日本は、米国、仏国に続いて、「54基」(世界第3位)もの原発を持つ原発大国である。

わたしはこれまで、日本が中国と戦争することを、54本のダイナマイトを体に巻いて、しかもその1本には火がついた状態で、突撃するようなもの、と表現してきた。

中国との尖閣紛争を念頭に置いた好戦論は、日本を亡国に導くものである。好戦論がさらに高まれば、外国の日本異質論に火を付け、またぞろカミカゼ突撃とヤユされるだろう。

昨今、北朝鮮のミサイル発射について、不思議に北朝鮮の発表が信じられていて、北朝鮮のミサイル発射がアナウンスされるたびに、あちこちに迎撃ミサイルを動かし、さも迎撃できるかのようなパフォーマンスを繰り返す。

こんな余裕があるのなら、同時に訓練をかねて、原発周辺に配置したら少しは意味があろう。しかし、それは原発安全神話に抵触するので、できないのだ。

こんな国は原発をもつ資格はないといわねばならない。経済効率一辺倒から生まれた幻想の安全神話が、国防を歪め、国民の生命と財産を危機に陥れている。

無防備な海岸沿いに54基もの原発を立てるとき、軍事上の観点から誰か意見をいったのか。こんな平和ぼけした国は、原発をもつ資格などないのである。日本を攻撃する国は、海岸線の54基の原発を狙うことは確実である。

ところで、事実は小説より奇なり、というが、ダイナマイトを体に縛り付けるどころか、実は知らぬところで、ネズミ1匹で始末がつけられる脆弱な国家に日本はなっていた。

こんなわたしの問題意識に重なる論文を発見した。立命館大学教師の藤岡惇が「軍事攻撃されると原発はどうなるか」という論文を書いている。

「2001年9月11日の同時多発テロ事件は、多くの謎を残す奇怪な事件であったが、少なくとも、つぎのことを明らかにした。すなわち民間飛行機をハイジャックして、軍事目標につっこむならば、民間機は「ミサイル」に変えることができるということだ。

ハイジャック犯の乗っ取った「即席ミサイル」がニューヨーク市北郊のインディアンポイント原子力発電所に突っ込んでいたとしたら、世界貿易センタービル崩壊時の何百倍、何千倍もの被害が生まれたことだろう」
(引用終わり)

藤岡の論文は、ただの学者の論文ではない。十分思想的な評論になっている。大学にもまだこういった人物が残っている、と思わせる思想的な評論なので、ここに紹介を兼ねてわたしの考えを述べることにする。

藤岡は立命館大学経済学部教授である。立命には元総長の末川博の方針もあって、優れた教師を多く集めている。この論文を読む限り、藤岡惇もそのひとりなのかもしれない。

まず藤岡は原発を「ゆっくりと爆発する原爆」として、その狂気の現実を次のように描写するところから始める。

「1基の標準的な原子炉は、どれだけの核分裂生成物(死の灰)を生み出すのか。補修や点検があるため、年間9か月しか動かさないと仮定すると、このタイプの原子炉を1年間動かせば、広島型原爆を1千発、10年間動かせば1万発、20年間動かせば2万発を爆発させたに等しい「死の灰」が出てくるだろう。

2010年1月現在、世界で稼働中の原子炉は437基だったが、そのうち54基が日本国内で動いていた。日本の原子炉の平均発電容量は89.3万キロワット、平均の稼働期間は20年を超えているのだから、広島型原爆100万発以上を爆発させたに等しい量の「死の灰」(放射能の減衰までに数百年かかるものも多い)が、日本で生み出されてきたことになる」
(引用終わり)

藤岡は原子炉の2つのアキレス腱を指摘する。

1 外部電源装置

2 各原子炉付属の6つの使用済み核燃料プールと1つの共用プール

藤岡は「外部電源装置も7つの核燃料プールも、ともに圧力容器・格納容器の外側にあるため、軍事攻撃は難しくない」とする。

ここは、本来は「3 」として建屋内の無数の配管と電気コード類をあげるべきところだ。

ミサイルが打ち込まれて数百本の配管と電気コードが破壊されただけで、日本の亡国は始まる。

もっとも中東でのイスラエルや米国による核施設の破壊を見ると、高性能爆弾を使えば原子炉本体も破壊できることは確かだ。
ブログランキング・にほんブログ村へ
藤岡は「原発が軍事反撃の絶好の標的となるのはなぜか」と問い、次のように述べる。

「新型戦争システムの現下の最大の弱点は、核施設、とくに原発だというのが、衆目の一致する認識となっている。米軍に抵抗する側にすれば、核施設の狙い撃ちこそが、もっとも容易で有効な反撃策だと考えるだろう。

新型戦争に米国が注力すればするほど、米国とその同盟国の核施設を狙うことで、反撃しようとする動きが強まることは避けられない」
(引用終わり)

さて、憲法は日本のハレ(晴れ)で、ここで日本は独立を装っている。

日本のケ(褻)が、日米地位協定や「ジャパン・ハンドラーズ」、それに米国のシンクタンクの提言・要求などである。これが日本の実態を植民地としている。

したがって対米隷属の安倍晋三は、ハレ(晴れ)の憲法を変えることはしても、ケ(褻)を変えることはしないのだ。

知られているように日本の原子力政策は、このケ(褻)の米国の指示に基づいて行われている。

だから原発維持・推進は、対米隷属の自民党としては、やめたくてもやめられないのである。

つまり現在の原発維持・推進政策を続けるかぎり、日本は米国から高価な兵器を購入し続けなければならない。真に米国と対等な関係を築ける政権と首相を持たねば、戦争即亡国の負の連鎖から、日本は抜け出せないのである。

続いて藤岡は「なぜイスラエルやヨルダンでは原発の建設に積極的ではないのか」という問題意識のもとに、次のように述べる。

「中東諸国のなかでイスラエルとヨルダンには油田が乏しいために、両国ともエネルギーの確保に苦労してきた。とくにイスラエルは、百発以上の核兵器、地上発射の核ミサイル、核ミサイル搭載の潜水艦と爆撃機という3本柱の核運搬手段をもつ「核大国」であり、高度な核能力をもちながら、発電用原子炉を1基も建設・稼働させずにきた。

それはなぜか。地上に原子炉を建設すれば、軍事攻撃の絶好のターゲットとなることをイスラエル支配層が自覚していること、地下深くに原発を作ったとしても、軍事攻撃される悪夢を払えないし、コストアップとなると考えているからであろう。

これにたいして中東の親米国のヨルダンのばあい、首都アンマン近郊に原発を建設するとし、2014年初めに加圧水型原子炉の建設契約を結び、2020年に稼働開始という計画であった。原子炉の受注をめぐっては三菱重工とフランスのアレバ社の合弁企業と、ロシアの企業が競っていた。

しかし2011年の「アラブの春」運動が軍事的騒乱に発展するにいたると、2012年5月13日にヨルダンの原子力委員長が「原発発注を3-4年延期することもありうる」と言明した。隣国シリアの内戦が激化すると、爆弾テロが波及し、原発が標的となることを懸念したからだと解説されている」
(引用終わり)

イスラエル、ヨルダンの動きをみると、原発が軍事と密接に絡んでいることがわかる。日本のように54基もの原発を経済効率一辺倒で建設したりしない。9.11以前は原発敷地内へ入ることも、守衛の許可で済んでいた日本の平和ボケぶりとは大違いである。

ブログランキング・にほんブログ村へ
この続きは、 有料メルマガ『兵頭正俊の優しさ出前』 でご覧いただけます。

2011年10月1日より「兵頭正俊の優しさ出前」(月額:840円(税込)/配信サイト:まぐまぐ)を配信しております。

月・水・金・それに号外と発行しております。

「記者クラブ」メディアの情報操作と国民洗脳を対象化し、あなたを現在とは違うステージに招待します。

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

価格以上の価値があると自信があります。ぜひ購読のご検討をお願い申し上げる次第です。

なお、別に無料メルマガ『兵頭正俊の知らなきゃ滅ぶニュースの真相』PC用 携帯用 を2011年8月29日より、「まぐまぐ」から配信しております。

無料で、ほぼ週刊です。

携帯の送受信の制限を考慮して、分割して送信するように改善しました。

ご登録をよろしくお願いします。
ブログランキング・にほんブログ村へ