◆このページの目次◆
1 ノーベル平和賞と犬HK
安倍晋三が現在やっていることは、戦時中の日本がやったことと限りなく似ている。
無謀で急速な戦線の拡大。
そしてそれがすべて失敗しての、日本の歴史上、最大の敗戦の受け入れ。
原発はすでに低く見積もっても40兆円もの国税を福島第1原発に投入している。
これは、税金と電気代に転嫁されている。
国民ひとり当たり32万円にも上る。
見てくれの景気を装うための官製相場は、すでに引き返せぬ地獄の様相を呈している。
東京シロアリンピックとシロアリニア新幹線は愚者のレガシーだと語ってきたが、リニア問題もまずは不正という形でその問題点が明らかにされつつある。
だが、地検が政治家にまで手を伸ばすことはあるまい。
せいぜい、女性票を失う疫病神になりはじめた官邸お抱えレイピスト山口敬之を、捕まえて幕引きにするのではないか。
安倍晋三や麻生太郎にまで司直の手が伸びることはあるまい。
そんななか、今年のノーベル平和賞にICAN運動が選ばれ、広島の被爆者であるサーロー節子が授賞式でスピーチを行った。
このスピーチに対して、犬HKは7時のニュース、9時のニュースと黙殺で応えた。
米国人の南部陽一郎や中村修二、それに英国人のカズオ・イシグロを、日本人受賞者扱いにして、「日本スゲー系」に躍起になっていた犬HKが、平和賞のサーロー節子は冷ややかに無視した。
いかにも受信料を取る、安倍さまの犬HKらしいやり方だ。
国民が、平和に覚醒し、核兵器廃絶などに目覚めてはならないのだ。
愚民化の達成のためには、ノーベル平和賞受賞など国民に知らせないこと、考えさせないことが重要なのである。
ネット上には、たとえばアルゴスのような「これからNHKに対して訴訟を起こす時には、それなりに細かなデータを集めるべきですね。
あのサーロー節子氏の演説は歴史に残る演説でしょう。
それをあえて無視したことは、国民の知る権利を大きく阻害した暴挙ですね。
こうした事実を一つ一つ記録して、受信料強制は違憲だと訴えましょう」といった犬HK批判が溢れた。
それを気にしたのか、あわてて、しかしガス抜き程度に、クロ現やBSの国際報道では放送したらしいが、本気で取り上げる姿勢ではなかったようだ。
「橋の上のルル」の「NHK7時9時と完全無視後、報ステでサーロー節子さんの授賞式報道にふれられ、やっと少し息がつけた。
でなければ何も伝えぬ暗愚のメディアに相撲村に押し込まれ窒息寸前だった。
長い習慣でつい夜ニュースで一日終えた感を得ようとしてしまうけど、今は観るほどに世界から切り離される恐怖が募る」というツイートが、共感とともに重いトゲとなって突き刺さる。
わたしのなかでは「地上波の情報」というジャンルができつつある。
地上波のテレビ・新聞は何をいっているのか。
実は新聞はとっていないし、テレビも見ていない。
関心があるのはどうなっているのか、ぐらいだ。
それをネットで知る。
日本における地上波は、正確にいうと政権が国民をどうしようとしているかを知るためのツールである。
一部の地方紙を除いて、けっして事実や真実を知るためのツールではない。
サーロー節子の2017年ノーベル平和賞記念講演を読んで見よう。
2 サーロー節子のスピーチ
私たちは、被害者であることに甘んじていられません。
私たちは、世界が大爆発して終わることも、緩慢に毒に侵されていくことも受け入れません。
私たちは、大国と呼ばれる国々が私たちを核の夕暮れからさらに核の深夜へと無謀にも導いていこうとする中で、恐れの中でただ無為に座していることを拒みます。
私たちは立ち上がったのです。
私たちは、私たちが生きる物語を語り始めました。
核兵器と人類は共存できない、と。今日、私は皆さんに、この会場において、広島と長崎で非業の死を遂げた全ての人々の存在を感じていただきたいと思います。
皆さんに、私たちの上に、そして私たちのまわりに、25万人の魂の大きな固まりを感じ取っていただきたいと思います。
その一人ひとりには名前がありました。
一人ひとりが、誰かに愛されていました。
彼らの死を無駄にしてはなりません。米国が最初の核兵器を私の暮らす広島の街に落としたとき、私は13歳でした。
私はその朝のことを覚えています。
8時15分、私は目をくらます青白い閃光(せんこう)を見ました。
私は、宙に浮く感じがしたのを覚えています。
静寂と暗闇の中で意識が戻ったとき、私は、自分が壊れた建物の下で身動きがとれなくなっていることに気がつきました。
私は死に直面していることがわかりました。
私の同級生たちが「お母さん、助けて。
神様、助けてください」と、かすれる声で叫んでいるのが聞こえ始めました。そのとき突然、私の左肩を触る手があることに気がつきました。
その人は「あきらめるな! (がれきを)押し続けろ! 蹴り続けろ! あなたを助けてあげるから。
あの隙間から光が入ってくるのが見えるだろう? そこに向かって、なるべく早く、はって行きなさい」と言うのです。
私がそこからはい出てみると、崩壊した建物は燃えていました。
その建物の中にいた私の同級生のほとんどは、生きたまま焼き殺されていきました。
私の周囲全体にはひどい、想像を超えた廃虚がありました。幽霊のような姿の人たちが、足を引きずりながら行列をなして歩いていきました。
恐ろしいまでに傷ついた人々は、血を流し、やけどを負い、黒こげになり、膨れあがっていました。
体の一部を失った人たち。
肉や皮が体から垂れ下がっている人たち。
飛び出た眼球を手に持っている人たち。
おなかが裂けて開き、腸が飛び出て垂れ下がっている人たち。
人体の焼ける悪臭が、そこら中に蔓延(まんえん)していました。このように、一発の爆弾で私が愛した街は完全に破壊されました。
住民のほとんどは一般市民でしたが、彼らは燃えて灰と化し、蒸発し、黒こげの炭となりました。
その中には、私の家族や、351人の同級生もいました。
その後、数週間、数カ月、数年にわたり、何千人もの人たちが、放射線の遅発的な影響によって、次々と不可解な形で亡くなっていきました。
今日なお、放射線は被爆者たちの命を奪っています。広島について思い出すとき、私の頭に最初に浮かぶのは4歳のおい、英治です。
彼の小さな体は、何者か判別もできない溶けた肉の塊に変わってしまいました。
彼はかすれた声で水を求め続けていましたが、息を引き取り、苦しみから解放されました。
私にとって彼は、世界で今まさに核兵器によって脅されているすべての罪のない子どもたちを代表しています。(サーロー節子の2017年ノーベル平和賞記念講演)
「私たちは立ち上がったのです。
私たちは、私たちが生きる物語を語り始めました。
核兵器と人類は共存できない、と」。
核兵器は、通常兵器と違って、思考を奪ってしまう。
この戦争は間違っていた、やめようという思考を。
それは数百発、数千発のミサイルが同時に発射される。数発発射して、様子を見ることはない。相手方から数千発のミサイルが向かってきているのだから。それは、後悔もやり直しもきかず、地球が破滅する戦争だ。
「その一人ひとりには名前がありました。
一人ひとりが、誰かに愛されていました。
彼らの死を無駄にしてはなりません」。
これが、現在、忘れ去られているのだ。
ひとりの人間を銃殺できない人間が、何十万の人間をスイッチを押すことで殺してしまうのが、核戦争の恐ろしさである。
原爆が広島に落とされ、サーロー節子は壊れた建物の下で「突然、私の左肩を触る手があることに気がつきました。
その人は「あきらめるな! (がれきを)押し続けろ! 蹴り続けろ! あなたを助けてあげるから。
あの隙間から光が入ってくるのが見えるだろう? そこに向かって、なるべく早く、はって行きなさい」という。
この声は幻覚だったのだろうか。
それとも神の声だったのだろうか。
その声にしたがって地上に出ると、「幽霊のような姿の人たちが、足を引きずりながら行列をなして歩いていきました。
恐ろしいまでに傷ついた人々は、血を流し、やけどを負い、黒こげになり、膨れあがっていました。
体の一部を失った人たち。
肉や皮が体から垂れ下がっている人たち。
飛び出た眼球を手に持っている人たち。
おなかが裂けて開き、腸が飛び出て垂れ下がっている人たち。
人体の焼ける悪臭が、そこら中に蔓延(まんえん)していました」。
ここまでは想像力が及ぶ。
大切なのは、その後の彼女のことばだ。
「その後、数週間、数カ月、数年にわたり、何千人もの人たちが、放射線の遅発的な影響によって、次々と不可解な形で亡くなっていきました。
今日なお、放射線は被爆者たちの命を奪っています」。
広島、長崎で、まだ戦争は続いているのだ。
原爆は投下されて70年経っても、なお被爆者の命を奪い続けているのである。
これが厳然たる事実であり、肉体への汚染であることが恐ろしいのだ。
精神の痛手だけだったら、いつか傷も癒えるかもしれない。
しかし、核兵器は生き残った者の肉体を死ぬまで冒し続けるのである。
だから心の傷も癒えないのだ。
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