、単に名目的に天皇が存続するだけなら、戦争の権化としての天皇は消滅する」ことになる。アジア諸国が警戒する、国民を死に突撃させる「天皇制は廃止されたと同然」になる。

天皇制は存続できるし、第9条も実現できる。「一石二鳥の名案」と幣原は語っている。

敗戦から70年たって、幣原喜重郎の「一石二鳥の名案」は崩れようとしている。天皇制は存続したまま、ふたたび日本は戦争する国に変質しつつある。イルミナティの、法律はそのままにして解釈を変える破壊が実行され、戦争法は成立した。天皇制を残したまま、アジア諸国はふたたび日本への警戒心を高めつつある。それはなぜであろうか。

この国の危機的な状況の背景には、すべて福島第1原発事件がある。9.11後のイラク侵攻と同様に、日本の3.11もまたディザスター・キャピタリズム(惨事便乗型資本主義)の絶好の材料に使われたのである。過激に日本を破壊するほど福島第1原発事件を隠せるのである。

しかし、この過激さは退嬰と表裏一体となっている。とても知的に弱い精神が、絶望的な突撃を繰り返す。その結果、少なくとも経済では無残な大失敗が確定しつつある。

自公の政策には、99%の希望も未来もない。

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