今回は先週に書いた「原発と軍事(1)」の続きである。この稿を以て「原発と軍事」のテーマは終わる。

この「原発と軍事」のテーマは欧米でも真剣に検討されている喫緊のテーマである。

脱原発を国策として決めているドイツは、飛行機の墜落に対処できない原発から優先的に廃炉にしていく。それに対して英仏のような原発維持が国策の国は、飛行機墜落の可能性は少ないとして、今のところ対処する姿勢を見せていない。

藤岡惇は「軍事攻撃されると原発はどうなるか」のなかで、小倉志郎の論文を引用している。小倉は、福一の建設に際して、原子炉系の機器のエンジニアリングに携わった東芝の原発技術者である。小倉は、『季刊リプレーザ』(第3号、リプレーザ社、2007年夏号)に、山田太郎の筆名で、「原発を並べて自衛戦争はできない」という貴重な論文を書いた。

藤岡が引用した小倉志郎の文章は、次の箇所である。

「まず、一番先に知っておいてほしいことは、原発の設計条件に、武力攻撃を受けても安全でなければならない、などということは入っていないということである。

・・・現在ある商業用原発55基は、いかに発電コストを小さくできるのかという経済性を最優先で設計されているから、武力攻撃を受けた場合、どうなるかは少なくとも設計上はわかっていない・・・。

肝心の原子炉が停止の後に行わねばならない冷却は、武力攻撃を受けた場合にできるのだろうか。・・・(冷却系システムの)多くは、原子炉建屋の外の補機建屋、あるいは屋外にむき出しで置かれているものも多い。

屋外にあるこれらの機器は、小さな通常爆弾でほとんどが破壊されるか、機能停止に至るであろうし、補機建屋などは、危機を風雨から護る目的で、武力攻撃に対する強度などはもっていない。

・・・原子炉建屋内の使用済み核燃料の貯蔵プールはどうなるであろうか。燃料プールは、原子炉建屋の最上階にある。つまり燃料プールの上には、建屋の天井があるのみである。

この天井は、その上に機械を設置しないので、天井自体の重さを支える強度しかない。つまりごく小さな通常爆弾に対しても無防備と言ってよいであろう。・・・

別のほとんど防御不可能な攻撃は、巡航ミサイルによる原発への攻撃である。これはレーダーに検知されない低空で飛んでくるもので、防ぎようがない。・・・

自爆を覚悟すれば、ジェット戦闘機によっても巡航ミサイル的効果を得ることは可能である。仮想敵国の兵士が「自爆」を覚悟するほどの憎しみを日本に対して持つとすれば、こういう攻撃も可能性を否定できない。・・・

最後に、次のことをおぼえておいてください。原発にたいする武力攻撃には、軍事力などでは護れないこと。したがって日本の海岸に並ぶ原発は、仮想敵(国)が引き金を握った核兵器であること。ひとたび原発が武力攻撃を受けたら、日本の土地は永久に人が住めない土地になり、再び人が住めるように戻る可能性はない」
(引用終わり)

この小倉志郎の意見は、具体的に原発の建設に携わった人物の意見であるだけに、危険性の指摘は重要である。

わが国がいかに平和ボケして、欲得の政治家・官僚で亡国に突き落とされているかは、取り組めばコストのかさむ原発製造会社に遠慮して、このテーマに真剣に取り組まないばかりか、逆に、敵の軍事攻撃に無防備な原発を再稼動させ、中東に輸出する姿に露出している。

もっとも、原発再稼働・原発輸出に限らず、消費税増税、TPP参加、原発維持推進などを初めとして、わが国の重要な政策は、「対日改革要望書」、「日米経済調和対話」、「ジャパン・ハンドラーズ」や米国シンクタンクの提言をベースにして作られている。

先進国でありながら米国に国家主権を奪われているのだから、日本以上の植民地、破綻国家はないといえよう。
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さて、原発への軍事攻撃は、何も正規軍によるミサイルなどの攻撃にさらされるだけではない。日本に対して深い敵意を抱いたテロリストの自爆テロによる攻撃もある。その可能性が、今後、強まってくるのは、次の3点による。

1 安倍自民党によって改憲が実現すれば、国防軍が創設される。その実態は、日本の国防軍が米軍の傭兵となることである。世界の紛争地に米軍とともに、あるいは日本の国防軍単独で介入することになる。

当然、介入された民族の恨みを買い、米国やロシア、英国、仏国などのように、日本は自爆テロ攻撃の対象になる。

2 日本のナショナリズムの高揚が、中国・韓国の反発と恨みを買い、暴走して原発への攻撃を生む可能性が強まる。

それはすでに右傾化として顕在化しており、石原慎太郎、野田佳彦らが火をつけた尖閣紛争、それと韓国との竹島紛争、在特会が火をつけたレイシズム(人種差別主義)、橋下徹が火をつけた米軍への日本風俗活用の勧め、あるいは戦争中に軍が女性を性欲処理に活用したのは日本だけではない、といったナショナリズムに対する反発と日本攻撃の芽は、幅広く世界中に蔓延している。

これが複雑な展開の後に暴走して、原発への攻撃を生む可能性が強まる。

3 福島原発が必要とする、毎日3,000人の原発作業員のなかには、山谷の労働者、刑務所の出所者、暴力団関係者などが多数含まれている。

いったん事故が起きれば収束作業員の人集めに暴力団の手を借りなければならないわけだから、原子力エネルギー政策は破綻しているのである。

原発事故収束の現場作業員の人集めを、暴力団に任せることは、軍事的な観点からは無茶苦茶である。何度もわたしがいうように平和ボケした日本は原発を持つ資格に欠けているのである。それは次のような可能性が出てくるからだ。

藤岡惇は書いている。

「事故収束作業員のリクルートが困難となるにしたがい、軍事攻撃を意図した要員が作業員を装い、福一原子炉に接近することが容易となるだろう。

関連して、福一をはじめ日本の原発は、不法侵入者の予知や摘発の仕事を2001年に設立されたイスラエルのテロ摘発を業務とする軍事企業のマグナ(Magna B.S.P)社に委託しているという情報が流れているが、この点の真偽の調査も求められる」
(引用終わり)

原発事故の収束作業員の確保は暴力団に任せ、原発事故の事態収拾では、仏国のアレバ社に支援を要請し、原発へのテロ攻撃に対しては、イスラエルのマグナ社に依頼する。ここに投入される金額を政府は明確にしていない。いったいどれほどの巨額になっていることか、国民は知らされていないのである。

福島原発での現場作業は、固定された3,000人で永久に働くわけではない。被曝線量として年間20ミリシーベルトが決められているために、一定の時期が来ると、現場作業から離れなければならなくなる。

ちなみに現在までの作業関連の死者は、少なく見積もっても800人を超えている。作業員死去の悲惨な真相は、関係大学病院(東北大学医学部や福島県立医科大学、千葉大学医学部)から漏れ始め、一部ネットに流出している。

2012年の3月に、現場から離れた作業員は167名に及ぶ。つまり作業員は絶えず新陳代謝が繰り返されている。

政府は東電任せであり、何の支援措置も執らないでいるが、もし作業員が、勤務条件のあまりの過酷さに職場放棄したら、お手上げの状態になる。

かりに自衛隊に出動命令を下しても、自衛隊には、これは一民間会社である東電が起こした不祥事であるという認識がある。すんなり行動に移るか断言はできない。これは文字通り家族に別れを告げた後の行動になるからだ。

つまり絶えざる人手不足がテロリストの侵入を容易にし、自爆テロ攻撃に結びつく可能性が強まっている。

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