この国が激しく壊れ始めたのは、自民党長期政権の末期からである。亡国の先陣を切ったのが小泉純一郎だった。

市場経済原理主義の本質は弱肉強食である。これをそのままわが国で実施したのが小泉純一郎である。

かれは、年収200万以下の人が、1000万人余を占める、超格差社会の基礎を作った。

国民の貧富には偶然も運も左右する。したがって富の配分に人間の崇高が反映される。その哲学が小泉純一郎にはない。

かつて「口先男」の異名をとった小泉純一郎が、またぞろ「口先脱原発」を繰り返している。それを御用メディアがさかんに採り上げている。

そのときに際立つ特徴は、小泉純一郎の「脱原発」が本物であって、信じていい、と強調していることだ。

しきりに小泉が財界とぶつかっていることを強調する。いかにも本物らしさを御用メディアが強調する。

小泉は日本を壊し、米国に売った元凶である。すぐ忘れ、次々にワンフレーズにだまされるのを、わたしたちは卒業しないといけない。

支配層は、原発推進と脱原発の両方にいるから気をつけねばならない。

原発推進の本隊は、財界・「自・公・民」の政治勢力、学界・メディアの原子力村だ。その村から脱原発の陣営にトロイの馬が入ってきた。それが小泉純一郎である。ターゲットは、郵政民営化と同じB層であり、御用メディアがしきりに小泉を応援し始めた。

小泉純一郎は、一国の政治指導者としては不適格な、国民としては最大限の警戒を払わなくてはならない虚無的で冷酷な政治家のひとりである。

今回の小泉の「脱原発」には、過去の郵政民営化と同じ手法がとられている。小泉は自民党内に「守旧派」という悪役をでっち上げ、おのれの売国政治に利用した。

「改革をやらないというなら自民党をぶっ潰す」と大声でパフォーマンスを繰り返した。

その「守旧派」が、今回の場合、「原発推進派」なのである。

急に小泉純一郎の「脱原発」を御用メディアが採り上げるのもおかしい。小沢一郎の脱原発などは真面目なものだが、御用メディアがまともに採り上げたのを見たことがない。

小泉が、中曽根康弘とともに「脱原発依存」を主張し始めたのは、福島第1原発事故が起きた数か月後である。

つまり原発事故に慌てて、2011年の秋には「脱原発依存」に豹変している。

「原発推進」の加害者の、この変わり身の早さは、その「脱原発」が保身のためのものであることを暗示している。

民主党の原口元総務相は、福島第1原発の重要な安全装置(これがあれば原発事故は起こらなかった)を、小泉政権が撤去していた、と証言している。

原口によると、原発は安全であり、事故は絶対に起きないという小泉政権の方針により、すべて撤去・廃棄されていたことが、今回の福島惨事の決定的な要因になったというのである。

小泉純一郎の売国政治のひどさは、かれが政権を去った後、米国の要人が「日本は壊れてしまった」とつぶやいたほどのものだった。

小泉純一郎はイラク戦争に加担しても何の総括もしなければ、責任もとらなかった。小泉「改革」で、国民に塗炭の苦しみを与えながら、小泉は何の責任をとらなかったのである。

小泉政治のそのあまりのひどさが、民主党への政権交代をもたらしたのである。しかし、小泉純一郎は、失政を福島第1原発事故という形で、政権交代後にまで負の影響を与え続けたというのが、わたしの見方である。

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日本民族のダメなところは、すぐに忘れることだ。忘れてはならない小泉政権の負の遺産は他にもある。

小泉が、米国と弁護士業界のために、離婚しやすい独居老人社会を作った。その後、係争社会の繁栄のために離婚させられ、別れさせられた両親の面倒を、子供たちはみていない。

寂しい晩年を迎える孤老の現実には、以前なら最後まで寄り添ったであろう夫婦が、法によって離婚させられたという事例が多い。

まだある。

小泉政権の2004年に「100年安心年金プラン」と称して、(1)100年後も現役の平均手取り収入の50%の年金給付、(2)負担に歯止め、のアメをちらつかせて、年金を65歳支給に延ばしたのもこの男である。

今では「100年安心」どころか、厚生年金の支給開始年齢を68~70歳に延ばす案が現実味を帯びている。「年金なんて何歳になってももらえない!」、「もらう前に死ぬ人も出てくる!」、「小泉のときに65歳に引き上げたばかりじゃないか!」というのが国民の偽らざる気持ちだ。

まだある。

米国の年次改革要望書にそった小泉司法「改革」の失敗も露わになっている。小泉「改革」以前は、努力すれば貧乏でも法曹人になれた。今では、そもそも入り口の段階で金持ちしか法曹人を目指せず、試験に合格したところで職もない。

福島第1原発事故が起きた2011年には、司法試験に合格して、司法研修所を卒業したのに弁護士会に登録しなかった人が、過去最多のおよそ400人に上った。全体の20%である。

ACTAも、米国の要請にそって、小泉政権時代に日本で考えられたものである。ACTAは、人権や表現の自由を、ISPに監視させる悪質さを持っている。これもあっさりと法律となり、ネットに監視の目を光らせている。

日本人はすぐ忘れる。小泉改革で、どれほど痛めつけられたか。橋下徹の「維新八策」は、その小泉新自由主義の完全な復活である。

橋下徹の「維新八策」は、(1)対米隷属と、(2)官僚隷属、それに(3)小泉・竹中政策の復活、を本質としていた。

橋下が考えたものは、米国と財務省を喜ばせる政策のオンパレードだった。小泉よりも、さらに荒っぽく、さらに無慈悲に、弱肉強食が実践されることになる。しかし、小沢一郎潰しの御用メディア戦略のために、少なからぬ国民がかれを支持して、国会に足がかりを与えてしまった。

ところで、次の『読売新聞』 (10月8日付)の社説「小泉元首相発言 「原発ゼロ」掲げる見識を疑う」も、小泉提灯記事の変種である。小泉を批判しているかのように見せかけて、話題を盛り上げているのにすぎない。

小泉純一郎の記事には、共通性がある。財界とぶつかっているし、安倍晋三は困っているし、と小泉の脱原発が本物であることを強調する記事が多い。

しかし、自民党からも財界からも批判の声がまったく出てこない。脱原発の活動家との接点もない。それなのに、騒がれ方は尋常ではない。

さらに小泉純一郎の本気度を信じさせるために、御用メディアからの小泉批判が出てきた。

とりあえず『読売新聞』を見てみよう。

「首相経験者として、見識を欠く発言である。原子力政策をこれ以上混乱させてはならない。

小泉元首相が講演で、「原子力発電に依存しない、自然を資源にした循環型社会」の実現を唱え、政府に対し、「原発ゼロ」の方針を掲げるよう求めた。東日本大震災を機に自らの考えを変えたという。

小泉氏の発言は、政府・自民党の方針と異なる。政界を引退したとはいえ、看過できない。

安倍首相は、安全性が確認された原発は再稼働させ、民主党政権の「原発ゼロ」路線を見直す意向だ。自民党も原発再稼働の推進を選挙公約に盛り込んだ。

小泉氏は原発の代替策について「知恵ある人が必ず出してくれる」と語るが、あまりに楽観的であり、無責任に過ぎよう。

現在、火力発電で原発を代替している結果、燃料の輸入費が増え、電気料金は上昇を続けている。このままでは、家計や経済活動に与える影響が大きい。

火力発電は、二酸化炭素(CO2)を多く排出し、地球温暖化が進む大きな要因である。

太陽光や風力を利用した再生可能エネルギーは、天候に左右されるなど弱点があり、主要電源になる展望は見えていない。原子力、火力を主力にバランスの取れた電源構成を目指す必要がある。

「原発ゼロ」が政策になれば、福島第一原発の廃炉などに必要な技術者も確保できまい。

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