8月30日、新潟の泉田裕彦知事が、10月投開票の4選出馬を撤回した。

izumida

かれが日本の脱原発に与えた影響と功績は大きかった。

柏崎刈羽と福島原発に免震重要棟を作らせたのも、泉田裕彦知事である。福島第1原発破壊の8か月前のことだった。そのお陰で、福島第1原発が破壊されたとき、職員は免震重要棟に避難し、全員退避しなくてすんだのである。これは決定的な功績である。

東電が目指している柏崎刈羽原発6、7号機の再稼働について、泉田裕彦は「東電福島第1原発事故を検証しない限り、再稼働については議論しない」と県民を守る姿勢を示してきた。その分、安倍政権の、知事降ろしの攻撃も激しかったと思われる。

安倍晋三としては、票田の土建業をうるおすリニア新幹線のために、新潟の原発を何としてでも再稼動したい。また、鹿児島の脱原発知事の誕生にも、危機感を深めたと思われる。どうしても泉田裕彦知事を潰さなくてはならなかった。

最大の盾を失って、世界最大規模の柏崎刈羽再稼働が現実化するかもしれない。残念でならない。

2016年8月30日の、泉田のツイートはこうだった。

秋の新潟県知事選挙から撤退します。
事実に反する新潟日報社の報道が続きました。再三の申し入れにもかかわらず、訂正や説明はいただけませんでした。このような環境では、十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しいと考えています

『新潟日報』の悪意ある報道姿勢が、新潟県知事選撤退の理由にされている。

わたしはこれまで、日本国民の不幸の元凶はメディアにあるとしてきた。それがここでも証明された形だ。

これまで安倍政権のメディア政策を担ってきた世耕弘成が、安倍改造内閣で8月3日に経済産業大臣になった直後の、泉田裕彦の知事選撤退である。非常に気になるところだ。

泉田裕彦の「いずみだ裕彦後援会」のホームページには、「この秋の新潟県知事選挙からの撤退について」とあって、次のように撤退の理由が語られている。

「こういった中、今回の選挙は政策論と関係ない動きが続いていると感じています。特に、日本海横断航路に関する一連の新潟日報の報道は、憶測記事や事実に反する報道が続きました。再三の申し入れにもかかわらず、訂正や説明もなく、最近まで県から申し入れがあった事実も報道してもらえませんでした。また、読者からの説明を求める投書に対する回答を一両日でお返ししたにもかかわらず、県からの回答が現在に至っても掲載されません。

このため、県が組織的に虚偽答弁をしているのではないか等の誤った印象が形成されているように思います。県庁内においては、憶測記事や事実に反する記事への対応のため、通常業務に支障が出ていますし、職員の残業時間も大幅に増加しています」(「この秋の新潟県知事選挙からの撤退について」)

「特に、日本海横断航路に関する一連の新潟日報の報道」とあるが、これについては、簡にして要を得たこんなツイートがあった。

「Fire丸山@キャンプ行きたい

新潟県が韓国にフェリーを発注完成した
船が設計速度の半分しか出なかった
フェリーの受け取りを拒否
韓国が逆切れ損害賠償請求
新潟日報が知事のせいにして非難報道
知事が事実関係を新潟日報に説明するも無視
任期満了の知事選出馬を断念 ←今ココ

だから韓国には関わるなとアレほど…」

新潟県が韓国にフェリーを発注したところ、船が設計速度の半分しか出なかった。こんな無茶苦茶な話は聞いたことがない。騒ぎを起こすための意図的な造船だったとされても仕方がないだろう。そこで、当然、新潟県としてはフェリーの受け取りを拒否する。性能が半分しかないのだから。そこで韓国側が、損害賠償を請求する。それを『新潟日報』が知事が悪いとして叩く。

そこで泉田が事実関係を『新潟日報』に説明するも無視して報道しない。そして無能知事の印象を県民に刷り込み(洗脳)、知事選の敗北に追い込む。

こういう段取りだったのだろう。しかし、仕掛けた側も、まさか選挙前の立候補辞退まで想定していなかったのではないか。

このあたり、笹川良一(財団法人日本船舶振興会(現公益財団法人日本財団))会長の顔がちらつく。笹川は、先の都知事選にも小池百合子の応援演説に駆けつけており、国会を制覇した後の知事選に並々ならぬ関心を示しているようだ。

中央から地方を制覇して、99%の奴隷化を徹底すること。これは米国の戦略である。

もう少し泉田裕彦知事の説明を聞いてみよう。

「県庁舎内での森長岡市長の知事選への立候補表明の際には、クラブの代表幹事社として、庁舎管理責任を有する県職員の同席を認めない上に録音も禁止する一方、その後、十分な情報無しで森市長立候補表明に対するコメントを求めるということもありました。

新潟県内で大きな影響力を有する新聞社が、県の説明は読者に伝えることはせず、一方当事者の主張に沿った報道のみがなされている状況です。

また、東京電力の広告は、今年5回掲載されていますが、国の原子力防災会議でも問題が認識されている原子力防災については、例えば、県が指摘している現在の指針に従えば避難が必要になったときにはUPZ圏内(緊急時防護措置準備区域。半径5~30キロ圏以内の住民で、放射線量の実測値が基準を超えた場合、屋内退避などの防護措置を行う圏内 注 : 兵頭)の住民40万人強を2時間で避難させなければならなくなる問題等県民の生命・健康を守るうえで重要な論点の報道はありません。

このような環境の中では、十分に訴えを県民の皆様にお届けすることは難しいと考えています。

以上のような状況に鑑み、この秋の新潟県知事選挙からは撤退したいと思います。これまで、ご支援をいただいた皆様方には、お詫び申し上げますとともに心よりの感謝を申し上げます。

平成28年8月30日
泉田裕彦」

森長岡市長の知事選への立候補表明と、その後の喧嘩腰の態度、東京電力の広告を、今年5回も掲載した『新潟日報』の、脱原発知事への攻撃的な報道。ちなみに1回の広告は1000万円といわれるから、5000万円になる。地方紙にとっては、札束で頬を殴られるのと同じだろう。

おそらく再稼動になれば、さらに東電の政治的広告は増えるものと思われる。『新潟日報』の経営者がよほどの人物でなければ泉田裕彦知事バッシングに走るだろう。

政治家も企業もメディアも、「今だけ、金だけ、自分だけ」で動く国なのである。

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