『東京新聞』(2014年12月7日)が「海外経験は漏えいリスク 秘密保護法で内調」と題して、驚くべき記事を載せている。

「海外で学んだ経験や働いた経験があると、国家機密を漏らす恐れが高まる―。10日施行の特定秘密保護法の制定過程で、同法を所管する内閣情報調査室(内調)がこうした考えを関係省庁に示し、学歴や職歴の調査が必要と強調していたことが7日、共同通信の情報公開請求で開示された政府文書で分かった。

文書は内調が2011年11月、内閣法制局との会合で示したメモ。

海外の学校や国内の外国人学校で教育を受けた経験、外国企業での勤務経験も挙げ「外国への特別な感情を醸成させる契機となる」「外国から働き掛けを受け、感化されやすい。秘密を自発的に漏えいする恐れが存在する」としている」

わたしはこの記事を読んで、最初は驚き、それから吹き出してしまった。もはや日本は堕ちるところまで堕ちるのである。警察国家から軍事国家へ。その路線をひた走りながら、中枢にいる者たちに非常に暗愚で薄っぺらなものを感じる。その暗愚で薄っペらの、あまりのひどさが、呆気にとられて逆に笑わせてしまうのだ。

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「海外で学んだ経験や働いた経験があると、国家機密を漏らす恐れが高まる」とは何か。これは、政府・官僚が抱え込んでいる、国民に知られてはならない秘密の多さと深刻さを物語っている。国民に隠して、よほど悪いことをしているのである。

この内閣情報調査室(内調)の考えを純化していけば、海外で学んだ経験や働いた経験のある者は、政府・官僚の中枢から排除するということになろう。そういうことになれば、上昇志向の強い若者たちは、海外留学や海外勤務を忌避するようになろう。国際結婚など、もってのほかだということになる。

漏洩しては困る秘密をこれほどまでに抱え込み、警戒しているのである。

(以下、「新冷戦のなかの中ロ同盟」の一部だけ公開します)

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外国留学、外国勤務などの経験は、その人物の見識を深める。また、外国との良好な関係を築くためにも大切なものだ。

中国との関係にせよ、相互の留学、勤務の分厚い関係があったからこそ、まだ戦争にいたらずに済んでいる。

内調の思想は、軍事や経済、文化といった幅広い国家関係よりも、政府・官僚の保身のための秘密防衛を優先させるものだ。この暗愚な秘密主義で、民族が繁栄する筈がない。外国との良好な関係が築ける筈がない。さらに文化が豊かになる筈がない。

ここまで書いてきて、過酷なシベリア抑留生活を送った後、戦後の日本に帰国した元日本兵が、様々な警戒と差別に遭ったことを思い出した。「アカに洗脳されたスパイじゃないか」というわけだ。

日本人は戦前・戦中と何も変わっていないのである。すでに一部にはもう露出しているが、これから「欲しがりません。勝つまでは」とか、「撃ちてし止まん」、「カミカゼ特攻精神」、「人間魚雷」の棄民意識が横溢してくるだろう。

いよいよ選挙も中盤から終盤に向かう。もし安倍晋三が勝てば、日本は警察国家から軍事国家に変化していく。それは官僚と政府が、好き放題に税金を使い、不都合な情報と人間を歴史の闇に葬る世界だ。

その政治外交の中核に対米隷属と反中がおかれる。

その中国はBRICSに入り、ロシアとの関係を強化している。この関係は、端から見るより強固である。

ギルバート・ロズマンは「中国とロシアによる反欧米同盟―中ロを結びつける6つの要因」のなかで、次の6点を指摘している。(ギルバート・ロズマンはプリンストン大学教授。外交政策研究所のシニアフェロー)

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「ロシアと中国の緊密な関係が今後も続くと考える理由が少なくとも6つある。

第1に、プーチンと習近平は自分の統治を正当化しようと、ほぼ同じイデオロギー路線をとっている。中ロは社会主義時代のプライドを強調し、自国の政治秩序を対外的に拡大していく中華思想、ロシア中心主義をそれぞれ掲げ、一方でアメリカの覇権に異を唱えている。

(中略)

第2に中国とロシアは、冷戦期の中ソ対立に触れるのを避け、むしろ欧米との立場や価値の違い、そして冷戦期のアメリカとの対立を強調している。

(中略)

第3に、中ロは「2008年のグローバル金融危機は欧米の政治・経済モデルが破綻の瀬戸際にあることを意味し、自分たちのモデルよりも劣っていることを立証した」と考えている。特に北京は、中国モデルのほうが優れていると考えている。

(中略)

第4にプーチンと習近平は、外からの脅威に対抗していく上で、中国とロシアの二国間関係を強化することが重要だと考えており、共産主義の遺産の重要性を強調している。中国は依然として共産主義を統治理論として重視し、ロシアも歴史的な遺産として共産主義を前向きに評価している。

(中略)

第5に、ロシアと中国は国際問題をめぐって同じ立場をとることが多い。地域的な問題をめぐって衝突するのではなく、むしろ、異なる立場をとるアジェンダを世論が取り上げないように抑えることで、潜在的な衝突を回避しようとしている。

一方で、中国かロシアのいずれかが関わる国際論争が起きると、両国はアメリカとその同盟諸国の脅威を強調する。

(中略)

第6に、中国とロシアは、国家アイデンティティを強化する公的なキャンペーンをともに実施している」(『Foreign Affairs Report』2014 NO12)

ギルバート・ロズマンの挙げた6つの要因のなかで、とりわけ「第4」が大切だ。ここで、二国関係の強化で「外からの脅威に対抗していく」ことが指摘されている。「外からの脅威」とは、米国の脅威であり、NATOの脅威であり、これから肥大してくる日本軍国主義の脅威だ。

反欧米同盟に中ロが「共産主義の遺産の重要性を強調している」ことは、決定的に重要な指摘である。これは冷戦時代の、対米、対NATOの、旧中ソ同盟が復活したことを物語る。

つまり新冷戦における中ロ同盟は、「レーニン・毛沢東」の共産主義イデオロギーの共有遺産をもとに構築されるという指摘である。これが重要なことは、この同盟は、どのような分断工作にも崩されないほど強固なものだということだ。

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