『Sputnik日本』(2016年6月17日)の、「ロシア 原爆投下後、広島・長崎でソ連代表団が撮影した映画フィルムを日本に譲渡」の記事で、セルゲイ・ナルィシキン露下院議長が、オバマ大統領の広島訪問時の発言について、驚きを表して、次のように述べている。

「つい先日のオバマ大統領広島訪問の際、私は1945年8月の出来事に対して、大統領が謝罪の気持ちを表すかどうかに注目していたが、日本国民の前でそれはなかった。何の罪もない何万、何十万もの人々の死をもたらした当時の軍人達の恐ろしい戦争犯罪に対し、責任のある国の指導者のそうした振る舞いに、私は驚きを禁じ得ない」(「ロシア 原爆投下後、広島・長崎でソ連代表団が撮影した映画フィルムを日本に譲渡」

これが、米国を含めて、外国の正直な感想だ。米国も「謝罪しなくていい、来てくれたらいい」と日本政府も日本被団協もいうから、やはり奴隷の国だと認識を新たにしただろう。

ナルィシキン議長は気を遣って黙っているが、日本被団協の体たらくには呆れたにちがいない。今頃(6月16日の定期総会)になって、日本被団協が、オバマの広島スピーチについて「被爆地広島にふさわしい内容だったでしょうか」などといっているが、すべては遅すぎる。

被団協の田中熙巳事務局長は「『空から死が降ってきた』は、絶対被爆者は許せない。訪問翌日、(演説直後に)評価する発言をしたことを、冷静になってすごく反省し、心が痛んだ」と述べているが、これは巧妙なすり替えである。オバマの謝罪なき広島見物を許容し、実現し、核使用のハードルを下げたこと、それ自体に反省は及ばねばならない。そして責任を取って辞任すべきだ。

軽く外務省の札付き官僚杉山晋輔の、出世の材料に使われたのである。もう無理である。組織を点検し、規約を洗い直し、戦争と核兵器に反対する闘う組織に改め、若返りを図るべきだ。

戦争に反対し、核兵器廃絶を実現するには、外国人を含む幅広い民衆との連帯が必要だ。オバマの謝罪なき広島見物に賛成した現在の日本被団協幹部は全員辞任し、抜本的な組織の建て直しを図るべきである。

さて、米国の大統領選は、ワン・ワールド勢力(オバマ、ネオコン、アーミテージ、外国を含むワン・ワールド系メディア)に支持されたヒラリーが大統領になる可能性が高くなってきた。トランプは最終的には政治生命を葬られるかもしれない。

とにかく世界的に人気のないふたりである。こういうときは、最低限、これだけやってくれたら、という支持しかない。それは第三次世界大戦だけは起こさないでくれ、という悲願からの評価である。それは圧倒的にトランプの評価が高い。

トランプはプーチンを評価している。ロシアもまたヒラリーよりトランプの方が第三次世界大戦を防ぎやすいと考えているようだ。

Putin (2)

もしヒラリーが大統領になったら、日本の99%は最悪の事態を迎えそうだ。

hillary-clinton

それで今日のメルマガでは、第三次世界大戦の一方の旗頭になるロシアについて考えてみる。

日本の、電通に支配された東京の大手(「記者クラブ」)陰謀メディアは、基本的に米国のメディアである。それであまり採り上げなかったが、安倍晋三が米国の掣肘を振り切って、ソチ訪問を行った。プーチンと会談し、ロシアとの二国間関係を発展させたい、と語った。

ロシアはこれを「日本は事実上、対ロシア制裁システムから抜け出した」と評価した。

安倍晋三がソチ訪問をしたのも、米国の凋落抜きには語れない。一極支配の世界では、他の国は自主的な国益に添った外交がやりにくい。米国に対抗できる国家が存在して初めて他の国は自由を得るのである。この認識は、ロシアへの好悪に拘わらず重要な認識である。

フョードル・ルキャノフ(世界の中のロシア誌編集長)は、「ロシア外交にみる悲しみと怒り ―― 外交的勝利と経済的衰退の間」のなかで書いている。

「この25年間で世界秩序は考えられぬほどに大きな変貌を遂げ、もはや二つの超大国のライバル関係によって世界が規定されているわけではない。とはいえ、深刻な国際的危機を解決できるプレイヤーは、依然としてロシアとアメリカだけであることが多い(台頭するパワー、国際機関、地域機構は、紛争を解決する意思も能力ももっていないことが多い)。

(中略)

二極対立の時代ははるか昔に終わっているが、1991年に始まるアメリカの一極支配構造も同様だ。新しい多極世界の到来によって、国際関係の不確実性は高まっている。ロシアもアメリカも世界における自国の役割を見極めようと試みつつも、ともに「相手はやり過ぎだ」と確信している。

シリアやウクライナだけでなく、「ソビエトの崩壊が世界秩序にとって何を意味したか」の解釈をめぐっても、両国の関係は緊張している」(『Foreign Affairs Report』2016 NO.6)

「深刻な国際的危機を解決できるプレイヤーは、依然としてロシアとアメリカだけであることが多い」というのは現実的に妥当な判断である。

米ソ対立の時代からソ連邦崩壊を経て、米国の1991年に始まる一極支配構造も終わった。米国の一極支配構造の終わりは、ソ連邦の崩壊と同等か、それ以上に重い。これから起きる米国の経済破綻は、少なくとも日本にとっては、ソ連の経済破綻を遙かに超えるものとなろう。

フョードル・ルキャノフの語るところを、もっと聞いてみよう。

「2001年以降、 NATOとその主要なメンバー国は、アフガニスタン、イラク、リビアへと軍事介入を続けた。その結果、3か国のすべてで体制変革が起き、イラクとリビアはその後、カオスへと陥っていく。

この意味で、ロシアの危機感を高めたのは、NATOの東方拡大だけでなく、欧米の行動パターンが変化したことだった。「NATOは純然たる防衛のための同盟だ」といくら欧米が主張しても、説得力はなかった。冷戦期はそうではなかったが、いまやNATOはれっきとした戦闘集団、軍事介入集団に他ならない

ここに書かれていることは、これからの日本に無関係ではない。欧米には日本をNATOに入れたがっている勢力がある。もし入れば日本は好きなようにロシアにぶつけられるだろう。

NATOを防衛のための同盟だ、というのは、欺瞞に満ちた解釈である。「いまやNATOはれっきとした戦闘集団、軍事介入集団に他ならない」からである。

米国は、ヨーロッパではロシア脅威論を、そしてアジアでは中国脅威論を扇動している。その軍事的な中核になるのが、ヨーロッパではNATOであり、アジアでは日本である。

具体的にはヨーロッパではロシアを挑発・威嚇するためにNATOの「アナコンダ」軍事演習が、アジアでは中国を挑発・威嚇するために米日印の「マラバール」軍事演習が行われている。

世界は非常に危険な状況にある。ここでヒラリーが米国大統領になると、ワン・ワールド勢力の第三次世界大戦実現は大きく前進することになる。ジム・ロジャースは2018年~2019年に、遅くとも2020年に、米国経済は破綻する、と述べている。これはかれだけがいっているのではなく、多くの専門家の共通した指摘なのだが、問題はそのときの大統領がヒラリーだった場合だ。

国内の不満と怒りを、ロシアとの第三次世界大戦にぶつける可能性は大いにありうることだ。

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