いま米国の大学で起きていること

わたしが若い頃、1970年代に、流行った反戦フォークの歌詞に「若いという字は苦しい字に似てるわ。涙が出るのは若いというしるしね」というのがあった。時代もジャンルも、勝手にわたしの記憶で書いている。

アン真理子の「悲しみは駆け足でやってくる」の一節だ。

青春は苦しいものだ。苦しまない青春など意味がない。人間は苦しんで成長していくのである。苦しまなかった青春は、アホぼん三世を見ればよくわかる。あのようになるのだ。人間に何の陰も深みもない。私利私欲を果たすために売国に明け暮れる日々。それは凡庸な考えない青春時代に作られたものだ。

今日はシルビア・マシューズ・バーウェルの書いた「ジェネレーション・ストレス―― いまアメリカの大学で何が起きているか」を切り口に米国の青春(大学生)を考える。

(シルビア・マシューズ・バーウェルはアメリカン大学学長。ロバート・ルービン米財務長官の首席補佐官、米保健福祉長官などを経て現職)

若者たちが成長し、知識を身につけ、新しいスキルを学び、困難な課題に立ち向かっていく大学での生活は、一生に一度のかけがえのない経験であるはずだ。しかし、米大学生のメンタルヘルスを調査する年次サーベイ「ヘルシーまいんど研究」の2016ー17年版によれば、学生の44%が「気力に満ちている」と答える一方、39%が「うつ病や不安神経症の症状がある」と答えている。

2007年は6%だった自殺願望をもつ学生の割合は2017年に11%に、同じ期間に、心理療法を受けている学生の割合は13%から24%へ上昇している。

より多くの学生たちが心理カウンセリングなどのケアを受けるようになったとはいえ、うつ病や不安神経症の症状をもつ学生のなかで、2016年に精神科の治療を受けているのは、その半分を僅かに上回る程度に過ぎない。

メンタルヘルス面で問題を抱え込む人が増えたのは、大学生だけではない。一生の間に不安障害を抱え込むようになる人は、成人の4人に1人に達しており、2000年以降、男女を問わず、自殺者は上昇している。

こうしたトレンドが一過性のものなのか、ニューノーマルなのか、それとも、より大きな危機の先駆けなのかはわからない。とはいえ、大学は、学生たちの心理的な苦悩に対応していかなければならない。いまや学生のメンタルヘルスに大学が責任を負う時代だ。

最近では、大学の責任は広がりをみせており、これには、学生たちのレジリアンス(困難な状況への適応・対応能力)を高めること、より具体的には、ストレスを回避するだけでなく、ストレスに向き合うための枠組みを準備することも含まれる。

ストレスに打ちのめされているという感覚を和らげる一方で、人生において直面する困難な課題に自分で立ち向かっていけるような能力を育んでいかなければならない。(『Foreign Affairs Report』2018 NO.11)

2007年以降の10年間で、心理療法を受けている米国大学生の割合が13%から24%へ上昇した。いつの時代にも優れた青春は苦しむものだが、時代とともにその苦しみの縞柄が違ってくる。

「気力に満ちている」学生が44%、「うつ病や不安神経症の症状がある」学生が39%。これが現在の米国の青春だ。

深刻なのは、自殺願望をもつ学生の割合だ。2007年は6%、2017年に11%と10年間で倍増している。同じ期間に、心理療法を受けている学生も13%からこれもほぼ倍増して24%へ上昇している。

わたしの青春はほぼ60年代の後半だ。その頃の大学生にも苦悩はあったが、それは政治的社会的な苦悩だった。あるいは個人的な恋愛の苦しみだった。それ以降の10年間は、むしろ時代は軽薄化し、多くの優れた状況関係の雑誌・新聞が潰れていき、軽薄な青春が歌と踊りと金に狂乱するようになる。

ただ、確実に日本は病んでいき、若者の「死因1位」は自殺となった。これは主要7か国では「日本のみ」の現象である。日本の統計データは、政治の失敗を隠蔽するようになっているので、自殺者の総数も、そのなかに占める若者の比率も、もっと高いものと思わなくてはならない。

日本の警察庁の「自殺」の定義は、死後24時間以内に発見され、遺書があること、となっている。これ以外は変死扱いになる。

この変死(検死対象外)が毎年15万人程度出る。WHO基準ではその半数を自殺者にカウントしている。したがって日本の自殺者は少なく見積もっても年間10万人以上ということになり、ダントツの世界一位である。

米国の場合、メンタルヘルス面での病は、大学生だけではなかった。不安障害を抱え込む成人は、4人に1人に達し、2000年以降、男女を問わず、自殺者は上昇している。

シルビア・マシューズ・バーウェルは、「いまや学生のメンタルヘルスに大学が責任を負う時代だ」と言い切っている。「学生たちのレジリアンス(困難な状況への適応・対応能力)を高め」「ストレスに向き合うための枠組みを準備」し、「人生において直面する困難な課題に自分で立ち向かっていけるような能力を育んでいかなければならない」という。こういわれると、たいへんな時代になったと思う。

トランプの統治する米国は、まさに病んでいるのだ。もちろん日本も。

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超富豪の生態

今日は、クリス・ヘッジズの「超富豪による支配は暴政か革命」(『マスコミに載らない海外記事』2018年10月31日)を切り口に、1%と99%の普遍的な問題を考える。

日本の権力中枢は黒い闇に覆われている。そこに唯一斬り込んだ政治家は、石井紘基だった。しかし、暗殺されてしまった。そして民主党は石井の意志を受け継いで糺明することをしなかった。そのこと自体が闇の深さを物語っている。石井の後継者は旧民主党から育っていない。誰も後継者にならなかった。それが民主党であり、自民党よりもこの問題の深刻さをわかっていないのである。

日本の闇は深いが、今日は普遍的な1%と99%の問題、超富豪と一般国民との、国家における問題について考える。

クリス・ヘッジズの「超富豪による支配は暴政か革命」を読んでみよう。

10歳の時に、私は奨学生として、マサチューセッツ州にある超富豪向け全寮制学校に送られた。それから8年間、私は最も裕福なアメリカ人の間で暮らした。私は彼らの偏見を耳にし、閉口するほどの彼らの権利意識感覚を目にした。彼らは自分たちは、より頭が良く、より才能があるので、特権があり、豊かなのだと主張した。彼らは、物質的、社会的地位が彼らより下位の人々を、あざ笑うように蔑視していた。

超富豪の大半には共感や思いやりの能力が欠如している。彼らは連中にへつらう世界に逆らったり、合わなかったりして、彼らに順応しない人々全てをからかい、いじめ、あざけるエリート徒党を組んでいた。

大半の超富豪の息子たちと、私は友情を築くことができなかった。彼らにとっての友情は「私にとって何のとくになる?」で定義されていた。彼らは子宮から生まれ出た瞬間から、彼らの欲求や必要に応える人々に囲まれていた。彼らは、苦しんでいる他者に手を差し伸べるということができなかった。

何であれ、彼らが当面抱えている、けちな思いつきやら問題が彼らの宇宙を支配しており、彼ら自身の家族内の人々さえ含め、他者の苦難に優先していた。彼らは、いかにして奪うかしか知らない。彼らは人に与えることができない。彼らは奇形化した抑えられない利己主義に支配されているとても不幸な人々だった。「超富豪による支配は暴政か革命」

クリス・ヘッジズは、10歳のときに、ある超富豪向け全寮制学校に送られ、そこで8年間、裕福な米国人の間で暮らした。こういった体験は貴重なものだ。その環境に負けて、かれ自身が99%への蔑視を植え付けられなかったことは奇跡のように思われる。よほど精神力が強いのだろう。

大方の謬見とは違って、子どもの時代にすでにわたしたちの人生には、乗り越えられない差が付けられている。どんな努力も、親の経済力に勝るものはない。政治権力も親の金と人脈で買えるのだから。

そのことは現在の日本の最高の政治権力者が、アホぼん三世こと安倍晋三であることひとつを見ても明確だ。日常頻繁に使われる漢字すらまともに読めない男が、政治権力の頂点にまで上り詰める。それは親が築いた経済力、人脈以外にはあり得ない。

実はもう2点ある。1点めは、1%のために生涯を尽くすことに何の疑問ももたないほど無能で考えない人間であること。2点目は売国に何の痛痒も感じない、愛国心の欠如だ。

超富豪の子どもたちの特徴としてクリス・ヘッジズは、次の点を指摘している。これは古今東西、共通して見られる事実だ。

1 自分たちは、より頭が良く、より才能がある。それで特権があり、豊かなのだ、と考えている。もちろん親が頭が良く、才能があったわけだが、そのことにももうひとつの条件を付け加えねばならない。親も運がよかったのである。

この世には頭も良く、才能に恵まれていても、運がなくて超富豪になれなかった人々がいる。この洞察が、成功した超富豪にはとても認められないことなのだ。

2 かれらは、物質的、社会的地位が下位の人々を、あざ笑うように蔑視している。これは概ね普遍的に見られる現実だ。超富豪になったから99%を蔑視するのか、それとも99%を蔑視するような人間だったから超富豪の成り上がれたのか。これは両方とも真実なのだろう。

3 かれらは連中にへつらう世界に逆らったり、合わなかったりして、かれらに順応しない人々すべてをからかい、いじめ、あざけるエリート徒党を組んでいる。この連帯感の強さこそ、99%の連帯感に勝っている。1%には失う富があり、それを守るために連帯するのだ。失うもののない99%は、なかなかまとまれない。

4 超富豪は、苦しんでいる他者に手を差し伸べるということができなかった。かれらは、いかにして奪うかしか知らない。かれらは人に与えることができない。たとえば日本の「内部留保」は400兆円を軽く超えている。これを勤労者に渡さない。

この強欲に呆れる前に、そもそも国家というものはこういうものなのだ。1%(銀行・企業と、それに仕える官僚・政治家)は、最上位の権力としての幻想を国家に与え、99%の生命と富を合法的に管理・収奪する。この理不尽は国家という共同幻想が機能してこそ可能になるものだ。

戦争はこの関係が極限化したものである。収奪どころか、お国のために死ね、という理不尽が、国家という共同幻想を使うことで可能になるのだ。

クリス・ヘッジズが見た富裕層の子どもたちの姿は以上であるが、これはそのまま現在のアホぼん三世の政治姿勢そのものだ。とにかく99%の給料を上げない。豊かにしない。奴隷を見る視線だ。むしろ増税で1%を減税する。アホノミクスに関してトリクルダウンなどいったことはないと打ち消す凄まじさだ。

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永遠の対米隷属を要求する「第4次アーミテージ・レポート」

今日のメルマガでは、戦略国際問題研究所(CSIS)が、10月3日に発表した「21世紀における日米同盟の再構築」を検証する。

感想を一言でいうと、米国は日本の生き血を最後の一滴まで吸い取るつもりだな、ということだ。そのためにはアホぼん三世こと安倍晋三のような愚かな総理がとても便利なのである。

 

「アーミテージ・レポート」は、民間のシンクタンクの提言であるが、アホぼん三世にとっては命令書に近いものであり、これまでと同様にかれはこの命令を忠実に実行していくだろう。

まだ全文翻訳は出ていない。それで『長周新聞』の「アーミテージらが日米共同部隊設置などを要求 属国に突きつける政策指南書」(2018年10月6日)を元に検証し、わたしの見解を述べる。

以下、『長周新聞』の記事のポイントと、(  )内はわたしの見解である。

1 トランプの掲げる「アメリカ第一主義」によって同盟国間の亀裂が深まっている。トランプは、これまで米国がとってきた基本路線から外れた保護主義を推進している。

(この認識は正しいだろう。しかし、亀裂どころか、トランプはアホぼん三世とともに「アメリカ第一主義」を突き進んでいる。これが結果するのは、米国への朝貢政治・外交であり、日本の売国である)

2 トランプが海外での米軍プレゼンスの意義に疑問を呈している。

(米国戦争屋にとって、もっとも痛いのはこの点であろう。トランプは、EU、中東から米軍を撤退させたがっている。それは主として経済的な負担を減らそうというものだ。しかし、米国戦争屋たちは、支配と利権目的で、たとえ歓迎されざる客としてでも居座り続けたいのである。既得権益の宝庫の朝鮮半島や日本からの撤退は、絶対に認められないことだ)

3 トランプ政権が北朝鮮などの「独裁国家」に無原則に接近することにより、日米関係にも亀裂が表面化しつつある。

(この認識は間違っている。日米関係に亀裂が生じたのではない。トランプとCSIS(ジャパンハンドラー)の間に亀裂が生じたのである。日本国民にとっては、半島に南北統一と平和が訪れることは喜ばしいことだ。ただ、北朝鮮と中国の脅威があって、はじめてプレゼンスが保てるCSIS(ジャパンハンドラー)としては、トランプの北朝鮮との対話路線は死活に関わる問題なのだ)

4 日米同盟の重要性はかつてなく増している。日本は従来通り米国に忠実であり続けなければならない。日本は同盟国として米国の国際戦略を支えるだけでなく、「地域秩序を守る真に対等なパートナー」になるべきだ。「仮にトランプ政権が、その共通目標に短期的に背を向けたとしても前進させなければならない」

(まるで校長が生徒に訓示を与えるような内容である。それにしてもこんな主と奴の関係は世界でも珍しいのではないか。日本は従来通り米国に忠実であり続けなければならない、という。「従来通り」だ。かつて奴隷であったように、今後も奴隷であり続けねばならないということだろう。

しかも奴隷の任務は格上げされた。「地域秩序を守る真に対等なパートナー」になって、「仮にトランプ政権が、その共通目標に短期的に背を向けたとしても前進させなければならない」という。

わたしがこれまで述べてきたように米国には3つの頭があり、大統領を除く他のふたつの頭が明確に米大統領に反対してでも、CSIS(ジャパンハンドラー)の指示通りに日本はやれ、といっているのだ)

5 「中国と北朝鮮の脅威が増大して」おり、「すでに日本政府は、米軍の日本への安全保障費の約75%を支払うことを示唆している」。しかし、将来の中期防衛計画と防衛計画ガイドラインでは、日本の防衛支出をさらに増加させ、日本の防衛支出を国内総生産(GDP)比1%台に引き上げるべきだ。そして大量の米国製兵器を買い、駐留経費の負担を増額せよ。

(まず前提の状況認識が間違っている。いつも戦争屋がカネを巻き上げるのに使うのは、日本の場合、中国と北朝鮮の脅威だ。これが消えてしまった。しかし、それは絶対に認められないのである。日本を守ってくれている米国さまへの上納金が足りないという理屈を導き出すために。

しかし、日本政府が、米軍の「日本への安全保障費の約75%を支払う」としてもそれではまだ足りない。将来は、日本の防衛支出をGDPの1%台に引き上げるべきだという。そのカネは大量の米国製ポンコツ兵器の「爆買い」と、駐留経費の負担に当てられるべきだというのだ)

6 米軍と自衛隊の一体化を進める日米統合部隊を創設する。自衛隊基地と在日米軍基地を日米が共同使用できるよう基準を緩和する。最終的には、在日米軍はすべて日本国旗の立つ基地から操作する必要がある。

とうとう日米統合部隊を創設すべきだとまでいってきた。これは半島の危機、中国の危機といった物語を前提とした、究極のたかりのように思われる。要は米軍部隊のいっさいの維持費を日本にもたせるのだろう。自衛隊の維持費を日本がもつように。米軍の給料を含めて、だ。

自衛隊基地と在日米軍基地を日米が共同使用できるようにし、在日米軍はすべて日本国旗の立つすべての基地から飛び立てるようにする。つまり米国の一部として日本を使うということだ。当然、米国が第三次世界大戦を起こしたら、米国の一部としての日本は米国並みに狙われることになる。つまり米本土防衛の捨て石に日本はされる。ここに究極の目的があるようだ)

7 軍事的な日米の意志決定をより簡素化し、自衛隊が国内基準(憲法9条など)の縛りを受けることなく米軍の一部として相応の軍事的役割を担うこと、自衛隊基地も民間施設もより自由に軍事使用できるように要求する。

自衛隊は憲法9条などの縛りを受けることなく、米軍の一部として相応の軍事的役割を担え、という。外国の民間のシンクタンクに憲法を無視して米軍の一部として役割を担え、といわれる国は、世界で日本だけだろう。これは、もちろんそのような姿勢をアホぼん三世らが見せているから、こんな増長した要求が出てくるのである)

8 「新たな先進レーダー、費用対効果の高いミサイル防衛、長距離対艦ミサイルの共同開発」や「経済的および軍事的競争の両方の分野が成長しているサイバーセキュリティ、宇宙技術、人工知能」などを米民間企業と連携して開発、導入することを要求する。

(米国にはカネがない。したがって、カネは日本が出して、米民間企業と連携して開発、導入することになる。しかし、これまでの例だと、その成果は米国がとり、日本は法外な言い値で買わされることになろう。カネと頭脳を提供し、成果にまたぞろカネを払うという奴隷扱いだ)

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米国からの欧州自立

今日のメルマガは、米国から自立する旧同盟国のなかから、欧州を見てみよう。

<自立したヨーロッパへ>

フランスとドイツは、8月下旬に、それぞれパリとベルリンで開催された大使会議のために(各国、各国際機関に派遣している)すべての大使を呼び戻し、パリではエマニュエル・マクロン大統領、ベルリンではハイコ・マース独外相がそれぞれオープニング・スピーチを行った。

2人のメッセージは明らかに同期していた。ワシントンの「アメリカファースト」路線を前に、マクロンとマースはそれぞれ自己主張のできる「自立したヨーロッパ」の構築に投資していくことへの決意を表明するとともに、トランプが攻撃している多国間秩序に新たな息吹を吹き込む「新しい同盟」についても言及した。

(独立志向の強い)フランスの大統領がより大きな自立を求めることに目新しい部分はない。だがドイツ外相が「自由裁量の余地を取り戻すために、よりバランスのとれたアメリカとの新しいパートナーシップ」を求めたのはかつてない展開だ。

マース外相の踏み込んだ発言には、さらに特筆すべき点があった。お決まりの(自立に向けた)軍事力の強化だけでなく、「金融(決済の)自立」と「新たな同盟関係」の二つについて具体的に踏み込み、ヨーロッパの金融自立を確立するためのドルを離れた決済システムの整備、そして「多国間協調主義を共有する(有志)同盟」の構築に言及した。

(中略)

このアプローチの目的は、アメリカやその他の大国による覇権的で行き過ぎた行動からドイツとヨーロッパを守ることにある。これは、世界のアメリカへの経済的・技術的依存状況を逆手にとって、それを兵器として利用しようとするワシントンの決定に対する直接的な反応、対抗策に他ならない。

マースとマクロンが求める「自立したヨーロッパ」の構築は大きな賭だ。ヨーロッパ人の多くがドイツを域内の覇権国とみなし、対抗バランスを形成すべき対象とみなしているだけでなく、欧州連合(EU)内の連帯と政治的意思が欠落している。自立したヨーロッパの構築は、最初から失敗を運命づけられているかもしれない。むしろ、成功するのは、ヨーロッパを分断し、自立の流れを抑え込もうとするアメリカの方かもしれない。しかし、敵意あふれる世界で自分の立場を守っていくつもりなら、これが、ヨーロッパが取り得る唯一の賢明な方策だろう」(ソーステン・ベナー「米欧関係に生じた大きな亀裂―― 金融自立と新同盟を模索するヨーロッパ」『Foreign Affairs Report』2018 NO.10)

(ソーステン・ベナーは、独グローバル公共政策研究所ディレクターである)

トランプの破壊力は、それを好意的にとろうが悪意的にとろうが、いまや全世界に及んでいる。根源にあるのは「アメリカ第一主義」だ。トランプは、より深掘りすれば、大切なのは同盟国よりも米国だといっているのである。考えてみれば当たり前のことであるが、これを正直に、かつむき出しに主張する米大統領はいなかった。

それは必然的に大きな波紋を起こしつつある。今日のメルマガでは欧州の動きを考えてみる。問題意識は、トランプの「アメリカ第一主義」を奇貨として欧州が知力を尽くして向かう方向がどのようなものになるかということだ。これは十分に見応えがあるものになる。

すでに欧州は、次の2点を決めている。

1 欧州は米国の金融覇権に挑戦し、自立する。

2 外交では「有志同盟」を作り、国際法が踏みにじられる事態に対しては連帯して対応する。すでにカナダや日本に接触。

8月下旬に、パリではエマニュエル・マクロン大統領が、ベルリンではハイコ・マース独外相が、トランプの「アメリカ第一主義」に対抗して、自己主張のできる「自立した欧州」の構築に投資していくことへの決意を表明した。

マースは、(1)自立に向けた欧州軍事力の強化、(2)ドルを離れた決済システムの整備(「金融(決済での)欧州自立」)、(3)「新たな同盟関係」(「多国間協調主義を共有する(有志)同盟」)構築などに言及した。これが欧州自立の核となるだろう。

逆説的な言い方をすれば、トランプは自立のキーワードを世界に蒔いた。その意味が何もわからなかったのが、われらのアホぼん三世だった。それで自立と真の独立の好機をみすみす逃してしまった。欧州は踏み出そうとしている。

この結果は、まだ成功するかどうかわからない。しかし、世界はすでに多極化に向けて走り出している。中国が新覇権国家の一翼を担いはじめたのは確かである。その方向からも世界に米国からの自立の風が吹いている。

ただ、多少の摩擦は起きるだろう。米国は、まだ態度未定の欧州諸国には、ドイツの欧州自立構想に乗らないように要請するだろう。ただ、米国の凋落は世界の共通理解となっており、米国に従っても展望は拓けないのであるから、ドイツ構想が実現される可能性が高い。

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デジタル・グローバル大企業の将来

物事を判断するときに、もっとも大切なことは状況的に考えるということだ。
これが欠けていると、つまり先験的な理論から入ると、大なり小なり宗教になってしまう。

わたしはこれまで誰かの信者であったことは一度もない。
そのことはおりに触れて書いてきた。
若い頃は吉本隆明の『試行』に書いていたが、60年代から70年代にかけて吉本のまわりにいる人たちは、吉本があまりに巨大すぎて、「吉本信者」といわれていた。
そのときもわたしは信者ではなかった。

人間にはいいところもあれば、悪いところもある。
ダメなことをするときもあれば、いいことをするときもある。
いいところは評価し、悪いところは批判する。
これは当たり前のように思われるが、実はなかなか難しいのである。
それまでの人間関係、しがらみが邪魔をするからだ。

わたしはそういった関係、しがらみを極力作らないようにしているので、常に自由な立場にある。

政治のなかでは相手が変化していく。
消費税増税はやらないといっていた政治家が、政権を取ると、消費税増税賛成に変わったりする。
そこで、一度評価していたのだから、裏切られても評価し続けろ、ずっとぶれずに支持しろというのは無茶である。私の場合は、読者への責任もあるのだ。だからあの政治家は以前は殊勝なことを語っていたが、すっかりダメになった、ということを明確に書いていくようにしている。しがらみを極力作らないようにしているわたしの強みである。

日本には相手がどう変わろうと、ずっとついていきます、といった生き方があって、バカの国だけあって感心されたりする。
だからいつまで経っても日本は学ばないし、変われないのだ。
繰り返すが、わたしは政党や特定政治家の信者ではない。

逆にダメな政治家が、気持ちを改めて、国民の側に立った発言をはじめる。
原発を推進していた政治家が「脱原発」に変わる。
そうなったら、過去がどうであろうと、わたしは褒める。
評価する。
政治家を育てるといった視点が大切なのだ。

薄っぺらな一部の連中がわたしのことを党利党略から、けなしている。
しかし、わたしは一貫して自公を、アホぼん三世こと安倍晋三を批判してきた。
種子、TPP、過労死(高プロ)、水道民営化、カジノと、さらに改憲でも原発でも消費税増税でも、わたしの姿勢は一貫している。
わたしを批判して得点を稼ぎ、くるくると政治的利用対象を変える我が身のつたなさを恥じるがいい。

さて、今日のメルマガでは、グーグル、フェイスブック、アマゾンなど、デジタルグローバル大企業の孕む危険を考えてみる。

ビクター・メイヤーとトーマス・ランゲが、「デジタル企業の市場独占と消費者の利益――市場の多様性とレジリエンスをともに高めるには」という、たいへん状況的な論文を共同で書いている。

(ビクター・メイヤー=ションバーガーは、オックスフォード大学教授(インターネット・ガバナンス・規制)

トーマス・ランゲは、独ブランドアインズ誌テクノロジー担当記者)

この20年で、一握りの巨大テクノロジー企業が、デジタル市場を支配するようになった。
グーグルは世界のインターネット検索のほぼ90パーセントのシェアをもち、世界一のソーシャルメディア・プラットフォームであるフェイスブックのユーザー数は20億を超える。
両社合わせると、オンライン広告市場の半分以上のシェアを握っている。

もとはコンピューターメーカーだったアップルも、いまや売上高で世界最大のモバイルアプリストアを運営し、この分野で約80パーセントの市場シェアをもっている。
音楽定額配信サービスでも世界第2位で、市場シェアは全体の約3分の1に達する。

そしてアマゾンは、アメリカのインターネット通販市場で約50%のシェアをもっている。
巨大な市場シェアをもち、その市場支配力を甚大な利益に変える力をもっている、これらの企業を、エコノミストのデービッド・オーターは「スーパースター企業」と呼んでいる。

スーパースター企業の成功は、ユーザーに大きな恩恵をもたらすと同時に、社会と経済を重大な危険にさらしている。
各社は、自らが集める情報を蓄積し、一元的システムを使って、その巨大ビジネスを動かしているからだ。
このような情報の独占はイノベーションを妨げるとともに、企業がユーザー情報を乱用することに道を開いてしまう。

一元的な管理システムゆえに、予期せぬショックに対するオンライン市場の脆弱性は大きくなり、これによって、経済全体がリスクにさらされる。

企業が市場で強大になりすぎた場合の一般的解決策は、もちろん、企業分割だ。
かつてアメリカの規制当局は、スタンダード石油やAT&Tに分割を命じたが、現代の巨大デジタル企業を分割しても、これらの企業が生み出した価値の大半を破壊するだけで、競争環境を復活させることはない。

構造的な改革をせずに、現在のデジタルスーパースター企業をつぶしても、新たなデジタルスーパースター企業を登場させるだけだからだ。

よりよい解決策は、進歩的なデータ共有を義務づけることだろう。
つまりスーパースター企業を存続させつつ、これらの企業が集めたデータを匿名化した上で、他社と共有するように義務づける。

こうすれば、複数の企業が同一データから最善の洞察(インサイト)を得るために競い合うことになり、デジタル市場は分散化され、イノベーションが刺激される。

現在は多くのことが危険にさらされている。
ここで政府が行動を起こさずに、唐突にデジタルシステムが破綻すれば、欧米の経済と民主主義の重要な部分にダメージが生じる」(『Foreign Affairs Report』2018 NO.10)

まず、ここで紹介されたデジタル・グローバル大企業の凄さをまとめておこう。

1 グーグルは世界のインターネット検索のほぼ90パーセントのシェアをもつ。

2 フェイスブックは、世界一のソーシャルメディア・プラットフォームに成長し、ユーザー数が20億を超える。

3 グーグルとフェイスブックと合わせると、オンライン広告市場の半分以上のシェアを占める。

4 アップルは、売上高で世界最大のモバイルアプリストアを運営し、この分野で約80パーセントの市場シェアをもつ。
音楽定額配信サービスでも世界第2位で、市場シェアは全体の約3分の1を占める。

5 アマゾンは、米国のインターネット通販市場で約50%のシェアをもつ。

なんとも凄まじいばかりのデジタル・グローバル大企業である。

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江戸の非戦、明治の好戦

明治も江戸もまだわたしたちの身近に生きている。上野の西郷隆盛は、明治政府に反逆した軍人としての神格化を葬る必要があった。それで、軍服を剥ぎ取り、ひげもそり落とされて、犬まで添えられて、着流しの姿で上野公園に永遠に立たされている。

これを見た東京市民は、誰も西郷を暴力主義の反逆者とは思わない。関心すら示さないだろう。

もっと見えやすい例は、アホぼん三世こと安倍晋三の政治である。かれがやっているのは、長州汚職閥の政治そのものである。国家国政の私物化。私利私欲の縁故主義、オトモダチだけが栄えて、あとは切り捨てられる政治。暴力的な対外膨張政策。戦争へのにじり寄り。若い、未熟な天皇利用。これらは明治の長州政治そのものだ。

都合のいいことに、長州汚職閥の政治は現在、わたしたちの目の前にある。何をやっているのか。

金子勝

【税金浪費は辞めよ】アベがまた25~27日に訪中。原発セールス外交は全て失敗。先のロシア訪問では領土問題棚上げで軍事訓練。北朝鮮問題では5カ国協議で蚊帳の外。日米首脳会談ではFTA交渉に引きずり込まれTAGと嘘。それでもメディアは“やっている感キャンペーン”だ。

マンションGメン

東京五輪が開催される2020年には、空き家の数は1000万戸を突破しているはずだ。現在既に農山漁村よりも市街地や市街地周辺で空き家が多くなってきており、首都圏の高級住宅街と呼ばれているところでも、高齢化が進み、空き家は激増している。これから高級住宅街の治安もどんどん悪くなっていくだろう。

修(自由党)

自民党の白川勝彦元自治大臣がブログで、衆院選には「選挙監視団」が必要と訴えてます。「私は、安倍自公体制はもう独裁政権であると認識しています。集計作業の段階で(集計作業は安倍一族に親しい私企業が独占)自動的に票を読むコンピュータを操作すれば、どのような結果を出すことも可能だからです

yorisuke

東京新聞読んでいて、腹が立って仕方ない。記事によれば、
豊洲の維持費→築地の3倍超の82億円/年
豊洲の収支→年21億円の赤字。(将来の建替積立金を除く)
だったら、築地を改修した方が、使い勝手は良いままで、税金もよっぽど安くあがったんじゃないのか?

Shinichiro.Marosa

築地の業者は納税者に1円の迷惑もかけていません。築地は豊かな財源として、これまで都の財政を助けてきたのです。豊洲の費用の6000億円も、築地の売上の一部を積み立てた市場会計から出たものです。その豊かな財源を潰して赤字にしようとしたのが、石原慎太郎から小池百合子に至る歴代の都知事です。

愚かな政治をやりながら、潰れていっている日本が、これらのツイートにも表出している。そのなかで為政者は日本を破壊することで私腹を肥やし、まったく危機感を覚えていない。

江戸も明治も現在に生きている。

江戸とはなんだったのか。

この問いには、何重もの政治的隠蔽のベールがかかっている。西郷隆盛でさえ牙を抜かれた凡人として上野に立たした明治政府である。それ以上に、江戸がいかに優れた265年の平和の仕組みであったかは、決して知られてはならないのだ。

今日のメルマガでは、江戸を、開国に絞って、当時の外国人の目を通して客観的に概観する。外国人は江戸の終焉をどう見ていたのか。意外なことに、開国を迫った米国をはじめ、内心忸怩たるものに領されていたのだ。ほんとうに開国は、日本人を幸せにするのか。その疑問と不安である。

江戸について、あるいは江戸時代の日本について、来日した外国人はほぼ共通した認識をもっていた。

1 相当に日本庶民の文化レベルが高く、武士はさらに高い。

2 武士の戦闘力が高く、もし武力で侵略すればたいへんな犠牲者を生むことになる。

3 幕閣の知見、外交交渉力が非常に高く、ヨーロッパでも通じる一流の人物がいる。

4 庶民の手工業技術のレベルが高く、機械を近代化すれば質量とも飛躍する。

5 日本人は好奇心が強く、御触書や瓦版など情報に関心が高い。

6 礼儀正しい民族性から安全な社会が形成されている。奥地への女性の一人旅ができる。

7 住まい、着物に清潔感がある。江戸庶民は毎日風呂に入り、体臭がない。

こういう日本であったから、ペリーの後を継いで日本を開国させたハリー(初代駐日総領事)は、日記にこう記している。「厳粛な反省ーー変化の前兆ーー疑いもなく新しい時代がはじまる。敢えて問うーー日本の真の幸福になるだろうか?」(『ハリス日本滞在記』)開国を迫った本人さえ心の中で内心忸怩たるものがあったのである。ハリスにそう思わせたもの、それは日本庶民の幸せそうな姿だったのだろう。

日本開国への不安。それは日本を愛した外国人ほど強いものだった。エリザ・ルーアマー・シドモアもそのひとりである。彼女の日本愛は、敬意に近いものだった。

わが母国のレーニア山も万年雪に覆われ、斜面の森林がピュージェット湾内に濃い緑の影を落とし、昔も今も変わらぬ愛すべき山です。しかし、私たち米国人がこのような壮麗な山、雪、岩、森を持っていても、日本のように詩歌を好み自然を愛する国民を持ち合わせていません。夢と伝説の輝きに包まれ、あらゆる人に親しまれ心を和ませ、もう一つの富士を創造してきた日本民族の教養と伝統を、残念ながら私どもは育んできませんでした。(『シドモア日本紀行』)

シドモアの故郷の、米国レーニア山も富士山同様に万年雪に覆われ、美しい愛すべき山である。しかし、レーニア山と富士山とでは決定的な違いがあった。それは日本人はただに富士山を眺めるだけでなく、それを詩歌にし、絵を描いた。富士山は芸術とともに存在したのである。日本人は「もう一つの富士を創造」したのであり、その「日本民族の教養と伝統を、残念ながら私どもは育んできませんでした」という。

これはレベルの高い観察だ。自然はただの自然であってはならない。観念化された、もうひとつの自然をもたねばならないのだ。それを日本人は創造している。

シドモアのこの深い日本洞察から来る日本愛は、本物だった。彼女は母国の米国での排日移民法に抗議して、米国を離れ、スイスに行って、とうとうその地で生涯を終えることになる。排日の米国を許せなかったのだろう。

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死のメディア

メディアへの批判がネットに載らない日はない。地上波メディアはネットの厳しい監視にさらされている。

落合洋司がこんなツイートをしていた。

NHKというのはBBCのパロディ。受信料は税金の一種。公共放送という羊の皮を被った国営放送という狼。視線は常に政府、政権党を向いている。たまに内部で抵抗勢力が出ることもあるが、多勢に無勢。田中角栄が保釈になった時、目白にお見舞いに駆けつけたのはNHK会長だったんだから。そういう醜い存在。

重要な情報を地上波メディアが報道しなくなった。テレビとりわけ犬HKはスポーツと芸能が中心だ。報道も、政権にとってまずいテーマは隠蔽する。採り上げないのだ。

こうなると外国メディアとネットが以前もまして重要になってくる。ツイッターでも外国人で、親切に外国メディアの日本政権批判を紹介してくれる存在が貴重だ。

米国メディアについては、トランプを批判していることで評価する人々がいる。その反対に、米国メディアの背後にはディープ・ステートがいることから、批判あるいは否定する人たちもいる。

前者の人たちは、日本のメディアがあまりにもひどいので、それとの比較からトランプを批判する米メディアは凄いということになっている場合が多い。たしかに日本のメディアの腐敗は凄いことになっている。いまや犬HKの受信料は、暴力団の資金源のようなものだ。払ってはいけないものになっている。受信料によってかれらは贅沢三昧を繰り返し、国民いじめの広報機関に腐敗している。

米国のメディアは確かにトランプを批判している。しかし、米国には3つの権力の頭があり、これが熾烈な権力闘争をやっている。トランプはそのひとつに過ぎない。米国メディアは、ディープ・ステート支配下にあって、当然、プロパガンダ機関としてトランプ批判を繰り返しているのである。別に正義感や愛国心や反権力があって、国民の側に立っているわけではない。

米国メディアは、先の米大統領選で、ヒラリーを応援していたのである。そのヒラリーは、ウオール街、イスラエル、ネオコン、軍産複合体の利権代弁者であり、ディープ・ステートの中央の赤い歯車だった。

選挙期間中の、トランプと米国メディアとの権力闘争はまだ続いている。そこに正義や愛国心などの価値観が介在しているわけではない。

Paul Craig Roberts が「アメリカ・マスコミはいかに破壊されたか」(2018年10月1日)を書いていた。

テキサス州兵航空隊はベトナム戦争の徴兵を逃れるためにエリート連中が息子を入れておく場所だった。ジョージ・W・ブッシュが、戦争から逃れるのを狙って、入隊待ちの長いリストを飛び越え入隊できたことや、州兵航空隊の要求事項違反や、無許可で他州に転属したことについて、ジェリー・B・キリアン中佐書いた書類の写しをCBSが入手した。CBSチームは、書類を、本物か、そうでないか判断するために何カ月も作業した。書類中の情報は、テキサス州兵パイロットの時代にジョージ・W・ブッシュと知り合った人々のインタビューと辻褄が合うことが分かった」

これは入念に準備された報道で、やっつけ仕事ではなく、ブッシュの義務不履行に関して、現在我々が知っているあらゆる情報と一致している。

CBSニュース・チームにとっての問題は、当時彼らは気づいていなかったのかも知れないが、その書類が専門家が疑問の余地ない本物だと確認できる原本でなく、コピーだったことだ。そのため書類は他の人々の証言と首尾一貫していたが、原本ならできていたはずの、書類が本物だという確認が、専門家たちはできなかったのだ。

共和党はこの弱点に付けこみ、CBSの『60ミニッツ』報道が真実かどうかから、写しが偽物かどうかへと話題をそらせた。

CBSには他にも二つ問題があった。一つは同社オーナー、ヴァイアコムが報道事業ではなく、法的特権や規制上の許可で儲けようとして、ワシントンでロビー事業をしている会社だったことだ。ブッシュ政権が否定する鼻先で、アメリカによる拷問を暴露し、ブッシュに強い特権があり、テキサス州防衛隊から罪を問われなかったことを示すCBSの本当のニュース報道は、大金をかけたヴァイアコム・ロビー活動の邪魔だった。

極右ブロガー連中がCBSを追求すると、ヴァイアコム幹部は厄介なCBSニュース・チームを処分する方法に気がついた。ヴァイアコム経営幹部は、同社の記者たちを支持するのを拒否し、ブッシュがテキサス州防衛隊の任務を遵守し損ねたことに関する『60ミニッツ』報道に対し、共和党支持者で構成される、つるし上げ用“調査委員会”を雇ったのだ。

ヴァイアコムが、自社のロビー活動の邪魔になる自立したニュースを片づけたいと望んでいたのに、メアリー・メイプスと彼女の弁護士は、真実に何か意味があり、最後は勝利すると思い込んでいた。そこで、彼女は自分の経歴と品位が組織的に破壊されてゆくのを見守る破壊過程にさらされることになったのだ」(「アメリカ・マスコミはいかに破壊されたか」

「テキサス州兵航空隊はベトナム戦争の徴兵を逃れるためにエリート連中が息子を入れておく場所だった」。米国を民主主義の手本のように勘違いしていると、富裕層には徴兵を逃れる抜け穴が用意してある。これは、もし日本に徴兵制が敷かれても、同様な現実が起きると思って間違いない。戦場で戦うのは常に99%の若者たちなのだ。

将来、米国のデフォルトの原因を作ることになる、若き日のジョージ・W・ブッシュは、「戦争から逃れるのを狙って、入隊待ちの長いリストを飛び越え入隊できた」。富裕層のなかでも特別の計らいをされたわけだ。

ブッシュ(息子)の不正や違反について、ジェリー・B・キリアン中佐の書いた書類のコピーを、CBSが入手した。それは以下の内容だった。

1 戦争から逃れるのを狙って、入隊待ちの長いリストを飛び越え入隊した違反

2 州兵航空隊の要求事項違反

3 州兵航空隊の要求事項違反

4 無許可で他州に転属した違反

CBSチームは、慎重に何か月にもわたって調べ上げた。ブッシュと知り合った人々のインタビューもとり、間違いなく真実だという判断にたどり着いた。

しかし、ここから異様な展開を辿る。

1 その書類は、原本でなく、コピーだった。ブッシュの属する共和党は、コピーが偽物かどうかへと話題をそらせた。

2 CBSは、現在、メディア巨大複合企業であるヴァイアコム(Viacom)の傘下企業だった。ヴァイアコムが報道事業ではなかった。規制上の許可などで儲けようとして、ワシントンでロビー事業をしていた。そこで利害がぶつかったのである。その結果、驚いたことに、ヴァイアコム幹部はCBSニュース・チームを処分するために、「共和党支持者で構成される、つるし上げ用“調査委員会”を雇った」。

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江戸が蘇る

今日はこれまでのメルマガとは趣を変えて、江戸と明治について書く。江戸と明治は、現在の政治状況を語るときに折に触れて出てくる。重要な概念である。なぜ重要なのか。さしあたって3点を指摘できる。

1 明治も江戸も、政治的にも文化的にも現在に生きている。

2 現在の日本の政治は長州汚職閥の政治である。

3 長州には李氏朝鮮の影響が深く影を落としている。

遅れた江戸に、開明の明治。そして「維新」という言葉自体がもつ洗脳力。これによって、明治は善であり、近代であり、文明開化ということになった。これは戊辰戦争に勝った薩長史観であり、司馬遼太郎や犬HKによって作られた史観だ。薩長にはそうしなければならない理由があったのである。

明治維新は、薩長の下級武士たちによって起こされたクーデターであった。それは革命ではなかった。だからかれらは維新後に政権をたらい回しにし、明治時代になんと14人の総理のうち、8人が長州人であった。

明治維新によって中央集権化され、長州汚職閥の政治が権力を握ることで、太平洋戦争敗戦後の日本の植民地が決まった。なぜなら長州汚職閥の政治(岸信介)は戦犯免責と売国を取引したからである。

現在は小選挙区比例代表並立制と内閣人事局によって、岸の孫のアホぼん三世こと安倍晋三が独裁を築いてしまった。日本は、米・朝支配の実質的な植民地になってしまった。

こう考えると、悪としての後れた江戸に、善としての開明の明治というのは、どうも捏造のようである。

江戸時代を知るのに、もっともいいのは、来訪した外国人の言説を辿ることである。驚くべきことは、外国人の国も年齢も性も違っても、一様に江戸の民度の高さに感嘆していることだ。

かれらの多くは母国で日本を紹介し、書物にもした。それを読んで日本に来る者もいたのだから、いい加減なことは書けなかったはずだ。それが絶賛に近い書き方をしている。

わたしたちには黒船でなじみのマシュー・カルブレイス・ペリーも、次のように日本を認識していた。

実際的および機械的な技術において、日本人は非常に器用であることが分かる。道具が粗末で、機械の知識も不完全であることを考えれば彼らの完璧な手工業技術は驚くべきものである。日本の職人の熟達の技は世界のどこの職人にも劣らず、人々の発明能力をもっと自由にのばせば、最も成功している工業国民にもいつまでも後れをとることはないだろう」(『ペリー提督日本遠征記』)

日本人の器用さ、その器用さから生まれる「完璧な手工業技術」。それにペリーは驚いている。「日本の職人の熟達の技は世界のどこの職人にも劣らず、人々の発明能力をもっと自由にのばせば、最も成功している工業国民にもいつまでも後れをとることはない」と断言していることは、さすがである。この江戸時代の徳川政権のままに、長州に任せずに進んだ方が日本は幸せだったのである。少なくとも長州の暴力主義と対外膨張策による日清、日露、大東亜戦争はなかっただろう。

またペリーは、江戸の教育の高さにも驚嘆していた。

下田でも函館でも印刷所を見かけなかったが、本は店頭に並んでいた。たいていは安価な初歩的実用書、通俗物語や小説だった。人々は全般的に読み方を習っており、情報収集に熱心なので、明らかに本の需要は大きかった。(同書)

アジアにやってきて、本屋を見つけたことは衝撃だったにちがいない。なぜならそれは庶民が本を読めることを物語るからだ。「人々は全般的に読み方を習っており、情報収集に熱心なので、明らかに本の需要は大きかった」と冷静に書いているが、心中穏やかではなかったはずだ。それはこれから交渉する幕閣の見識の高さを予想させるからだ。さらには日本を植民地化することの困難さを物語るからだ。

本といえばこのような証言もある。デンマークの海軍士官のエドゥアルド・スエンソンは幕末に日本にやってきた。そして見聞録を書き上げた。

(日本の 注 : 兵頭)科学の分野が幼児期の段階にあるなどとは決していえない。ひとつには日本人自身の努力のおかげで、またオランダ人によって日本へもたらされ、日本語に翻訳された数多くの西洋科学書に関する知識がそなわっていたことが理由としてあげられる。

私の日本滞在中、あるフランスの将校が江戸の本屋で、ナポレオン一世に関する詳しい書物を発見した。それはオランダ語から翻訳され、うまく活写された皇帝の肖像で飾られていたという」(『江戸幕末滞在記』)

日本人には「オランダ人によって日本へもたらされ、日本語に翻訳された数多くの西洋科学書に関する知識がそなわっていた」。もっとも驚くのは、「私の日本滞在中、あるフランスの将校が江戸の本屋で、ナポレオン一世に関する詳しい書物を発見した」という証言だ。オランダ語から日本語に翻訳された書物だった。

これは日本人の、外国への好奇心の強さと、ある程度の外国情報を得ていたことを物語る。鎖国といっても、武士はもちろん庶民までもがある程度、外国の事情まで知っていたのである。

日本人が情報に敏感なこと、熱心なことは、いろんな外国人が書いている。その前提の識字率が江戸で8割ほどもあり、武士たちに限れば10割だった。文武両道といって、武は文(知性)と一体のものと考えられていたのである。

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沖縄知事選に勝利して

9月30日に投開票された沖縄県知事選の最終的な投票率は63.24%だった。

この選挙は、沖縄ばかりでなく今後の日本に重大な影響を与える選挙だった。それは辺野古の米軍基地建設が争点になっていたからである。

結果は以下の通りである。

玉城デニー 39万6632票(当選)

佐喜真淳 31万6458票

兼島俊 3,638票

渡口初美 3,482票

自公推薦の佐喜真淳(日本会議)に約8万票差で圧勝した玉城デニーは、ツイッターで、「沖縄県知事選が終わりました。誰に投票した人であれ、沖縄の未来を真剣に考えた一票だったと思います。その想いをこの一身に受け止めます。この勝利は玉城デニーの勝利ではありません。みなさんの勝利です。たたかいはこれから。ともに新時代沖縄へ進みましょう」と訴えた。玉城デニーの得票39万6632票は、知事選過去最高のものだった。台風と創価学会の自由投票があれば、さらに大きな得票になったと思われる。

目についたツイートには次のようなものがある。

山口二郎

NHKの見当外れについて何度も批判してきたが、今日は特にひどい。11時50分のBSニュースでは、台風情報は仕方ないとして、日馬富士の引退を報じて、何で沖縄県知事選挙の結果を報じないのか。玉城氏の勝利を徹底的に無視したいという強い意志を感じる。報道局は忖度局。

金子勝

総裁選で地方票の半分が石破氏に流れ、アベ政権による辺野古にノーを突きつける沖縄県知事選。外交はプーチンやトランプにコケにされ、FTAをTAGとすり替え。自動車も農産物も風前の灯。世界の金利上昇でシャブ中アベノミクスも限界。政策はみな目標未達。それで民意に反する改憲。もう辞めた方がいい。

布施祐仁

「これまでは知事の承認を得ないで進められるギリギリの工事をしてきたが、それも限界に近づきつつある」(防衛省幹部)。これこそ官邸と与党本部が総力をあげて県政奪還にきた理由であった。つまり、知事の新たな承認がなければ、本格的な埋め立て工事に入ることができないのである。

岩上安身

菅の臆面もない嘘のつきっぷりも、進次郎の恐ろしく中身のないスカスカぶりも(応援演説全文覚文字起こしして愕然としました。みんな彼の断片しか知らない。通して聞くとスッカラカンです)、本当に凄まじいものでした。彼らが国の権力の中枢にいるということが、この国の劣化を象徴しています。

内田樹

雨の後の透き通ったような庭の緑を眺めながら、原稿書き。まずはAERA。沖縄県知事選について書きました。「潮目の変化」があったと僕は思います。一つは公明党支持層の25%が玉城候補に投票したこと。政策的には玉城候補に共感しながら、党の押す佐喜真候補に入れた学会員も多数いたはずです。

沖縄の公明党支持層のおそらく半数近くが現政権については党執行部と評価を異にしている。この乖離を収拾して学会内世論を統一しないと、創価学会を自公連立政権の「盤石の土台」として当てにすることは出来なくなります。公明党執行部は政権との距離感を(表面的には)強調せざるを得なくなる。

公明党が(表面的にではあれ)学会員に向けてアピールするために、官邸との距離感を演技せざるを得ないようになるというのは、9条改憲に前のめりになっている安倍政権にしてみるときびしい環境です。これが今回の県知事選のもしかするといちばん大きな影響ではないかと思います。

玉城デニーの勝因と佐喜真淳の敗因とは表裏の関係にある。それを指摘しておくと次のようなものがある。

1 やはり選挙戦の深層に故・翁長雄志がいて、底流は弔い合戦だった。選挙終盤に翁長雄志の妻・樹子が登場してきて、玉城デニー支持を明確にしたことが決定的に大きな流れを作った。それまでは佐喜真淳まで翁長の後継者を装っていたが、この嘘が粉々にくだけた瞬間だった。

2 9月20日の総裁選でアホぼん三世は3選を果たしたが、その内容は大きな不安を抱かせるものだった。公認権とポストとカネと恫喝で自民党内を締め付けたにもかかわらず、石破茂は善戦し、議員からも党員からもアホぼん三世陣営の予想を上回る支持を集めた。とりわけ、党員票は55対45という接戦だったのである。このとき、自民党には、アホぼん三世では国政選挙を闘えないという声があがってこなかった。現在の保身だけを考えているのだが、その保身の最大のものが自分の選挙であることすら考えられていなかったのである。その怯懦に今回の沖縄知事選は痛棒をくらわせるものだった。

3 沖縄での争点隠し(辺野古の米軍基地建設)は不可能である。沖縄の基地問題は、日常生活の問題になっている。いわば生活を愛するか捨てるか、といった問題だった。その点、争点隠しに終始した佐喜真淳には戦略的な間違いがあった。争点隠しといった新潟では通じた仕掛けが沖縄では通じなかった。

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反愛国心、反ナショナリズムの時代

アホぼん三世こと安倍晋三が米国に行く。もうそれだけで国富蕩尽の悪夢が過ぎる。

案の定、26日にアホぼん三世との会談を終えたトランプは「安倍首相と会ってきた。我々は日本と貿易交渉を開始している。日本は長年、貿易の議論をしたがらなかったが、今はやる気になった」と上機嫌だった。

さらに「日本はすごい量の防衛装備品を買うことになった」と、極東が平和になっているのに、アホぼん三世がまたぞろ米国製ポンコツ兵器の「爆買い」を約束したことを喋りまくった。もうアホぼん三世はトランプの選挙対策と米国雇用対策をやらされているのだ。

トランプは米国内向けに、よだれを垂らしながら「アホぼん三世が驚くほどの大量兵器を買ってくれました」と演説した。普通、こういうことは、国防の秘密にも抵触するのでいわないものだ。それをいうのはバカにしきっているからだ。

すでに日本はローンで米国製ポンコツ兵器を購入しまくっている。その結果、支払いを翌年度以降に先送りする「後年度負担」が膨れ上がるばかりだ。いったいどこまでこれをやるつもりだろうか。日本の株式市場ばかりでなく、米軍産学・イスラエル複合体まで「官製相場」化しつつある。底なしのバカである。

今日のメルマガでは欧米日の共通の状況をみてみよう。

『マスコミに載らない海外記事』(2018年9月26日)に、 Paul Craig Roberts の「自由よ、いま何処?」が載っていた。

私の世代はプライバシーを知っていて、人生の大半を自由に生きられた最後の世代だ。

運転免許証に写真がなく、まず確実に指紋もなかった時代を覚えている。運転免許証は誕生日の証明だけで発行されていたのだ。

自動車が出現するまで、民主的国家に身分証明書は存在しなかった。人は、自分がそういう人物だと主張するままの人物だった。

(中略)

オンラインに入った瞬間に、あなたは、あなたに関する情報収集の対象になる。情報が収集されていることにすら気がつかない。

報道によれば、間もなく、ストーブや冷蔵庫や電子レンジが我々について報告をするようになる。新しい自動車は既にそうしている。

プライバシーが消えてしまえば、私人はいなくなる。すると人は一体何になるのだろう? 彼らはビッグ・ブラザーの被支配者になる。

我々は今、その時点にいる。

(中略)

デジタル世界が、ビッグ・ブラザーのメモリーホールを可能にした。焚書の必要はない。ボタンを押すだけで、情報は消える。

私が書いている通り、Google、Facebook、Twitter、Amazon、Apple等々、全てが、承認されない情報を消し去っている。

デジタル世界では、我々のアイデンティティーが盗み取れるだけでなく、実際、何度でも盗み取り、同時に何人ものあなたを存在させることさえ可能だが、我々は消去されてもしまうのだ。その証明は、ボタンを押せば、おしまいなのだ。これで殺人が容易になっている。あなたは決して存在しなかったのだ。

前に申し上げたが、再度言おう、デジタル世界と人工知能は、人類にとって、黒死病がそうであったよりも遥かに酷い災厄なのだ。新世界創造に忙しい賢い人々全員が人類を破滅させつつあるのだ」(「自由よ、いま何処?」

「私の世代はプライバシーを知っていて、人生の大半を自由に生きられた最後の世代だ」。いきなり衝撃的な文章だ。だいたい Paul Craig Roberts の状況の捉え方はペシミスティックであり、ときにはわたしとは認識を違えているが、最後まで読ませる魅力を兼ね備えていることは間違いない。

「自動車が出現するまで、民主的国家に身分証明書は存在しなかった。人は、自分がそういう人物だと主張するままの人物だった」。いまでも金融機関で、役所で、必ず運転免許証の提示を求められる。公的機関を通った写真がほしいのだろう。そしてその運転免許証を必ずコピーする。しかし、これはまだリアルの世界での話だ。

ネットでは、日々、何を考えているかまで、ツイッターで、フェイスブックで、ユーチューブで、ブログで、情報収集の対象にされる。携帯のカメラなど、位置情報からはじまって写真によって性的趣味まで判断されることを、多くの国民は知らない。

自動車並みに、テレビやプリンター、スキャナー、エアコン、ストーブ、冷蔵庫、電子レンジも情報を集め出す。プライバシーはもうないのだ。「私人はいなくなる。すると人は一体何になるのだろう? 彼らはビッグ・ブラザーの被支配者になる」と Paul Craig Roberts はいう。

ワン・ワールド政府になると、単一の通貨制度になり、世界の人口は、管理できる10億人に減らされ、支配者と奴隷だけになる。ID(身分証明)番号が各人の肉体に刻印され、宗教は、悪魔主義、ルシファー崇拝になる。こういう表現が陰謀論だというなら、国際銀行家、国際金融マフィアといってもいい。要は巨大な富を持ったシオニズムのグローバリストの支配下に世界はおかれるということだ。

将来のワン・ワールドは、古典的な意味でのワン・ワールドではなくなるだろう。それはデジタル化されることで、より徹底した奴隷社会を構築するだろう。奴隷は電子上のデータにすぎなくなり、作ったり消したりできる。「これで殺人が容易になっている。あなたは決して存在しなかったのだ」。殺人とデータの消去を一緒にやれば、そもそも存在しなかった人間になり、殺人もなかったことになる。そこまで人間は愚かになるのである。

Paul Craig Roberts は、「デジタル世界と人工知能が、人類にとって、黒死病がそうであったよりも遥かに酷い災厄」と語る。そういう側面は確かにある。しかし、デジタル世界と人工知能は、自然過程であり、止めることはできない。優れた政治家さえ出てくれば、法律で一定の制御は可能だとわたしは思っている。ただ、現在の劣悪な政治は、国民の管理と監視、抑圧に向かっている。そのために、デジタル世界と人工知能とを利用しようという傾向にある。

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