汚染水事故が続いている。

福島第1原子力発電所で、淡水化装置のホースを作業員が誤って外した。これで、作業員6人が汚染水に触れて被曝し、汚染水が約7トン漏れ出た。

作業ミスはすべて初歩的なミス。このレベルが、11月から始まる福島第1原発4号機共用プールの、1535体の燃料集合体の取り出しを始める。

安倍晋三は相変わらず東電の後ろに隠れたままだ。

東電のタンクからは、高濃度の放射性物質を含む汚染水300トン余りが漏れたばかりである。

その漏れた場所の近くに掘った観測用の井戸の地下水から、ストロンチウムなどの放射性物質が高い値で検出された。

つまり漏れた汚染水は海に流れたばかりではなく、地下に染み込んで地下水を汚染した可能性が高い。こんな調子で福島第1原発については、次々と新たな問題が起きてくる。とてもオリンピックどころではないのである。

その2020年オリンピック開催都市が、IOC総会で、イスタンブール、東京、マドリードの順にプレゼンを実施して、東京と決まった。

IOC総会では、ブエノスアイレスのホテルで、東京招致委員会が国内外向けに記者会見を開いた。そこでは福島原発の汚染水漏れ問題への懸念が相次いだ。会見で出た質問6問中4問が汚染水絡みだった。

竹田恒和理事長(日本オリンピック委員会会長)は「東京の放射線レベルは世界の他の都市と同じでまったく問題ない」、「最後のプレゼンテーションで、安倍総理大臣がこの問題について語ると思うし、安心していただける」の一点張りで切り抜けようとした。

これが逆効果で、記者会見後にある外国特派員は「(この記者会見での竹田の答え方は)壊滅的」と評した。これはどういうことかというと、わが国の要人は日ごろから日本の御用メディアに接している。そこでは黒を白といっても追及されることはなく、そのまま報道してくれる。

日本のマスメディア自体が既得権益の最大の享受者である。その権益を守るためには消費税増税に賛成して、その見返りにメディアへの減税を要求するような劣悪な存在である。

しかし世界のメディアは違っていた。

トヨタ自動車名誉会長の張富士夫評議委員(日本体育協会会長)が、「東京五輪はビジネスチャンスになる」、「東京でオリンピックが開催されれば、大会スポンサーに日本企業が殺到することは間違いない」と述べたことも、ロイター通信は、「招致の失敗につながりかねない汚染水問題から目をそらすために、経済力を強調した」と切り捨てた。

「多くの質問が繰り返されたのに、竹田理事長は詳細を明かすことを拒んだ」(英国を拠点とする五輪専門メディア『インサイド・ザ・ゲームズ』)

「東京は安全性を強調するばかりで、この問題に正面から答えていない。これは深刻な問題で、もっと真剣に考えるべきだ」(イギリスのインターネットメディア)

「会見の答えには満足できない。この質問はこれからも聞かれ続けるだろう」(米国の通信社)

これが本当のジャーナリズムなのだ。しかし、日ごろから日本の劣悪な御用メディアに接しているので、日本の支配層は対応できないのである。

日ごろからツイッターやフェイスブックなどで、脱原発のために精力的に情報発信を繰り返しているドイツ在住の Emi Kiyomizu は、9月5日のフェイスブックで、「ドイツテレビの日本でのオリンピック開催をテレビで宣伝していることについての批判!」と題して、次のように投稿している。以下は Emi Kiyomizu の紹介するドイツテレビの司会者の発言である。

「福島第1原発から4時間で死亡する高放射線が流出されているのに、日本のテレビはオリンピックの宣伝がされている。

東電は事故後から放射腺の流出が分かっていたのに、何も準備をしなく、遮水壁も節約する為に作らなかった。国民も福島第1原発事故の事は忘れたようで普通の生活をしている! 安倍首相は2020年には放射腺が無くなっているから心配は無いと発言した! まるで夢のような事を言ったのである!」

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オリンピック開催は、世界の良識と、日本の利権層(とくに原子力村)の嘘との、対決になっている。

東京は安全だ、と世界を騙してまで利権にしがみつく。2020年オリンピックまでに汚染水問題を解決する、と不可能なことを約束してまで利権が欲しい。

ルソーは『エミール』のなかで「嘘には二種類ある。過去に関する事実上の嘘と、未来に関する権利上の嘘である」と書いた。

安倍晋三はこのふたつにまたがって嘘をついている。ひとつは、東京は安全だという過去に関する事実上の嘘であり、2020年には汚染水問題は解決しているという、未来に関する権利上の嘘である。

日本の劣化した政治は、次々と不安要因を世界に拡散する。福島第1原発事故で自国民の棄民政策をやるかと思えば、今度は東京オリンピックで世界を被曝に巻き込む。

まだある。これからわが国は、外交・安全保障の司令塔となる国家安全保障会議(日本版NSC)を設置し、さらに「特定秘密保護法案」で警察国家に移る。

解釈改憲で集団的自衛権を認め、日米の新ガイドライン設置に向かう。文字通り、米国の傭兵として世界の紛争地に自衛隊を送り出す。放射能汚染ばかりか、政治的軍事的な世界の棄民政策に乗り出す。

『真実を探すブログ』が、「政府が世界版SPEEDI(WSPEEDI)で作成した放射能汚染地図」を紹介してくれている。これは「各地の測定データとも一致しており、何よりも「政府が作成した」ということで、これが最低ラインの汚染であることを確認」できるとしている。

この汚染状態を見て、東京は安全といえるだろうか。

http://bit.ly/163H1Z6

それ以外にも、これまで来日して東京を独自に調査してきた世界の学者たちの、放射能汚染地図がある。それらの学者たちからも、これから厳しい批判が出るだろう。IOCに対する責任問題も追及されるだろう。

欧米を中心に世界中のメディアに取り上げられることで、これまで東京の放射能汚染に無関心で観光旅行に来ていた人たちも、もう来なくなるだろう。観光客の激減に結びつく可能性が高い。

知られているようにすでに世界各国の税関で日本人は、とりわけ福島県人は厳しい検査の対象になっている。

最悪の問題は、安倍晋三が2020年までの汚染水の解決を国際公約としてしまったことである。

本人は、7年後には総理を辞めているから、と高をくくっているだろうが、劣悪な日本のマスメディア、それに政治的民度の低い日本国民と、世界のジャーナリズム、世界の政治とでは、責任の問い方、取り方が違っている。

世界は福島原発の汚染水問題と日本政府の取り組みをどのように見ているのか。それをルモンド紙の9月3日付けに見てみよう。

「福島事故を収拾できない日本政府、自滅する東京電力~「嘘をつく東電」から「無能の東電」へ

東京電力は目に見えて社会の信用を失い続けており、福島原発で次々と発生する不祥事のために衰退の一途をたどっている。

参議院選挙が終わった翌日の7月22日、東京電力は福島原発事故の発生以降2年以上にわたる否認の末に、一日300トンもの放射性汚染水が太平洋へと流出している事実を認めた。

以来、壊れた原発で起きている新たな不祥事が報告されない日は一日も無い。

8月31日、東電は汚染水貯蔵庫の近くで高い放射線量が確認されたことを認めた。それは10日前に測定された値の18倍に上る高い数値で、4時間でその場に居合わせた人全てを殺すのに十分なレベルに至っていた。

わたしには、安倍晋三の幼稚な嘘の政治で、世界がだませるとはとても思えないのだが、安倍は、今日だませたら、世界も明日は忘れている、と思っているらしい。つまり劣悪な国内政治をそのまま世界に拡大しているのだが、その嘘が、具体的現実的な被害を世界に与えだしたとき、果たして世界は許してくれるのだろうか。

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