日本植民地で、米・中・韓の利害は一致する

『朝鮮日報』の4月27日付に、朴垠柱(パク・ウンジュ)文化部長の「ドイツと日本の態度が違うワケ」と題する、考えさせるコラムが載っている。それは次のようなものだ。

「このような(日独の自国の戦争犯罪に対するき態度が大きく違っていることを 注:兵頭)主張をする人たちは、ドイツと日本の戦後の態度の違いが「被害者の力」によるものだと話す。人類の歴史の中で枚挙にいとまがない虐殺事件の中で、ホロコーストだけが「最悪の犯罪」と認識されているのは、被害者がユダヤ人だからだというわけだ。

(中略)

残念なことだが、人類の歴史の中で、加害者からの同情によって十分な被害の救済が行われたためしはない。国際犯罪の被害者に対する救済は「力の論理」に基づいて行われている。ドイツが反省を「強制」された証拠はあちこちに見られる。反対することのできない反省ムードが形成されることにより、ドイツは「十分に反省する国」という評価を意図せずに得たというわけだ。

もちろん韓国も、植民地支配を清算しようという取り組みを続けてきた。「売国奴」「親日派」という評価は、ほかのどんな評価よりも厳しいものだ。だが、韓国が追い求め、分析し、批判の対象とするのは主に韓国人だった。その中には一時的に親日行為に関与し、後に独立や建国のために身をささげた人もいたが、容赦なく「裏切り者」呼ばわりされ、辱めを受けてきた。

だが、韓国人の手で、侵略戦争に関与した日本の政治家や軍人、知識人を見つけだしたり、その悪行を暴いたりしたという話は最近聞いたことがない。近隣の悪党が我が家を修羅場にしたというのに、その悪党を断罪するのではなく、悪党と親しかった自分の家族を断罪する方に力を入れてきた。

韓国で親日行為の清算を行うことは有意義なことだ。しかし、それが日本の責任を問うことに対する「怠惰」や「責任の放棄」を正当化することはあってはならない。最近の日本による「新たな加害」は、韓国のこれまでの怠惰がもたらした産物だ」
(引用終わり)

人類史の中でホロコーストだけが特筆されて最悪の犯罪とされるのは、被害者ユダヤ人のパワーによるという指摘は新鮮で示唆に富む。

韓国もユダヤ人のように厳しく隣国の暴虐を追及すべきだったのに、それがもっぱら自国民の追及に向かった、という指摘も重く考えさせられるものである。

ただ、昨今の韓国は、ユダヤ人と同じように米国を通じて外国を、韓国の場合は日本をコントロールしようとしているようだ。

同じ『朝鮮日報』の4月26日付が、「「日米は最も重要な同盟ではない」 米国の微妙な変化」」と題して、次のように述べている。

「米国オバマ政権幹部が今年初め「日米関係はもはや全世界で最も重要な同盟関係ではない」と韓国側に語っていたことが25日までに分かった。ソウルの外交筋によると、同幹部は当時、ワシントンを訪れた韓国側関係者に中国が浮上した北東アジアの状況を説明しながら「日米同盟は依然として重要だが、最も重要だとはいえない」と指摘したという。

韓国側関係者によると、米国は当時、日米関係の重要性を認めながらも、アジアは大きく変化しており、最も重要な国は中国だと判断していることを明かしたという。韓米関係に詳しい消息筋は「米国は昨年12月に発足した安倍政権の誤った歴史認識で北東アジアに大きな混乱が起きることを懸念している」と述べた」
(引用終わり)

これまでの日米同盟の比重が変化し、日本の位置が相対的に軽くなってきた、という見方がある。しかしこの見方はいくつかの点で間違っている。

米国にとっては、鳩山政権のような、性急で自爆的な対米自立政権も困るが、安倍政権のような中長期的な対米自立につながる政権も困るのである。

日本におけるナショナリズムの高揚は、やがて対米自立を目指し、いずれ真の独立に向かう。日本の国富をすべて収奪するつもりの米国にとっては、それはもっとも警戒し、防がねばならないものとしてある。

米国が許す日本のナショナリズムとは、対米隷属のナショナリズムにすぎない。このことは、日本の右翼の姿を見れば一目瞭然である。尖閣周辺の中国艦艇には腕をまくるが、米国のオスプレイに対しては思考停止である。

日本のナショナリズムを警戒し阻止するという1点において、米国・中国・韓国の利害は一致するのである。
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ところで、24日までに在米日本大使館を通じ、安倍晋三の発言や閣僚の靖国神社参拝について、米国政府が日本政府に対し非公式に懸念を伝えた。こういう場合、米国は常に東アジア地域の平和と安定のため、という言い方をする。もちろん米国の国益のためにならないと考えているのである。

結局、安倍晋三レベルの政治家では、やれることは決まっている。対米隷属のナショナリズム、対米隷属のTPP参加、対米隷属のエネルギー政策(原発推進による、米国の核兵器の材料となるプルトニウム生産) 、対米隷属の憲法改悪、対米隷属の国防軍創設である。

そのため安倍晋三は、 2015年の核不拡散条約(NPT)再検討会議に向け、スイス・ジュネーブで開かれている第2回準備委員会で、核兵器の非人道性を訴えて、 4月24日に発表された共同声明に署名しなかった。

共同声明は、核が使われると人道上、破滅的な結果を招くとして、「二度と使われないことを保証する唯一の手段は完全な(核)廃絶だ」とする内容だった。75か国が賛同した。

これも、署名しなかった米国に隷属しただけのことである。

日本には安倍晋三に淡い期待を託している人たちがいる。改憲から国防軍の創設し、核兵器を所有することで、日米安保条約を不要にし、その結果として日本の真の独立を勝ち取る、という遠大な構想である。

この構想のスケールは大きく、我が国から米軍が完全に撤退すれば、ロシアが、北方領土4島を全島返還するというものだ。

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