ロシアのシリア介入は、その成否はともかく、大きな影響を今後の世界に与えていくであろう。

明確にしておかねばならないのは、ロシアのシリア介入は、アサド大統領の要請とロシア連邦議会の委任に基づくものである。国際法上でも合法的なものだ。その点、米欧の、シリアの主権を侵害した無法な介入とはまったく違っている。

プーチンのシリア危機解決プランは、「「イスラム国」に対抗する、広範な反テロ戦線を組み、その中央にシリアとイラク両軍の軍人、およびクルド人を据えるというものだ。プランにはさらに、アサド大統領は政権に残り、国際協力を得て、新たな連立政府を立ち上げることも提案」したものである。

ロシアのシリア介入に対しては、すでにISISの報復がなされている。ロシア機の墜落である。

(国防総省のジェフ・デービス報道官「いま我々はタリバンを、アフガニスタン指導部のもとで進行する和平プロセスにおける重要なパートナーと見なしている。我々はタリバンに対し積極的な作戦を行なってはいない」)
(国防総省のジェフ・デービス報道官「いま我々はタリバンを、アフガニスタン指導部のもとで進行する和平プロセスにおける重要なパートナーと見なしている。我々はタリバンに対し積極的な作戦を行なってはいない」

『Sputnik日本』(11月8日)は、「英紙テレグラフ:ロシア機墜落に英国人ジハード主義者が関与していた可能性がある」と題して、次のように述べている。

英紙テレグラフは、エジプトに墜落したロシア機について、英国人のジハード主義者たちが、爆弾の製造に関与した可能性があると報じた。

なお、英国人ジハード主義者たちは、爆発装置の組み立てに関して助言しただけだと見られている。

テレグラフ紙によると、英国の情報機関が、墜落を「祝う」人々の会話を傍受したという。専門家たちは、傍受した会話の中に、ロンドンやバーミンガムなまりの声があると指摘している。

一方で消息筋は、ある種の「未確認情報だ」と述べているという」

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また、『Sputnik日本』(11月9日)は、「エジプト専門家「A321型機爆破説は確度90%」」と題して、次のように述べている。

「ロシア機の墜落について、エジプトの事故原因調査委員会は、ブラックボックスに記録されている音は90%間違いなく機内で爆弾が炸裂した音である、との見解を示した。日曜、同委員会メンバーの情報として、ロイター通信が伝えた。

「ブラックボックスの解析で爆弾が示唆された。我々は90%この説を確信している」。ただし、残りの10%を議論する用意はない、とのこと。

7日、墜落機のボイスレコーダーから無事に全情報を取り出すことに成功した」

今のところ、ロシア機墜落に英国人ジハード主義者が関与していた可能性があること、「A321型機爆破説は確度90%」であることなどであるが、これから少しずつ真実が暴かれていくと思われる。

わたしは、かりに表面上はISISによる犯行だったとしても、背後には、かれらを育てた米・英・イスラエルの諜報機関が介在していると考えている。しかし、これが表面化するには、第二のエドワード・スノーデンの登場を待たねばならないだろう。

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デミトリ・アダムスキー(IDCヘルズリア准教授 専門は国際安全保障、戦略研究、イスラエルの安全保障、ロシアの国家安全保障政策など)は、「ロシアのシリア介入戦略の全貌 ―― そのリスクとベネフィットを検証する」のなかで、次のように書いている。

波を作り出すこと以上に、それを管理していくのは難しい。モスクワにとって、シリアにおける最大のリスクは戦力を拡散させてしまうことだ。イスラム国に対する作戦を開始した当初は、共通の目的を基盤に同盟勢力は連帯を維持できるだろう。

しかし、作戦が長期化し、特にアサドが支配する地域の安定化が実現すれば、同盟勢力の利益認識は次第に分裂し始める。イランとシリアは、シリア全体を取り戻そうと戦域を東部や北部へと拡大していくだろう。そして、モスクワが政治的妥結に向けた進化を手にできず、同盟勢力にその目的を徹底できなくなれば、ロシアはさらに戦闘に引きずりこまれるかもしれない。

(中略)

第2のリスクはイスラエルに関するものだ。エルサレムは、戦略環境を変化させるような兵器をヒズボラに渡すことに強く抵抗するだろうし、シリア紛争の火の粉が国境地帯に及ぶことを許容することはあり得ない。

これを知るヒズボラ、イラン、アサドは、ロシア部隊の近く、つまり、ロシアが責任を引き受けている地域に戦闘を限定することで、(イスラエルの攻撃のターゲットとされないように)ロシア軍を「人間の盾」として利用するかもしれない。

(中略)

偶発的事件が起きれば、モスクワとエルサレムは困難な選択に直面する。イスラエルはシリア紛争への中立を保つというシグナルを送っているが、モスクワが電子遮断網を築き、アサドが優位をもつ地域に接近阻止・領域拒否テクノロジーを導入し、ジャミングやサイバー攻撃が起き、エルサレムが戦術を効かす余地が狭められれば、イスラエル空軍が状況を放置するとは限らない。

最後に、ロシア国内での過激主義が高まる危険があり、モスクワもこの点は理解している。シリアでのロシアの活動が国内のスンニ派の怒りを買い、ロシアの中枢部、北カフカス、中央アジアを対象とする攻撃へと向かわせるリスクがある。

すでにロシア軍のなかのイスラム系兵士の過激化をモスクワは心配しているし、事態がさらに悪化していく危険もある。モスクワがこうしたリスクを認識し、介入を続けられない事態に陥ることを避けたいと考えても、シリアにおける軍事キャンペーンがスムーズにいくかどうかは分からない」

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ここでデミトリ・アダムスキーが述べている3点は、なかなかに鋭く、かつ深く、どの国が中東に介入しても起こりうる困難を指摘している。

デミトリ・アダムスキーは、いずれ反ISIS戦力の拡散、勝利後の、同盟勢力の分裂が起きるという。

また、イスラエルの動きは最大のポイントになってくる。いずれ、ヒズボラの強大化の阻止、シリア紛争のイスラエル国境地帯への拡大阻止、ロシアの電子遮断網を口実にして、逆に米・英・イスラエルが、ヒズボラ、イラン、アサド、ロシア部隊への攻撃を企てるかもしれない。

デミトリ・アダムスキーは、ロシア国内での過激主義が高まる危険性を指摘しているが、プーチンが、もっとも警戒しているのはこれだろう。

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