(今年最後のブログ更新になった。この1年、けっして心安まるものではなかったと思われるこのブログを見ていただいて、感謝申し上げる。

次回は1月2日を予定している。

『Foreign Affairs Report』の新年号に、ヒラリーの論文が載っていた。『兵頭正俊の優しさ出前』では、早速、新年号(1月1日)でこのヒラリーを採り上げる。

『エコノミスト』「2016 世界はこうなる」の表紙イラストに続いて、『Foreign Affairs Report』の新年号でヒラリーが採り上げられたということは、これまで書いてきたとおり、米国の奥の院が、ヒラリーを第三次世界大戦に備えて、最大の駒として活用する戦略を固めたと考えていいだろう。

世界も日本も非常にきな臭くなってきた。

的確に状況を分析し、未来の日本人に責任をもった生き方をする一助に、このブログがなればと願っている。

来年が、皆さまにとって、幸多き年にならんことを祈りあげる)

自衛官への応募が2割減と急減した。もちろん戦争法のためである。

これからの日本の戦争は、米国による、米国のための戦争に、傭兵として使われる戦争になる。大義などない。不必要、必然性なき戦争であり、死ねば犬死にになる。

「これからは勝つ戦争をする」などと、お坊ちゃん、お嬢ちゃんたちは、まるでゲーム感覚である。人間の命など何とも思っていない。現在の日本で、もっとも劣化した人間が政治家になり、政権の中枢に居座っている。

abe shinzou (2)

安倍晋三は国民に、いい加減な嘘の対応をしているが、多くの国民が見破っている。その結果が自衛隊応募者激減となって顕れたものだ。

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さて、前号に続いてヒトラーが問いかけるものを考える。これは状況的にタイムリーなテーマである。ヒトラーを考えながら、現在の日本に思いを致すというのが、このメルマガの問題意識である。

abe shinzou (27)

『エコノミスト』(2015年12月19日号)は、「ヒトラー」のなかで述べている。

「ドイツの政治話法から始めてみよう。フランス人、英国人、米国人とは対照的にドイツ国民は、外国政府であれドイツ政府であれ、政府による監視を大変気にしている。この懸念は、ヒトラーのゲシュタポ(そしてもっと近くは東ドイツのシュタージ)の記憶に端を発している。

また、ドイツはイスラエルに対して特別な責任がある、というコンセンサスが広く共有されている。平和主義が全ての主流政党を貫いている。

確かに、ドイツは一般に、権力、特に自国の権力には困惑してしまう。国内にあっても海外にあっても、ドイツは「権力より権利が勝る」と主張して譲らない。それゆえに、たとえパートナー国が激怒しようとも、ルールに拘る(例えばユーロ危機の時などで)。それゆえに、同盟国はしばしば求めるのだが、「覇者」のように振る舞うのを嫌う。

メルケル女史は、「EUの中で最も強力な指導者」なのかと訊かれると、彼女の報道官は憤然として答える「そういう問題は我々の思考の対象外だ」と。

政治手法においても、ドイツは常に、ヒトラーとは無縁だと証明して見せたいようだ。ドイツ国民はバラク・オバマが2008年に大統領候補としてベルリンを訪問した際に、一つには彼の高邁な演説を聴くために彼の下に押し寄せた。ところがドイツ人は、自国の政治家には、オバマのような雄弁な語り口は決して求めようとしない。というのも、ヒトラーの持つ大衆扇動的なカリスマ性を思い出させるからだ

ドイツ国民は、「外国政府であれドイツ政府であれ、政府による監視を大変気にしている」という現象は、政治民度の高さを表している。第二次世界大戦が培った政治民度だ。

それは日本と比べると明確になる。日本の場合、米国の監視のもとに政府自体がおかれている。あまつさえ政府自体がその監視を歓迎し、政権維持・政策遂行・利権維持に利用する有様だ。

それを監視する立場にある大手メディアも、米国と日本政府に監視されることに慣れてしまっている。あろうことか、逆に国民監視、政府の広報機関に堕落してしまっている。

失敗に学ぶことができる個人・民族は、成長する。日本の場合、失敗に学ばない。総括しないからだ。だから何度でも同じ失敗を繰り返す。

(以下、長いのでメルマガの一部だけ公開します。

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ドイツの場合、「イスラエルに対して特別な責任がある、というコンセンサスが広く共有されている」のに対し、日本の場合は、中国・韓国を初め、アジアの諸国に責任があるという精神は、年月とともに薄れてしまった。いまでは中国を敵視するありさまだ。

ドイツにあっては、「国内にあっても海外にあっても、ドイツは「権力より権利が勝る」と主張して譲らない」という精神が浸透している。だからこそ、ドイツは米国、ロシア、欧州諸国から許され、今はEUの盟主にまでなった。

日本は、アジアで孤立している。友達がいない極東のイスラエルと評され、孤立している。こんな日本とはたいへんな違いだ。

「ヒトラー」を、もっと読んでみよう。

「(中略)しかしながら、ヒトラーが中高年のドイツ人を苦しめ続けているもっと本質的な領域がある――それは彼らの精神構造だ。1つの世代は「Kriegskinderクリークスキンダー(戦争の子供たち)」と呼ばれ、大雑把に1928年から1947までに生まれた世代と定義できる。

もう1つの世代は、1955年からほぼ1970年頃に生まれた彼らの子供たちで、「Kriegsenkelクリークセンケル(戦争の孫たち)」と呼ばれている。

(中略)

1980年代に、ラーデボルト氏は、同世代の男たちの様々な精神疾患の治療に当たった。彼は徐々に、精神疾患と戦争との関連に気が付きだしたという。なぜなら、彼らクリークスキンダー(戦争の子供たち)は「決して悲しむことを許されなかった」からだ。「私自身、落ち込みよく泣いたものだ」とラーデボルト氏は回想する。「私の過去の個人史が現在の私に追い付いたのだった」そして彼はこの現象について本を書き始めたのだった。

今日ドイツの高齢者について奇妙に思えることの多くが、このような抑圧された記憶に起因する、と彼は言う。なぜ高齢者はこんな豊かさの中で食料を貯め込もうとするのか? 何故彼らは花火やサイレンを怖がるのか? 何故老人ホームに入所している婦人が夜間、男性スタッフがおむつを替えに来ると、自分を抑えきれずに号泣するのか。クリークスキンダー(戦争の子供たち)世代だから、幼い頃の古いトラウマがよみがえるのだ、と彼は言う。

この世代の子供たち、すなわちクリークセンケル(戦争の孫たち)はまた別の問題を抱えている。彼らが成長する間ずっと、彼らの両親の感情は凍りついていた。年長者らは鎮静状態とか麻痺状態で終戦まで生き延び、それ以降決してその状態から完全に抜けきったことがない、と同じこの主題を追っている作家ザビーネ・ボーデが指摘する。これが彼ら年長者たちと子供たちとの人間関係を傷つけてきた。

子供たちは、絶対口に出してはいけない事やため息の中に秘められたことを直感的に感じ取り、親のトラウマを受け継いでしまった。後に大人になってから、彼らは質問するのだった――どうして私たちの些細な問題に関心をもってくれなかったの? そして何故、父さん母さんの焼夷弾爆撃の悪夢を私たちが見るの? 近年、戦争の孫たちのためにサポートチームが生まれてきた」

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現代のドイツ人を、ふたつの世代に分けている。

1 「Kriegskinderクリークスキンダー(戦争の子供たち)」(1928年~1947頃までに生まれた世代)
「決して悲しむことを許されなかった」世代
幼い頃の古いトラウマがよみがえる世代

2 「Kriegsenkelクリークセンケル(戦争の孫たち)」(1955年~1970年頃に生まれた世代)
彼らが成長する間ずっと、彼らの両親の感情が凍りついていた世代
親のトラウマを受け継いでしまった世代
親の焼夷弾爆撃の悪夢を見た世代

ドイツでは、戦争を体験した世代と、戦争を知らない世代との間に、痛ましいほどの深い精神的繋がりがあったことがわかる。それと比べると、日本の軽さは不思議なほどだ。まず、昭和天皇裕仁を先頭に政界・財界・メディア界と、戦犯がほとんどそのまま実権をもって戦後を生き残った。

言葉の本来の意味で、民族としての自発的自主的な戦争総括はなされなかった。

それでも庶民の一部に戦争体験と反戦意識は受け継がれていたが、ドイツのように「Kriegsenkelクリークセンケル(戦争の孫たち)」へは受け継がれていなかった。そこにあったのは断絶だったから、「Kriegskinderクリークスキンダー(戦争の子供たち)」が各界から去ると、いっぺんに戦前への回帰が始まった。

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