大きな疑獄事件には、必ずといってよいほどトリックスターが登場する。今回の森友学園事件では、麻生太郎の側近である鴻池祥肇(こうのいけ よしただ)だろう。

鴻池の記者会見は、3月1日午後7時半から麹町の参院議員宿舎で行われた。

鴻池がこの記者会見でやろうとしたことは、おそらく大阪地検が動き始めたことを知って、機先を制して潔白を宣言し、すべてを籠池泰典の責任にして逃げるというモチーフだったと思われる。

いまのところ森友学園事件は、安倍・麻生・鴻池のお坊ちゃんトリオによって仕組まれたのである。

鴻池祥肇がエラそうに記者会見で啖呵を切っていたが、おかしなことが少なくとも3点ある。

1 森友学園の籠池夫婦が、2014年4月に「こんにゃく」(札束の隠語。籠池泰典は「商品券」と弁明)持参で口利き依頼に、議員会館の鴻池祥肇を訪れた。いつの間にか人格者になっていた鴻池は、「無礼者。政治家の面を銭で、はたくようなのは教育者と違う。帰れ」といって、「こんにゃく」を投げ返したという。

ほんとうだろうか。2008年に行われた塚本幼稚園の「教育再生地方議員百人と市民の会 第10回定期総会」では、鴻池は重要な基調講演をおこなっている。とても「こんにゃく」を投げ返したとは信じられない。

いつもの鴻池のイメージとはかけ離れている。籠池もこの話がほんとうならさぞかし驚いたことだろう。

鴻池は、無礼な訪問者を警察に突き出したらよかったのである。エラそうに啖呵を切っても、やっていることが言葉を裏切っている。

2 案の定、その後、籠池泰典は鴻池事務所を訪問し続けている。事務所の仲介で、籠池と国との接触は2年半で25回にも及んだ。これで「金を投げ返した」と聖人ぶっても無理である。陳情は認めるが口利きはしていない、というのなら、いったい籠池泰典はなぜ何度も鴻池事務所を訪れたのか。説明がつかない。 

3 翌年には、われらの「人格者」鴻池祥肇は、森友学園の籠池泰典からの政治献金を受け取っている。2014年と2015年に10万円ずつである。

以上の3点である。

巷間、鴻池側と、森友学園の籠池とのやりとりが記された「陳情整理報告書」(手書きでA4判全6ページ)が賑々しい。

これは、わたしはわざと鴻池側から共産党にリークされたものだと思っている。それも、安倍・麻生・鴻池のお坊ちゃんトリオの無実を証明するために、最近になってストーリーが文章化された可能性がある。

手書きというのもその思いを強くさせる。最近の事務関係の文章は、すべてワープロである。ワープロの文章は、いつ書いたかのログがパソコンに残る。それで、いつ書いたかのログが残らない手書きしか、リークの文章は不可能だったのかもしれない。

そう思うのは、次の4点である。

1 口利きの内容など記録に残す筈がないこと。これは斡旋利得・便宜供与の決定的な証拠になるものなので、今回のような土地取得のきわどい事案は、何も証拠となるものを残さないのが通例である。官僚はそのようにしている。

2 鴻池側から共産党へのリークが不自然なこと。いったい誰が、どのような動機で共産党にリークしたのか、この本質的な疑問は誰も問題にしていない。共産党なら公表してくれる。共産党の公表なら信じてもらえる、と計算したのだろう。

3 「陳情整理報告書」には、森友学園の籠池泰典の「上から政治力でお願いしたい」「土地評価額を低くしてもらいたい」「高過ぎる。何とか働き掛けて欲しい」といった要望が書かれている。これでもう森友学園の小学校の申請は消えたも同じだ。

これに対して鴻池側は「コンサル業ではない」「これでも教育者か」といった、倫理的な思いが書かれている。いかにも鴻池側の潔白が証明されるものになっていて、不自然である。ありていにいえば、鴻池祥肇のイメージとあまりにもかけ離れているのだ。

4 鴻池事務所は、籠池と国の交渉を仲介し、2年半で25回にも上っている。この回数の多さは、鴻池側の口利きを得て、籠池泰典の野望が実現される過程だった。鴻池が記者会見を開いたのは、開かざるを得ない状況が迫ってきたからだろう。

わたしは共産党へのリークは、鴻池祥肇側の意図的計画的なものだったと考えている。それは大阪地検が動き始めていることを知って、機先を制して記者会見を開いたものだと思われる。

さもあれ、「陳情整理報告書」に書かれた内容は凄い。籠池泰典の要求がことごとく実現されている。まるで魔法のように。

1 小学校(「瑞穂の国記念小学院」(安倍晋三記念小学校))設立について、近畿財務局は、学校の場合は購入のみ、と回答した。しかし、金がなかった森友学園は、8年間の借地にして欲しい、と要望した。そしてその後に購入ということにして欲しい、という要望。これが満額回答で実現されるのだから凄い。

2 大阪府庁に近畿財務局の国有財産管理官が来て、小学校設立の認可が必要といってきた。ところが大阪府は土地貸借の決定が先に必要だという。「鶏と卵の話。なんとかしてや」と籠池泰典が要望する。

近畿財務局と大阪航空局職員数名とともに現地視察。「上から政治力で早く結論が得られるようにお願いしたい。土地価格の評価額を低くしてもらいたい」。これも籠池泰典の要望通りに解決する。

3 森友学園は近畿財務局と交渉したが、賃料および購入額で予算をオーバーしてしまう。賃料年間3500万円を2500万円に割引き、売却予定額15億を7~8億円割り引くのが森友学園の希望だった。これも土地評価額は10億、10年間の定期借地として賃料年4%、約4000万円の提示があった。これに対しても籠池はさらに値引き交渉する。「2〜2.3%を想定しているので、なんとか働きかけしてほしい」と。

驚くことにこれも実現する。籠池の希望通り、貸付料は月額227万5000円、年額2730万円で定期借地契約が締結された。

何度もいうが、まるで魔法である。これは鴻池祥肇ごときの力でどうにかなる問題ではない。遙かに上層部の政治力が働いたのである。

ここへきて、新たな問題が浮上してきた。安倍昭恵が名誉会長をやっている「鈴蘭会」(福岡市)という団体がある。この団体が、森友学園の塚本幼稚園に教材「大学―素読―」を一部800円で200部、計10万円提供していた。

安倍晋三の国会での答弁と違って、安倍昭恵と森友学園との関係は非常に深いといわざるを得ない。

この鈴蘭会は、平成21年6月に安倍昭恵が自ら設立した組織である。安倍昭恵を捉えるときは、「ゆるふわ系愛国」系で捉える人が多い。しかし、「ゆるふわ系愛国」の正体は新自由主義のグローバリズムである。

安倍晋三は、死の商人であるが、売っているのは国である。岸信介以来、売国で潤う家系になっている。わたしたちは、安倍昭恵の表面的な「ゆるふわ系愛国」にだまされているのかもしれない。

現在、日本の小中学校には、生徒ひとりあたり年間約100万円、学校単位では年間で数十億の税金が計上される。計上であって、具体的に学校に降りてくる予算はわずかである。途中で、文部官僚天下り先の公益法人(文科省は直属の公益法人を多数もっている)、教育委員会、県で吸い上げられてしまうからだ。

いかがわしい人物が学校を建てたがり、これも教育に縁もゆかりもないような政治家が教育を語り、学校に群がってくる。巨額の税金投入の、どのプロセスかに、おいしい果実があるのだ。

教育も安倍夫婦にとっては、その税金浪費に目を付けた金儲けの手段にすぎない。

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