今日は、ドイツ在住の女性反原発活動家 Emi Kiyomizu の、ドイツ新聞『TAZ』の翻訳をご紹介する。

『TAZ』の記者は、福島第1原発で働く労働者の子供に関心をもったらしい。関心といっても、子供が学校で受けている差別についてである。

子供の世界が、純粋で正義感に満ちていると思っている人は、今日限り考えを改めた方がいい。正確にいうと、子供のときから純粋で正義感の強い子と、そうでない子とがいる。

教師に力がないと、教室は不純で暴力の住み処になる。社会の矛盾が露出してくるので、「福島差別」、「放射能差別」も当然噴出してくる。

福島から親に連れられて病院に行き、診察を断られる。これで、もう十分子供は自分の立場を直感的に把握する。情報はその日のうちにメールで、クラスを越えて拡散する。すぐにいじめと排除の対象になった自分を知るのである。

<医者にも診てもらえない>現実は、<付き合ってはいけない子>という規範に繋がる。そこで力のある教師なら、その子の孤立の様子から現実を把握し、すぐに全体の指導にとりかかる。

指導といえば聞こえはいいが、ほとんど差別意識に染まった、そしてその背後に存在する差別する親と社会に向かって、突っ込んでゆくのだ。

力のない教師は、こういうことには、見て見ぬふりをする。そして来年はあの子を持たない、と決めるのだ。世間に<福島に関わらない医者>がいるように、学校にも<福島に関わらない教師>がいるのだ。

親が福島第1原発で働いている、という事実は、もっとも過酷な差別の対象になるだろう。この記事でも出てくるが、「日本国民が東電を憎悪している」なかで、「原発で働くことは社会的にも大きな不名誉である」からだ。子供は格好のターゲットになる。

この一事を以てしても、わたしはこの国が、反(脱)原発に舵を切らねばならないのだと思う。

わたしたちが気付かぬところで、原発は多くの子供の恨みの涙で濡れているのである。

abandoned people

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ドイツ新聞『TAZ』誌。2014年7月11日の記事。

(和訳開始)

福島第1原発事故で働く労働者たちの子供たちは、学校で差別を受けている。

東京電力は、福島第1原発事故で、多くの従業員が退職し、経営状態が危機に陥った。

2011年の福島第1原発事故後、3000人の労働者たちが東京電力を退職したのである。

その大きな理由は、東京電力が従業員の給料を削減したことと、福島第1原発での労働が放射線による健康リスクが高いと、悪い評判が立ったことだ。

以前なら、東京電力の技術者たちや従業員たちは、東電に対し生涯にわたる勤務を誓っていた。日本企業文化の典型的なシステムがあったのである。しかし、福島第1原発事故でこのシステムは変わった。

福島第1原発事故に対して東電は不十分な対応しかしなかったし、その無責任な対応に日本国民は怒った。原発産業に対して日本の国内で批判が起こった。東電は日本国民にとって最大の侮辱になったのである。

原発事故以前は134人の従業員が会社を退職していた。しかし、事故後は 465人が退職し、その後も続いて712人が退職した。その70%が40歳未満だった。

東電は、今年初めて希望退職の計画を作った。1000人の希望退職者を募ったが、応じたのは1151人だった。約35,700がまだ東京電力で勤務している。

福島第1原発事故を起こした東電は、財務状態も悪化している。従業員の給料削減や、汚染水漏れも継続して起きたことから、無能で無責任との会社イメージが定着した。

誰も東京電力で働くことを希望しない。2012年に福島第1原発を退職した吉川明弘さんは、原発で働くことは社会的にも大きな不名誉である、と話した。

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“福島第1原発事故で働く労働者たちの子供は学校で差別を受けている”

福島第1原発で働く労働者たちの多くは、原発事故の被災者であり、避難区域の自宅には帰宅できない状態にある。

かれらは子供たちの放射線健康被害を非常に心配している。

かれらは、原発で働いていることも隠している。

レストランに入ることも拒絶されたこともある。かれらは恐怖のなかで暮らしている。

子供たちは、数十回も学校で差別を受けていると政府の報告書は指摘している。

ロンドンに本拠を置くエネルギー業界で専門の人材派遣会社の支社長ショーン·トラヴァース氏は、日本の原発で勤務する労働者たちは多くの知識と経験をもっており、エネルギー分野で非常に必要とされる人材なので、東電の社員を雇用したい、と希望している。

また、日本は自然エネルギーを拡大する計画だ。政府は補助金を出して自然エネルギー業界を支援している。

太陽熱は、1キロワット当たり政府が32円支払うという。

東京電力の労働者たちはエネルギー部門で非常に優れた知識を持っている。よく訓練もされている魅力的な人材である。エネルギー業界内で必要とされる人材だと、トラバース氏は述べた。

実際、吉川さんには自然エネルギー関連会社からいくつもの採用がきた。東電で稼いだ年俸300万円より良い給料であると話している。

2012年9月以来、東電の管理者たちは30%給料が削減された。

正規の労働者たちも給料の20パーセントが削減された。

東電は、継続的な財政問題を抱えている。

東電のスポークスマン佐々木原氏は、福島第1原発の収支と廃炉のためには熟練した労働者が必要である、と語った。

政府は原発事故後に東電を国民の税金で財政支援した。

それに較べて福島の子供たちは棄民されている。そればかりか政府は原発再稼動も始めようとしている。

原発事故のために近辺に住む数千人の被災者たちは、自分の家を放棄しなければならなかった。これらの被災者たちに、東電は保障をこの先何年もしていかなければならないのである。

東電の状況を考えると、東電の社員たちは、他の仕事を探さねばならない、と東京海洋大学原子力工学の高木直之教授は述べた。

日本の原子力産業は、最盛期には宇宙産業と同様に、膨大な権力と金銭力を持っていた。

東電に2008年に採用された高木教授は、原発事故後、新人の採用も減少し、日本国民が東電を憎悪しているので、今後数年間にわたって人材不足がさらに悪化することになる、と述べている。
( Emi Kiyomizu 訳 和訳終わり)

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