このページは、2017年5月11日に更新しました。

『兵頭に訊こう』は、現在の国内外の重要問題について、最新の情報と考え方(批評)を発信しています。

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このページの要旨

福島の帰還困難区域で発生した山火事について、放射性物質の拡散を指摘し、不安に応える政府の情報発信や報道が少ないことを批判した地方新聞に、「風評被害を助長する」などの声が寄せられた。
「心配をかけ、迷惑を与えた」と陳謝する羽目になった。
いかにも日本らしい劣悪な状況が展開している。

北朝鮮との融和路線を掲げるムン・ジェイン(文在寅)の勝利によって、米国の北朝鮮への先制攻撃は困難になった。
ムン・ジェイン(文在寅)はTHAADの設置に反発を示す対中国関係を巡って、厳しい決断を迫られることになる。

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はじめに

フィンランド政府が、2015年にトルコ海岸で死亡したシリア難民男児のアイランの写真を、フィンランドの貨幣に刻印した。
アイランは死亡当時3歳だった。

通貨に、他国で悲劇的な死を迎えた3歳の、他国の子供の写真を刻印する。
こういうことは日本ではけっして起こりえない。
そこに強い関心を惹かれた。

こういうのはきわめて自由でヒューマニズムに富んだ精神の産物である。
これが政治家に備わっている。
そこにある種のうらやましさを感じたのだ。

日本では、逆に国民の内心まで監視し、管理する。
共謀罪が来週にも成立する。
これは国家が何によって繁栄し、国民は何によって幸せになるのかを考えたことのない政治家の産物である。
「フィンランドが、同国の貨幣にトルコ海岸で死亡したシリア難民男児の写真を印刷」

福島の山火事と放射性物質の飛散

帰還困難区域に指定されている浪江町井手の十万山で起きた山林火災は、10日経っても消すことができない。
周辺3か所で8日測定した大気中の放射性セシウム137の濃度が、前日の約3~9倍に上がった。

福島の山火事の危険性は、以前から指摘されてきた。
ついに現実化したわけだ。
それにしてはお粗末な消火作業である。
10日経っても消せない。
おそらく警告する声を「風評被害」として逆に攻撃し、あるいは無視し、何の事前対策も考えられていなかったのである。

『毎日新聞』(2017年5月9日)が、次のように報じている。

宮城、岩手、福島3県で発生した山火事は9日、延焼中の岩手県釜石市と福島県浪江町で空と陸からの消火活動が日没まで続いた。
気象条件に加え、浪江町では堆積(たいせき)した腐葉土の影響などから難航し、鎮火の見通しはない。

(中略)

原発事故に伴う「帰還困難区域」の福島県浪江町井手で起きた山林火災は、発生から丸10日たっても消えず、焼失面積は50ヘクタール以上。
県によると、消火を阻む要因は、強風や乾燥に加え「広い範囲に積もった腐葉土」。

ヘリからの散水で表層の火を消しても、落ち葉や腐葉土の中で火がくすぶり続け、一晩たつと再び表層も燃え始めるという。
一方、8日に住宅など9棟を全焼し、山林にも延焼した同県会津坂下町の火災は9日に鎮火した。

8日夜に鎮火した宮城県栗原市の山火事は、住宅など11棟の他、山林など約5ヘクタールを焼き、火元とみられる付近でたき火の跡が見つかった。(「東北・山火事 福島浪江 消火活動難航、鎮火の見通しなく」

東京の大手(「記者クラブ」)寿司友メディアは、政権に都合の悪い情報は国民にほとんど知らせない。
たまに知らせる場合も、放射性物質が降ってくる危険性は、ほとんど無視する。

「広い範囲に積もった腐葉土」といっても、福島第1原発破壊以来、放射性物質が降り積もった山の除染はされないまま放置され、うずたかく腐葉土が堆積されたのである。
この因果関係をけっしていわない。

状況の深刻さは、放射性物質の飛散のほかに、もうひとつあった。

和歌山県の『紀伊民報』に、「水鉄砲」というコラムがある。
その2日付1面のコラムで、福島の帰還困難区域で発生した山火事について、放射性物質の拡散を指摘するコラムを掲載した。

『毎日新聞』の引用によると、「電元社員の情報を基に「放射能汚染の激しい地域では森林除染ができておらず、火災が起きれば花粉が飛ぶように放射性物質が飛散するという」と記述し、不安に応える政府の情報発信や報道が少ないことを批判した」。
このどこがいけないのだろうか。

ところが、「風評被害を助長する」などの声が寄せられた。
そして9日付の同欄で「心配をかけ、迷惑を与えた」と陳謝する羽目になった。
いかにも日本らしい状況だ。(「紀伊民報 福島山火事で「放射性物質飛散」 コラムで陳謝」

抗議したのは「福島県の被災者ら」とされているが、ほんとうにそうだろうか。
とても信じられない。

自衛隊員や消防隊員は、放射線防護服などで消火に従事しているのだ。
これも風評被害の所産なのか。

(熊本大学入口紀男名誉教授)最後は地球を一周するだろうと思います。
我われが日常的に呼吸する空気の中には、秦の始皇帝やクレオパトラがくしゃみしたときの空気の分子も含まれています。
1779年の桜島噴火のとき火山灰は江戸の街にも降りました。

福島第一の2号機からの放射性物質の「漏れ」は、桜島の大噴火のように成層圏に届くほどの高さには及びませんでしたが、それでも風向きによって関東に及ぶ広い範囲が汚染されました。
山火事の場合は「何キロメートル」とは一概に言えませんが、国土の侮れない広範な地域が二次汚染されるだろうと思います。

放射性物質が花粉などを担体として空気中に浮遊している場合はマスクが効きそうです。
3.11の後、放射性物質はしばらくは空中に浮遊していましたが、すぐに森林や平地に沈着してしまいましたね。New life after 3.11

もし、こういう警告をも「風評被害」を助長するとしたら、ますます日本はバカの国になる。
安倍晋三の好き勝手に何でもできる国になる。
しかも自己防衛もできない悲惨な国になる。

ここに表出しているのは、自民党の人災としての福島第1原発破壊を、被災者をダシにして隠蔽する企みにすぎないのである。
一億総被曝のジェノサイドが続いている。

韓国の大統領選

韓国の第19代大統領選挙は、事前の調査通り、さらには出口調査の結果通りに革新系の最大政党「共に民主党」のムン・ジェイン(文在寅)が勝利した。

文候補は「明日からわたしは国民全員の大統領になる。わたしを支持しなかった方にも奉仕する統合大統領になる」「国民の切実な望みと願いを決して忘れず、正義の国、原則を守り国民が勝つ国を必ず作る」と語った。

大統領が変わっても、対米、対日関係とも、簡単に変わるわけではない、と思っている人が多いのではないだろうか。

ただ、ムン・ジェイン(文在寅)の「太陽政策」は、韓国軍の軍事力増強で、有事の韓国軍の指揮権も、米国から韓国に移譲させ、対米自立を図り、それをもとに北との融和路線をとっていこうとしている。

これがどこまで可能か。
これが実現すれば、「太陽政策」の中身自体が変わる。
対北関係も大きく質的に変わる可能性がある。

今回の半島危機は、もともと北朝鮮が起こしたのでも韓国や日本が起こしたのでもない。
米国が危機をでっち上げただけのものである。

米国が北朝鮮への先制攻撃をやれば、北朝鮮が核をもつ前の米軍の推定で、300万人以上の死者が出る。
北朝鮮が核をもち、米軍基地のある日本を反撃目標に加えると公言している現状では、死者は、400万人を遙かに超える可能性が高い。
いくら米国が戦争になれているといっても、そう簡単に攻撃に踏み込めないだろう。

もし米国が北朝鮮を攻撃すれば、米国は北朝鮮を殲滅できるだろうが、戦後に、米国は日韓両国民の激しい憎悪の対象になるだろう。

しかも、今回の韓国大統領選挙で、北朝鮮との対話を掲げる政治家が大統領になった。

これでいよいよ米国は北朝鮮への先制攻撃が難しいことになった。

しかも一貫して中国、ロシアが北朝鮮への先制攻撃に反対している。
もし攻撃に踏み切れば、大きな代償を米国は払うことになるだろう。

トランプ政権の本音は、米国本土に到達する北朝鮮のICBM開発と核の小型化を凍結させる。
その見返りに金王朝の存続を保証するというものだろう。
つまり米国の安全が将来的に保証されればいいわけで、日韓の安全保障は無視されることになる。

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