エルサレムに賭けた延命策と仕掛け

1 トランプの苦境

14日、来日している国連のアントニオ・グテレス事務総長が、安倍晋三に、「われわれにとって起こり得る最悪の事態は、非常に劇的な状況をもたらす可能性のある戦争に、いつの間にか突入してしまうことだ」と警告した。

この「いつの間にか突入」という言葉の深さを、安倍は理解できなかったにちがいない。

戦争は、予定した通りにはじまって、計算通りに終わるということはないのだ。
それは太平洋戦争を振り返ればすぐにわかる。
ノモンハン事件、ミッドウェー海戦、ガダルカナル作戦、インパール作戦、レイテ海戦、沖縄戦、広島・長崎の結末を、誰が予想したか。

北朝鮮に向かって、世襲のお坊ちゃん政治家が勇ましいことを叫んでいる。
戦争の悲惨について一片の想像力もないのである。
それはノーベル平和賞を受賞したICAN運動への無視黙殺の態度にも表れている。

安倍晋三は、相変わらず外交的努力に消極的で、「非核化に向けた意味のある対話になければならない」と適当に述べた。

安倍にとっては予想外だったトランプ大統領の誕生にあわてて、確約もとらずに飛行機に飛び乗り、まず会うことが大事だ、とトランプを訪れ、しっぽを振ったのは安倍晋三だった。

エラそうに「意味のある対話」などいえた立場ではないのだ。

『マスコミに載らない海外記事』(2017年12月11日)にPaul Craig Roberts の「核戦争を避けることが我々の最優先事項」が載っていた。
注目したのは、世界を震撼させたトランプの、エルサレムはイスラエルの首都だという発言に対する解釈が載っていたからである。

Paul Craig Roberts のトランプに対する姿勢はニュートラルであり、興味をもって読んだ。

トランプに対して行われている見せしめは、あらゆる将来の大統領候補に、アメリカ国民に直接訴えて、ごく少数の支配集団に逆らってはならないという教訓を与えるためだというのが私の説だ。

つまりアメリカでは民主主義は完全に死んでいるのだ。
民主主義は暴力革命無しに復活させることが可能だろうかと時に疑問に思うが、もちろん革命はまずい方向に行きかねない。

アメリカ人は暴力革命が出来るのだろうか? もし出来なければ、うっかり核戦争を始めるまで、強欲なエリート連中が支配し続けるのだろうか?

(中略)

オバマ政権はロシアの恐怖を再創造した。
選挙運動で、トランプは、ロシアの脅威再創造には協力しないことを明らかにしたために、彼は“ロシアゲート”で処罰されているのだ。
特別検察官によって、大統領の座から排除されかねない、あるいは暗殺されるかも知れないと懸念する大統領が、戦争に向かう行進に抵抗できるだろうか?

トランプは、大統領を守ることはアメリカ合州国を守ることだと信じるシークレット・サービスに取り囲まれている。
だが、もしシークレット・サービスが、特別検察官や議会や軍安保複合体や売女マスコミによって、アメリカ合州国に対するロシアゲート陰謀で、トランプはロシア人と組んでいるのだと説得されてしまえば、ジョン・F・ケネディ大統領を守り損ねたように、シークレット・サービスはトランプを守り損ないかねないのだ。

(中略)

ジョン・ブレナンCIA長官や、コミーFBI長官やミュラーによる対トランプ攻撃で、我々が目にしている通り、(ケネディ暗殺後の 注 : 兵頭)ジョンソン政権が事態を改善し損ねたことで、大統領に逆らって行動する権限が、治安機関の手中に残ったままとなったのだ。(「核戦争を避けることが我々の最優先事項」

2 トランプの仕掛け

トランプの評判が世界的にすこぶる悪い。
その評判の悪さは、エルサレムをイスラエルの首都だと宣言し、大使館をエルサレムに移転すると語ったことでいまやピークに達した観がある。

エルサレムの帰属については、イスラエルとパレスチナが激しく対立してきた。

これまで世界のすべての国が、エルサレムに対する主権をイスラエルに認めずに、大使館をテルアビブに置いてきた。

パレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長は、「嘆かわしい」発言として、今後米国が和平を仲介することはできないと述べた。

英独仏をはじめ各国がトランプ発言を批判するなか、安倍晋三は黙りこくったままである。
とにかく宗主国のやることには反対できない。
ただ、黙ってついていくだけである。

それにしても、トランプはなぜこんな世界をひっくり返すような発言をしたのだろう。

ただ、ティラーソン米国務長官が、イスラエル米大使館のエルサレム移転は、「すぐに起きるようなことではない。
おそらく少なくとも3年はかかるであろうし、これはかなり野心的なことだ」と語ったように、そう単純には受け取れない発言だったことがわかる。「ティラーソン長官 大使館のエルサレム移転時期を発言」2017年12月13日)

つまり、これはトランプの、自分を追い詰めるディープ・ステートに対する時間稼ぎ、深謀遠慮だったかもしれない。

トランプは、ディープ・ステートとの闘いに悪戦苦闘している。
それはこれまで述べてきた通りだ。
ディープ・ステートは、トランプに対して、ふたつの選択肢を用意している。
ひとつはケネディのように暗殺する道であり、もうひとつは、合法的に辞任に追いやる道だ。

選挙運動で、トランプは、プーチンへの評価をさかんに口にし、ロシアとの関係修復を約束した。
それは別言すれば、ワン・ワールドのディープ・ステートへの挑戦状であった。
そこで危機感を覚えたディープ・ステートは、“ロシアゲート”をでっち上げ、トランプ追放に乗り出した。

トランプは、確かにシークレット・サービスに警護されている。
しかし、トランプは売国奴であり、ロシアと通じていると説得されてしまえば、シークレット・サービスが警護を解く可能性がある。
そのとき、トランプにはケネディと同じ運命が待ち構えている。
トランプはお終いである。

その危機感は、トランプとその周辺の人しかわからない。

そこでトランプは、イスラエルのネタニヤフが青息吐息の状態を狙って起死回生の奇手を打ったのかもしれない。その狙いはイスラエル・ロビーとモサドを味方につけ、ディープ・ステートにくさびを打ち込み、第三次世界大戦を止める、あるいは遅らせることである。

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