除染とは何か。実はわかっているようで、理解しづらい、これはこの日本の末期症状を象徴する政策なのである。

実は除染を追究すると福島が見える。福島が見えると日本が見える。つまり除染の追究は日本の追究につながり、日本政治の追究につながる。

八王子中央診療所理事長で小児科医の山田真が、『なぜ国は、福島を見捨てているのか』というタイトルで、インタビューに答えている。

山田真は、「福島第一原発事故の前から、過剰なレントゲン撮影やCTスキャンによる医療被曝の問題に取り組み、子どもへの放射能の影響について、警告を行ってきた」医者である。

「そして事故後は、自らが編集代表を務める小児医療の情報誌「ちいさい・おおきい・よわい・つよい」で反原発の声明を発表。また、「子どもたちを放射能から守る全国小児科医ネットワーク」を立ち上げ、6月から福島で健康相談会を実施している」

インタビューの内容は、除染の無意味さをよく暴いてくれている。

インタビューの文字起こしをしてくれたのは野沢倖紘である。長いので数回に分けて紹介するようだ。感謝して一部を引用させていただく。

現在(7月1日) 、3回分が紹介された段階だが、それでも十分に衝撃的な内容を含んでいる。この段階でメルマガに取り上げることにした。残りの分については、その内容を見て、さらに取り上げるかどうかを判断する。

なお、ネット上の表現の引用については、ディスプレイ上の読みやすさを考慮して、兵頭の判断で改行と読点を多くとっている。「編」とあるのは「編集者」のことである。

「山田 驚いたのは、想像していたものと違うという現実があったということです。

最初、福島でネットワーク(子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク)を立ち上げた人たちから、「子どもへの放射能の影響に不安を持っているお母さんたちが、かかりつけのお医者さんに相談しても相手にされないという状況だから、来てくれ」という依頼をされたんですね。

我々は医師として行くわけですから、診察するための道具も持っていったんです。ただ、現実に行ってみたら、ほとんど診察するということはなくて。

福島での健康相談は、結果的にはそれで良かったと思うんですが、つらい状況にいるお母さんたちの話をずっと聞き続けるということになりました。何がつらいかというと、福島では、放射能についての不安をいってはいけないということになっているんですね。

福島というのが、ものがいえないところになっていることに、非常にびっくりして。放射線について話題にすること自体が、もう禁じられているという状況なんですね。

それと、福島の学校給食に、ほとんど福島の食材だけが使われているということにも非常に驚きました。

6月の段階では、東京でさえ、多くの人が食べるものに気を遣って、東北の食材はできれば避けたいと思っている時期だったのに、現地では福島産のものを率先して食べていた。

しかも、お母さんたちがそれはおかしいんじゃないかというと、周りから責められるという状況があるんですね。

そういう話を聞いてから、福島の街の中を歩いてみると、「ああ そういうことなのか」と、戒厳令下にある福島というものを感じましたね。

福島の駅に行っても、新幹線だけでなくて、どのホームもほとんど人がいないんですよ。

新幹線にはたくさんの人が乗っているのに、誰も福島で乗降しない。もう、福島というところが、敬遠された地域になってしまっているんですね。

でも、街の中ではみんなまったく普通に歩いていて、東京では、6月は街中でマスクをしている人は多かったけど、福島ではマスクをしている人もいない。非常に無防備なんですよね。

それは結局、もう福島にいると決めたら、マスクなんかで防げるものはたいしたものではないんだし、放射能なんてどうってことはないと開き直っているということなのか。

あるいは、福島で放射能を怖がるということが風評被害を煽って、福島の評判が悪くなるから、「福島は大丈夫」と振る舞うことを強制されているのか。

そのどちらかだとは思いますが、それが一番印象的なことでした」
(引用終わり)

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こういった福島の状況を知るのは辛いことだ。山田真は事実を事実として突き出す。生の状況を語るときはこの姿勢がもっとも大切だ。特に、ものがいえない環境で、「福島は大丈夫」といわなければ疎外される環境で、報告者までその空気に気を遣ったら、真実は伝わらない。

「福島は大丈夫」という物語に、物語であることを知りながら国民が同調したとき、福島に本当の死が訪れる。知の役割は、戒厳令下に真相の銃眼を構えること。そして真相の言葉の引き金を引くことである。

「編 今福島の中では、みんな子どもたちを守ろうとか、放射能の問題をちゃんと考えていこうとか、そういう空気はあまりないという状況なんですか?

山田 そうですね。だから、子どもは犠牲にされていると思いましたね。ぼくが最初に福島に行ったときは、福島のお母さんたちが東京に出てきて、文科省で子どもの被曝線許容値が年間20ミリシーベルトなんていうのはおかしいと、抗議をしている時期だったんです。

20ミリでいいなんて決めるということは、もう、子どもを見捨てたということですよね。

しかし、福島は大丈夫だろうというためには、極端にいえば、子どもの健康ということには目をつぶらざるを得ない。大変だ、と思わせてはいけないということなんですね」
(引用終わり)

「福島は大丈夫」となぜいわなければならないのか。野田佳彦さえ福島原発事故の「収束宣言」をやらされている。

野田を越える巨大な権力、つまり国際原子力ロビーと日本官僚が、原発の安全物語のために福島県民を見捨て、福島の子供たちを見捨てたのである。

子供はその国の未来であり、希望である。その子供を見捨てたのだから、この国は未来と希望を捨てたのである。

今後、官僚や政治家が何をいっても虚しい。

国旗に敬礼? 君が代を歌え? 君が代斉唱で起立しろ?

子供を棄民した者たちが何をいっても無駄だ。官僚や政治家たちの腹の底にとぐろを巻くものが、金であり、経済効率であり、グローバリズムであることを見透かされてしまった。

少なくとも福島の子供たちは、日々被曝しながら、「福島の子供たちなんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」という東京の権力者たちの声は聞いたのである。

しかしながら、国内のTPP参加賛成の官僚・政治家たちの思想はもっとあさましく、「日本なんてどうなったっていい。自分さえよけりゃ」という思想なのである。

福島の子供棄民以前に、日本の子供棄民が進捗している。

昨年(2012年)5月末に、国際連合のユニセフの研究所が、先進諸国における子どもの貧困について、国際比較の結果を発表した。

日本の子どもの相対的貧困率は、OECD35か国中、9番目に高い貧困率を示した。先進諸国20か国の中では、日本は貧困率が高い方から4番目である。

相対的貧困率とは、具体的には、社会の標準的な所得の、そのまた半分、50%の所得以下しかない世帯をいう。金額で示すとわかりやすいが、1人世帯では年間の手取り所得が125万円、2人世帯では176万円くらいだ。

こう考えると、この基準は厳しすぎ、日本国内の、食べるのがやっと、子供の弁当もままならない、修学旅行の積み立てができない、塾や家庭教師など論外、といった家庭はもっと多く、悲惨な格差社会ができあがっていることがわかる。

子どもの貧困率が高い(最悪な)のは、アメリカ、スペイン、イタリアで、 4番目が日本というわけだ。

アイスランドや、フィンランド、オランダといった北欧諸国に比べると、日本の子どもの貧困率は約3倍の高さになる。

すべての先進諸国の、貧困の子どもたちの総数が3400万人で、 日本の子どもは305万人である。世界3位の経済大国でありながら、先進諸国の貧困の子どもの約10人にひとりが日本の子どもなのである。いかにひどい格差社会が進んでいるかがわかる。現在は、さらに深刻になり、日本の約6人にひとりの子どもが貧困状態にあるといわれる。

福島に話を戻すと、福島では絶望が支配的であり、それが逆に福島安全物語にすがり付く感情を育んでいる。この福島安全物語のために、健康診断は安全再確認のために行われるのであり、原発も、被害はないのだが、念のために止めていることになっている。

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