このページは、2017年6月27日に更新しました。

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漱石漱石

国家戦略特区は、独裁とオトモダチ利益分配装置なのですね。総理がそれをやるわけにはいかないので、民間議員という仕掛けを作りました。「総理がいうわけにはいかないので、わたしたちが代わって」。これが民間議員のミッションなのです。うまくできています。

このページの要旨

安倍晋三が、獣医学部の新設をさらに認める方向で検討を進めると語った。
仰天発言である。
オトモダチへの利益誘導で批判されたので、複数認めれば批判も止むだろうと計算したわけだ。
獣医学部の現在の需要と倍率が問題なのではない。
日本からは人も動物も減っている。
将来の需要動向が問題なのだ。
国家戦略特区が、これまでの特区と大きく異なっているのは、安倍晋三が主導するトップダウン型の特区であることだ。
国、地方、企業の3者で、「ミニ独立政府のように決められる」(竹中平蔵)のだから、これほど反民主主義の組織はないといわねばならない。
まさに独裁に好都合の仕掛けなのだ。

民間議員が決定的に大きな権力をもたされ、安倍の独裁に仕えることとなった。
国家戦略特区は、岩盤規制の緩和や撤廃を口にする、私腹を肥やす装置・新岩盤規制になっている。
政治の腐敗、国会の腐敗をもたらしている。
たとえば竹中平蔵の神奈川県の特区で事業者に認定されたのが、竹中が会長を務める大手人材派遣会社のパソナだった。
また、農業特区に指定された兵庫県養父(やぶ)市には、竹中平蔵が社外取締役を務めるオリックスの子会社「オリックス農業」が参入した。

「広域的に獣医師大学の存在地域に限り」という縛りと「平成30年度4月開設」という縛りによって、結局、京産大は排除された。
民間議員がそのつもりはなかったといっても、これは不自然である。
民間議員が発表した文書で、総理が特定事業者を優先する意向を示した根拠はない、と断言するのは、それが民間議員のミッションであるからだ。
民間議員は理路で生きる人たちではない。
立場で生きる人たちである。
「総理が加計学園に決めるわけにはいかないので、わたしたちが決める」。
これがかれらが民間議員に指名され、引き受けた意味だ。

芥川芥川

民間議員にも竹中平蔵のような人がいて、総理がやるなら自分も、と関係会社に利益を流しています。国民が怒らないのは、知らないからです。メディアがしっかりしないと、こんな国に腐敗します。腐敗が極限に達しつつありますね。

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1 国家戦略特区の腐敗

われらの三流の人・安倍晋三が、6月24日に神戸で講演し、獣医学部の新設をさらに認める方向で検討を進めると語った。
仰天発言である。

半世紀以上守られてきた硬い岩盤に風穴を開けることを優先し、獣医師会からの強い要望を踏まえ、まずは1校だけに限定して特区を認めたが、中途半端な妥協が国民的な疑念を招く一因となった。
改革推進の立場からは限定する必要は全くない。
速やかに全国展開を目指したい。首相 獣医学部新設 さらに認める方向で検討

オトモダチへの利益誘導で批判されたので、複数認めれば批判も止むだろうと計算したわけだ。

獣医学部の現在の需要と倍率が問題なのではない。
日本からは人も動物も減っている。
将来の需要動向が問題なのだ。

それで獣医学部の新設は50年余も認めずにきた。
それをおバカの総理が岩盤規制の緩和や撤廃を建前に、オトモダチに利益誘導した。

批判されると、もっと増やしちゃえ、というわけだ。
まるで駄々っ子の反発である。

いくらなんでも、さらに獣医学部を増設することはできないだろう。
将来、既存の獣医学部が共倒れすることになるからだ。

日本テレビの「バンキシャ」によると、安倍お坊ちゃんは「あまりにも批判が続くから、頭に来て言ったんだ」という。
この国は、このレベルの政治で動かされているのである。

さて、今日のメルマガでは、前川喜平の記者会見のうち、昨日のメルマガでとりあげた権力とメディアの問題とともに、もうひとつの重要な問題を採り上げる。
それは国家戦略特区と民間議員の問題である。

国家戦略特区が、これまでの特区と大きく異なっているのは、安倍晋三が主導するトップダウン型の特区であることだ。
国、地方、企業の3者で、「ミニ独立政府のように決められる」(竹中平蔵)のだから、これほど反民主主義の組織はないといわねばならない。
まさに独裁に好都合の仕掛けなのだ。

国家戦略特区は、もともと、TPPを前倒しして作られた組織である。
野党との議論を嫌い、独裁を志向する安倍晋三にとっては必然的な組織である。

実は、民進党が「国家戦略特区停止法案」を国会に提出しているのだが、メディアが採り上げないので、ほとんど知られていない。

国家戦略特区諮問会議にいる民間議員とは、言葉自体から奇異である。
民間議員とは、内閣府に設置される重要政策会議の議員のうち、参加する民間人のことだ。
委員と呼べばいいようなものであるが、民間議員あるいは有識者議員と呼ぶ。
この奇怪な造語の人間に、大幅な権力を与えた。

現在、経済財政諮問会議、総合科学技術・イノベーション会議、国家戦略特別区域諮問会議、中央防災会議、男女共同参画会議がある。

それぞれ、議員の4割以上を民間議員で構成することが、内閣府設置法により規定されている。

この民間議員の表面的な特徴は次のようなものだ。

2 民間議員という仕掛け

(1)選挙によって選ばれる議員とは異なり、選挙による過程を経ずに内閣総理大臣の指名により任命される。

(2)国会の承認を得て就任する。

(3)政治資金などの支給はない。

これが決定的に大きな権力をもたされ、安倍の独裁に仕えることとなった。
その理由は次の3点である。

(1)選挙を通じて国民から選ばれた議員と違って、総理から指名されるオトモダチが多く、必然的に総理の指名に応える仕事をする。
「総理が決めるわけにはいかないから、代わってわたしたちが決める」わけだ。

(2)選挙で選ばれた議員たちよりも国政に遥かに大きな影響力を持ってしまい、結果的に議会制民主主義を否定し、独裁の装置として機能する。

(3)総理が決めるまでのコマであり、結果に責任を負わないし、責任をとらない。

問題は、この国家戦略特区の独裁の中身である。
これが岩盤規制の緩和や撤廃を口にする、私腹を肥やす装置・新岩盤規制になっている。
政治の腐敗、国会の腐敗をもたらしている。

(1)わずか4人の閣僚と、5人の民間議員が、トップダウンでオトモダチや特定企業に利益を分配できる。

(2)諮問会議のメンバーが、自分の会社に有利になるような規制改革をし、実際に受注する。

たとえば民間議員の竹中平蔵(ミスター特区・特区のレントシーカー(利権屋)・東洋大教授)のケースを見ると、国家戦略特区の腐敗がよくわかる。

竹中平蔵のいう新自由主義とは、民間議員として行政に関与し、自らの企業に有利な政策を作って、利益を誘導することのようだ。
建前の自由な競争、岩盤規制の緩和や撤廃とは違って、自社に利益誘導を謀る、不公平な競争のことである。

(a)2016年7月、神奈川県の特区で「家事支援外国人受入事業」が規制緩和されたが、事業者に認定されたのが、竹中が会長を務める大手人材派遣会社のパソナだった。

(b)農業特区に指定された兵庫県養父(やぶ)市には、竹中平蔵が社外取締役を務めるオリックスの子会社「オリックス農業」が参入した。

これではやはりまずすぎると思ったのか、5月16日に国家戦略特区法改正案の付帯決議で、次の点が衆院地方創生特別委員会で採択された。

「民間議員等が私的な利益の実現を図って議論を誘導し、又は利益相反行為に当たる発言を行うことを防止する」

「直接の利害関係を有するときは、審議及び議決に参加させないことができる」

つまり、これらのことがこれまでできていなかったことを、逆に証明することにもなった。
また、発言を防止したり、参加させなかったりできる、としたところで、総理に指名されたオトモダチの集まりで、実効性はほとんどないだろう。

むしろ独裁と利益分配装置としての国家戦略特区そのものを廃止すべきだ。
従来通り、選挙で選ばれた国会議員と官僚とで、時間をかけて丁寧に政策を作り上げた方が、透明性も公平性も担保されやすい。

ここで昨日も採り上げた前川喜平の記者会見から、かれが民間議員について触れている部分を考えてみよう。

3 加計学園を決めた民間議員

諮問会議は5人の民間委員が記者会見をした。
私もつぶさに見た。
その中で、5人の民間議員がペーパーを作って提示した。
八田(達夫・アジア成長研究所所長)委員の言葉を借りれば、「このプロセスには一点のくもりもない」とした。

しかし、私から言わせてもらえば、一点のくもりもないという客観的な事実ではなく、民間議員の方々から見て「くもりが見えていない」「見ないようにとしていた」「見せられていない」としか思えない。
一方で八田議員は「政治のプロセスは不透明」と発言している。
その部分に問題があるのだが、諮問会議ではスルーされていると私は思った。

結果的に京都産業大の排除する効果を持った11月9日の諮問会議決定の表現がある。
広域的に獣医師大学の存在地域に限り」という言葉だ。
これについて、諮問議員のペーパーを見ると「反対勢力の抵抗があったので、実現に向けて妥協点を探るためにこの文言を入れた」という話になっている。

(中略)

さらにワーキンググループの示唆によって山本(幸三・地方創世担当)大臣が入れた言葉で、これは京都産業大を排除する意図はなかったと話している。
医学部新設の際の成田の特区の例を引き合いに出し、「極端な限定がされないような妥協策を提案するのが動機だった」「京都産業大をはじく意図はなかった」と八田さんは話している。

内閣府の意図と、諮問会議の民間議員のこの文言を巡る意図は食い違っていたのではないか。
(民間議員は)京都産業大を排除する意図を認識していないと考えざるをえない。
もう一つ、平成30年度4月開設という条件もあるが、これも京都産業大を排除する効果を持っていた。
そのことについても、諮問会議の民間議員の方々は全く認識を持っていない。

では、なぜ今治に認めたのか。
民間議員の説明では「まず1校ということならば、長年、提案をしてきた今治市。
四国全域で獣医学部もなく、感染症の水際対策もあるのでいいんじゃないか」という考えだったようだ。
その前提なら2校目以降があるということだ。

しかし、その保証はない。
国家戦略特区は特別な地域の特別な主体に特別な恩恵を与える仕組みだからだ。
しかし民間議員は「1校目の突破口なんだ」という意識しかなく、そこにも我々の認識とのギャップがある。

さらに民間議員の方が発表した文書では、「総理が特定事業者を優先する意向を示した。あるいは内閣府が文部科学省に伝えたという根拠はない」と断言している。
しかし,断言できる理由を問われ、八田議員は「一切、知らない。こういったことはないと思う」と話した。
「知らないから無い」ということでも、「無いというから無い」というものでもない。
根拠はきわめて薄弱だ。
改めて政策決定プロセスは検証される必要がある。「前川前文科次官会見詳報」

加計学園を決めた5人の民間委員がペーパーを提示し、八田達夫は、「このプロセスには一点のくもりもない」と言い放った。
そうだろうか。

最初から加計ありきの、これだけの大問題になっているのに、ぬけぬけと「このプロセスには一点のくもりもない」と言い放つのは、関係政治家や官僚が「記録も記憶もない」といって、突然のバカになって見せるのと、実は同じなのだ。

「このプロセスには一点のくもりも」見つけられないほどのバカでした、といって逃げたのである。

「政治のプロセスは不透明」と八田は別に発言しているのだから、これだけでも「一点のくもりもない」ことにはならないだろう。

「広域的に獣医師大学の存在地域に限り」という縛りと「平成30年度4月開設」という縛りによって、結局、京産大は排除された。
そのつもりはなかったといっても、これもバカのフリである。

前川喜平は、「内閣府の意図と、諮問会議の民間議員のこの文言を巡る意図は食い違っていたのではないか。(民間議員は)京都産業大を排除する意図を認識していないと考えざるをえない」と善意に解釈しているが、どうだろう。
民間議員はいまとなってはこうとしかいえないのではないか。

「平成30年度4月開設という条件もあるが、これも京都産業大を排除する効果を持っていた。そのことについても、諮問会議の民間議員の方々は全く認識を持っていない」と、ここでも前川は善意に解釈している。

わたしの考えでは、安倍晋三も現在の民間議員も、次の獣医学部新設を認めるつもりはないのだと思う。
ここまで国民に知られた後である。
2校目は、ただ安倍晋三のオトモダチへの、利益誘導のカモフラージュ、隠蔽の意味しかもたないからだ。

民間議員が発表した文書で、「総理が特定事業者を優先する意向を示した」「根拠はない」と断言するのは、それが民間議員のミッションであるからだ。

民間議員は理路で生きる人たちではない。
立場で生きる人たちである。
「総理が加計学園に決めるわけにはいかないので、わたしたちが決める」。
これがかれらが民間議員に指名され、引き受けた意味だ。

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与謝野晶子与謝野晶子

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