2018年4月27日に、文在寅(ムン・ジェイン)と金正恩(キム・ジョンウン)は、板門店の平和の家で南北首脳会談をおこなった。

今日は、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言 」(2018年4月27日)を中心に、この問題を採り上げる。

東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアは、官邸の「圧力と制裁」にしたがって、南北首脳会談の成功を矮小化し、ネガティブに描くことに必死だ。

以下は兵頭のまとめた、「朝鮮半島の平和と繁栄、統一のための板門店宣言 」の骨子である。両首脳は何を決めたのか。

(1)金正恩は、自分の国が将来、韓国と統一されることへの期待を表した。

(2)朝鮮半島の非核化に向けて前進することで合意した。

(3)閣僚級会談をはじめとする、各分野の対話と協議を、早い日時に開催し、首脳会談で合意された問題を実践するための積極的な対策を立てていく。

(4)地上と海上、空中をはじめとするあらゆる空間で、軍事的な緊張と衝突の根源となる、相手方に対する一切の敵対行為を全面的に中止する。

(5)西海の北方限界線(NLL)一帯を平和水域にする。偶発的な軍事的衝突を防止し、安全な漁労活動を保障する。

(6)当局間協議を緊密にし、民間交流と協力を円満に保障するために、双方の当局者が常駐する南北共同連絡事務所を開城(ケソン)地域に設置する。

(7)民族の重要問題を解決するため、直通電話による連絡を定期的に利用する。

(8)民族分断により発生した人道的な問題を至急に解決するために努力する。南北赤十字会談を開催し、離散家族・親戚再会をはじめとする諸般の問題を協議、解決していく。

(9)文在寅によるこの秋の平壌訪問を検討する。

以上であるが、南北朝鮮の和解が急速に進んでいる。

これまで行われてきた国際的経済制裁の66%は失敗し、軍事的冒険主義に対する制裁にいたっては79%が失敗している。今回もそれを証明して制裁は終わることになる。

隣国に暮らす者として、これは非常に喜ぶべきことだ。もちろん、これからの交渉が重要であり、米国戦争屋も黙ってはいないだろう。米軍産学複合体を中心とした米国1%の損失は、朝鮮半島の緊張緩和で甚大なものになる。

まず、アジア諸国を敵対させ、分割統治支配してきた米国の戦略が破綻する。

北朝鮮の脅威を煽って、米国のポンコツ兵器を破格の言い値で買わせてきた根拠が崩れ、軍産学複合体は日韓といった「顧客」を失う。

日本の大手メディアは本質的には米国のメディアなので、南北首脳会談をネガティブに描くのである。

朝鮮半島有事で、米軍産学複合体のスクラップアンドビルドが緒に就く構想が破綻する。戦争で北朝鮮・韓国・日本を破壊し、その後に莫大な復旧・復興特需を狙う構想は、これで完全に消える。そういう意味では、南北両首脳は、会談を失敗させるわけにはいかなかったのである。

しかし、もし南北統一になれば、統一朝鮮と日本とを対立させればよい。これがおそらく米ディープ・ステート・戦争屋の考えであろう。

この南北の和解は、本来、同一民族の南北朝鮮の問題である。ここでもし外国から横やりが入れば、国際社会が許さないだろう。

宣言文では、「南と北は南北関係の全面的で画期的な改善と発展を成し遂げることにより、途絶えた民族の血脈をつなぎ、共同繁栄と自主統一の未来を引き寄せていく。南北関係を改善し、発展させることは、すべての同胞の一途な願いであり、これ以上、先延ばしにすることができない、時代の切迫した要求だ」と述べている。南北統一は「途絶えた民族の血脈」「すべての同胞の一途な願い」なのである。他国がとやかく干渉すべき問題ではないのだ。

米国の最大のメリットは、韓国から撤退できることだ。これは大きな絵のなかでは、相対的に露中の存在感と影響力が増し、米国の影響力は衰退していく。しかし、それはトランプのオフショアバランシング戦略の実現である。他国への干渉の廃止、米軍駐留経費の削減につながるものだ。

ここでも軍産学複合体の戦略・利害と、トランプの戦略・利害とは、激しくぶつかっている。

日本にとっても、朝鮮半島の緊張緩和が進めば、中長期的に大きなメリットがある。

(1)米ポンコツ兵器を買わされずにすむ。

(2)東アジアが平和になることで、沖縄駐留米軍の撤退、ひいては日米安全保障条約の廃止が課題にのぼってくる。日本の真の独立のためには、まず日米安全保障条約の鎖を解き放つ必要がある。その現実的な環境ができる。

日本の現実は、憲法よりも日米安保条約で動いている。この安保条約を廃止すれば、自動的に日米地位協定やガイドライン、さらには日米合同委員会で動く日本の植民地支配は終わる。

逆に、もし日本がこのまま安保条約の支配下におかれ続けると、米国の肩替わりの戦争の道に突き進むことになる。

安倍晋三は、今や日本国民の民意や憲法よりも、米国益のために動いている。そうしなければ政権から降ろされるからだ。端的にいって日本は実質的な米国の植民地なのだ。

・・・・・・・・・━━━━━━☆

※メルマガのご案内

こんにちは!

有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』を配信している兵頭と申します。

2011年10月1日より『兵頭正俊の優しさ出前』(月額:864円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信開始しました。

月・水・金・それに、ほぼ週に1回の号外を配信しております。
実質、週に4回の配信になります。

わたしの強みは、商業ジャーナリズム、「記者クラブ」メディアから自立していることから、政権にも企業にも遠慮なく真実を語る位置を確保していることです。

わたしは若い頃に吉本隆明の『試行』に作品を発表していました。
この『試行』自体が、そのような問題意識に貫かれた同人誌でした。
位置のとり方の大切さはわかっております。

また、教師をやっていたことから、わかりやすく表現することには通じており、多くの読者の方からわかりやすいという声を聞いています。

優れた情報と、新しい状況の分析・とらえ方を提供します。
そして、「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

確かに、わたしはテレビなど晴れがましい舞台には出ておりません。

しかし、わたしの書いた文章は、グーグルの検索でもあちこちで上位に出ております。

ツイッターでは3万を超えるフォロワーに支持されており、無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』は殿堂入りを果たしております。

価格以上の価値があると自信があります。
ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用と、内容は同じ 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。
(体調を崩したとき、それに正月や5月の連休、お盆には、お休みをいただきます)

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。

・・・・・・・・・━━━━━━☆